偽リノ魔神
115話です。
本話含めてあと5話です。
「チッ──しぶとい、わね…っ!」
舌打ちと共に漏れる、ペストの唸り声。振り抜かれたナイフが、ユイの髪を掠め、赤茶の毛が舞う。
戦場は移り変わり、それぞれの戦いへと移った直後。下位の幹部をスズナ達に任せ、皇帝とペスト、そしてファルシュを相手取ったユイとマラリア。個として、執拗にユイを狙うペストとファルシュを他所に、マラリアが皇帝を狙うこととなるのは、自然な流れと言えるだろう。
閑話休題。
ナイフを大鎌で受け流し、引っ掛けるようにしてファルシュの元へと投げ飛ばすユイ。ただ、そんなナイフを踏み台にして、軽く宙を舞ったファルシュは、ペンデュラム型の鎖を振るい、空いた距離を殺し迫る。
「無駄なことを」
「──ッ!たかがウチのオリジナル風情のくせに生意気──っ!」
すんでのところで、勢いの止まるファルシュの身体。ギチギチ、と。絡み合ったペンデュラムが、その距離を固めあげる。
ユイ─ひいてはユウと瓜二つの、美しい容姿の竜人、ファルシュ。ユイとユウをオリジナルと呼ぶ彼女は、双子、或いは三つ子と言っても差し支えない。…あえて、対峙したユイとの相違点をあげるとするならば、それは慎ましやかな胸部だけであるか。尤も、そこまで似ている理由こそ、彼女の出自に関わるものであるが。
「──ったく、やりづらい」
不意にそう呟いて、絡まったファルシュごと、ペンデュラムを振り回すユイ。直後飛んできた衝撃が、近づくペストを撃ち落とし、地面を大きく震わせる。
「何が…何が『やりづらい』よッ!」
ペストの絶叫。その言葉の矛先は、眼前の敵か、はたまた上手くいかぬ己への苛立ちか。覆い被さったファルシュを突き飛ばし、歯ぎしりをした彼女は、ユイを睨んで立ち上がる。
「──まだそんな目ができるのか」
ポツリ、と。ユイの言葉が漏れた刹那、再びブレるペストの輪郭。直後、周囲を包む木々が、深紅の色へと姿を変えた。
ーーー
「──何が愛娘よ」
天に浮かぶ魔王城、その玉座の間にて。舌打ち混じりのイヨの声が、密室に反響する。
──3人の前に立つ、継ぎ接ぎだらけの異型・魔王ルイン。
イヨにとっては、実の父でありながら、ユウとの仲を裂いた諸悪の根源に他ならず。ただ、倒すべき敵である、と。…尤も、父親らしいことをされた記憶も無く、育ての親へ迫る姿を見れば、そう認識されるのは自然な流れではあるが。ただ、だからこそ。こうして自ら対峙して、明確な決別を己に示す。
「私は…アナタを父親と思ったことも!家族だと思ったことすらも──無いッ!」
傀儡として、弄くり回された義妹、ローズ。そして、自分同様に、愛する竜から引き離されたユアとユイ。幼いながら、金色の瞳に映った10年という年月。そのすべてを噛み締めて、そして削り落としても尚、残ったその心を持って、彼女は今、ここにいる。
「──コースケさん」
「あぁ…わかってる」
ユウの声かけに応じて、彼を挟んだ反対に─即ち、イヨと横並びになるように、コウスケが足を踏み出す。
イヨにとって、世界も、種族も、何もかもが異なるはずの男。ただ、一つ。親友、或いは想い人への思いと。この世界を背負った『友』は、目先の男を睨みつけ、ゆっくりとその口を開ける。
「さぁ──殺りますか」
ーーー
木片が周囲にはじけ飛び、鮮血が火花と散っては消える。
──元魔王軍四天王、マラリア。長寿な魔族の一種、淫魔でありながら、魔王へ反旗を翻した最強と名高い女。冒険者間でも、幾度と話題に上がるその美女は、色欲か、はたまた恐怖故の内容か。尤も、そんな彼女の真価は、齢130で手に入れた〈精神支配〉という固有能力だけではなく、本人の持つ純粋な戦闘能力の高さにあるのだが。
そんな彼女が、地に叩きつけられ、口内の血を吐き捨てる。
「──あーあ、本当にめんどくさい」
対峙する大男を目に、呆れ笑いと共に吐き出す声。
この男に対し、竜人すらも一時的に支配できた能力、〈精神支配〉が効かなかったという事実。無論、ある程度の精神力があれば抵抗することは不可能と言えなくは無いが、だとしても、男であるというデバフを背負って尚、一切が通じないとなると、話は変わる。
──互角か、ややジリ貧か。打ち合った拳の感触を思い返して、心の中で悪態をつく。
「──どうした?この程度か」
「チッ──言わせておけば…ッ!」
逡巡した刹那、肉薄した皇帝の剣が、頬を掠めて空を切る。ただ、纏った魔力が、その衝撃が、彼女の肉体を宙へと放り投げて。
「〈風の──」
「それは見た」
「──ッ!?」
詠唱をしようとして、音の無い息が、魔力と共に抜けていく感覚。さしずめ、事象の書き換えか。そう思い至って、翼を広げ体勢を整える。
名ばかりの皇帝、と。姿を知る者は少なく、各国で世迷言とされた魔王の後ろ盾。尤も、四天王であった彼女でさえ、その実情は知らず、噂程度に聞き流していたものであったのだが。
──では何故、今更になって姿を現したのか。回避に専念し、肉体から切離した思考で、考えを巡らせる。
「ふむ、避けるか。…だが、甘い──」
「──っ」
思考が、肉体のリソースを上回った、ほんの一瞬。不意に伸びた森の木々が、彼女の手足を絡め上げる。
「〈森の精霊〉…ッ!」
「御名答」
皇帝の呟き。直後、燃えがある炎が、蔦を這いマラリアに迫る。
エルフの固有能力〈森の精霊〉と、ドワーフの固有能力、〈火の番人〉。そんな共存し得ない2つを操り、我が物とする方法は一つしか無くて。だからこそ、その唯一に思い至り、奥歯を強く噛みしめる。
──支配系の能力による、ただの駒。
似た能力を持つ彼女にとって、そう核心に迫るのは必然であって。しかしながら、それが忌避されることであることも、従順承知していて。ただ、目の前の人形脅威であることに変わりはなく。少なくとも、元同僚によって弄ばれた幾つもの命が、本人の意図せず使われていることは確かだろう。
そこまで感情移入しかけたせいか。マラリアは、肉薄されたソレに、一拍遅れて反応する。
「しま──」
──った、と。彼女が言い終えるよりも早く、一陣の風が抜ける。
一瞬にして、しかし永遠をも伴うやり取り。マラリアの鼓膜を震わせた、確かなうめき声が。消えた炎の元、炭となった蔦を静かに地面へたたき落とす。
「き、さまも…ッ!我に歯向かうと、言うのか──ッ!」
マラリアの視界に映る、確かに人形の胸部を貫く大槍。
刹那、皇帝の振るった腕が、その持ち主─ジフテリアを突き飛ばし、地面にクレーターを残す。
「──マ、ラリ…ア、さま…」
途切れ途切れ、名前を最後に沈黙するジフテリア。ただ、最期に彼女は笑っていて。虚空に消えた言葉の続きが、マラリアの身体を無理矢理動かす。
「──えぇ。お姉さんに任せなさい」
予想外の乱入者。それも、自らが敵対したはずの、古巣のままの魔人。楽しさを求めるマラリアにとって、思い返してもそこまで居心地の良い場所ではなかった。が、それはそれとして。少なくとも、言葉を交わし合い、名前を知っている間柄。そして、その在り方を示した彼女へ、敬意を払うほどの情は残っていて。それを終わらせた人形へ、静かに視線を向ける。
バキバキッ、と。自らの骨を折っては、蔦を抜け出し再生させる手足。
柄ではないけれど…なんて、自分の心に言い聞かせて。それでも尚、昂る思いが、己の肉体を加速度的に動かして。
───ぐちゃり。
臓物を撒き散らして、地面に突き刺さる大槍。通り抜けたマラリアの身体が、勢いを殺して血沼に伏せる。
「フ、フフ…ハハハハハハハハハ──サイサイササササ、イワナ、ゲラゲラレタ」
ドサリ、と。笑い声にも聞こえる音と共に、彼女の背後で、穴開きの肉体が倒れる。
呆気なくも思える、一つの戦いの終わり。
──ローズ様をよろしく、と。朧げなマラリアの脳裏に過った魔人は、一足も二足も先に、陽炎の中へとその姿を消していった。
ーーー
帝国より離れた、世界の裏側とも呼べる地。その上空、ゆっくりと、しかし確かに動く魔王城の中で。ぶつかり合う衝撃の余波が、瓦礫と言う名の雨を降らす。
「──フフ、フハハハハハハッ!我が、負ける…?あり得ぬ!──あり得ぬあり得ぬ有り得ぬッ!」
右腕に宿る、『化物』たるコウスケの力。
左腕に宿る、『神竜』たるユウの力。
ヒトから魔人となり、その全てを我が物にした男はひとり、狂ったように笑い狂う。
戦闘が始まってから、早数時間。それが表層にでたのは、もはや必然と言っていいもので。最初こそ、互角以上に立っていた魔王は、遂には膝を落とすに至る。
「──これで、決着はついたな」
鎧のような外皮で、ゆっくりと歩み寄る勇者の声。文字通り、魔王が全身全霊をかけた戦いは、最早勝負がついていて。眼前に並び立つ男女が、冷ややかな目を向ける。
ユウ達の計画、その最後の1ページ。
魔王のみが倒れる形で、決着のついた戦い。尤も、拮抗していたのは、同じ能力を打ち合った序盤だけであり、権能を出すや否や、一方的な展開に変わったことは言うまでもないが。念には念を入れた彼等の計画のほうが、外付けの力に頼った魔王を上回ったと、ただそれだけの話。
壊れた魔王を前に、コウスケが、漆黒の竜剣を握り締め、振り下ろそうとした刹那。不意に、かざされたユウの腕を前に、彼はその動きをとめる。
「…そういうことね」
首を振るユウにそう返して、振り上げた腕を下げるコウスケ。
そして、一歩下がって。イヨに目配せをした2人は、どちらともなく頷き合うと、その立場を入れ替える立つ。
「魔王、ルイン…」
呟いた声が、喚く魔王の動きをとめる。
魔王の娘─イヨ。いつしか、元凶を殺す役目は自分であると、そう暗躍してきた彼女。それはかつて、帝国という暗がりから抜け出した彼女が、己に遺す懺悔のようなものであって。ユウから借りた塩の剣を片手に、魔王を前に歩み立つ。
「これが私のケジメよ」
振り下ろされた剣が、魔王身体を貫き、消える。
断末魔すら、終ぞあげさせることも無く。出来上がった塩の柱を前に、イヨの剣が、手から滑り落ちる。
「…終わった、のよね」
呟いた声が、自らの鼓膜を震わせる。
苦節十年。文字通り、10年を経て、辿り着いた一つの結末。元凶たる父を討った、彼女の心は晴れやかで。脱力した身体が、安堵の声に影を差す。
これで、ようやくユウと笑い合える日がやってくる、と。塩の柱に映る、母の面影を映す姿を前にイヨは──
「──イヨッ!」
「──離れてッ!」
「──ぇ?」
振り返った目に映るのは、手を伸ばすユウ達の姿で。
──自らを包まんとした無数の手。
ソレを認識した刹那、イヨの意識は、闇の中へと引きずり込まれた。
ーーー
「嘘…ウソウソうそ!出鱈目を、言うn──」
絶叫しかけたペストの頬に、伸びたユイの蹴りが突き刺さる。
ジフテリアが命を散らした、ちょうどその頃。戦場は再び舞い戻り、ユイとペスト、ファルシュの戦いでは、『死神』を名乗る1人によって、その決着がつこうとしていた。
「オリジナル風情のくせにッ!オリジナル風情のくせに──」
「黙れ」
薙ぎ払われる、打ち合っていたはずのペンデュラム。ユイにしてみれば、馬鹿の一つ覚えか、と。そう脳内で呟いて、突き刺した大鎌を肩に担ぎ直す。
「ファルシュ──だったか。悪いが、お前の相手は後だ」
「っ!ウチはまだ戦え──ァ、──」
ドシャ、と。ユイの言葉に続けて、重くのしかかる重力によって、地面にめり込むファルシュの身体。その手足が潰れ、喚こうとした音が消える。
戦場であったはずの場所。しかし、一人の女を前にして、地に伏せる2人の姿。数的有利、であるにも関わらず。睨むことしかできないペストは、這いつくばりながらも、落とした武器へと懸命に手を伸ばす。
「教えてやろう、ペスト」
「ァァ゙──ッ!ユイ、アンタ──ッッ!」
バキ、と。砕けた音がして、ペストの手に乗ったユイの足。直後、ユイの拾い上げた彼女の武器が、己の足を地面と縫い付ける。
「──どうしたペスト?お前が楽しんできて、お前がさせるはずだった苦痛の味は?」
「─っ」
手足を固定したまま、その髪を掴んで無理矢理顔を合わせるユイ。
せめても、と。ペストが唾を履こうとした刹那、叩きつけられた顔面は、鉄の味と共にファーストキスを地面に捧げることとなる。
「──案の定、思っよりもつまらないな」
吐き捨てるようなユイの声。ただ、口内の泥と、血を吐き出すことすらできないペストは、かろうじて動く掌で、地面の味を握り締める。
──数刻前、耳に残った、エボラの訃報。
2人で相手して、これまで保った均衡が崩れたのは、それを耳にしてからであって。快楽も、己の執着さえも忘れ、無様を晒すこととなったペスト。
ユイの言う、つまらないこと。それは、愛する者同士を引き裂き、いたぶることで得ていた彼女の快楽そのもの。ただ、立場が逆転した今この時においては。どうしようもなく無力で、現実逃避するしか無い絶望が、その肉体へ、そして心へと侵食している。
「ま、安心しろペスト。お前がやってきた通り、俺が直々に逢わせてやるよ。死神として、お前が愛したエボラのところに、な」
仰向けにされ、鼓膜を震わせる声。ただ一つ、己に残っていた武力すらも、終ぞ越えることすらできなくて。いつの間にか、骸骨面を被った『死神』の姿が、最期の網膜にへばりつく。
「g──」
音が途切れ、斬られたことすらも気づかぬ皮が、絶たれた頭と胴を結び直す。
言葉すら残せず、半ば作業じみたその最期は、今までの所業を否定しているようで。死神の関心すら外された彼女は、誰に想われ、看取られることも無く、その生涯を終えたのだ。
「──さて」
「ひっ…」
血の一滴すらなく、担ぎ直された死神の大鎌。
彼女の視線の先──目があったファルシュは、情けなくも声を漏らし、いつの間にか戻った重力の中、使えなくなった手足を藻掻き動かす。
「お前にとって、俺達はオリジナル──だったか。俺とユウの遺伝子を持ちながら、その体たらく…不意打ちで弟を殺したと聞いていたが、報復する気すら失せる」
光の消えた、紅の瞳。吐き捨てる言葉と共に、一歩、また一歩と近づいていく。
「──ぁ、ぅち、は…」
命乞いにも似た、絞り出した音。足音にかき消されたそれが、ユイの耳に届くことなど無く。ただ、先程の女の最期が、ファルシュの脳裏に再生される。
──5人目の竜人、ファルシュ。
その出自は、エイズによって竜人の遺伝子から作られた、禁忌そのもの。尤も、父たるエイズにとって、「神に近しき力を持つ竜人を、人工的に作りたい」といった好奇心の産物に過ぎず、生み出されたことに意味など無いのだが。─だからこそ、だろう。父によって、魔王軍の戦力的な切り札、ただそれだけを刷り込まれていたファルシュ。ユウと同等までに培養され、外界を知った彼女にとって、ユウにご執心なその背は、幼い彼女の心に、影響を与えぬ筈もなくて。いつしか「オリジナルたる竜人を殺すことで、自らを証明するしかない」と。歪んだ執着の末に、彼女は竜人となり、そこにいたのだ。
「───義姉さん。ここは我に任せていただけないだろうか」
共に襲ったペストが死に、次は自分である、と。粉々に砕かれた存在意義に、そう絶望していた刹那。不意に届いたくぐもった低い声が、ユイの足をピタリと止めた。
「ユウの差し金か」
「…いや、これは我の意思だ。姫様達は、それに協力してくれたに過ぎん」
「…そうか」
──キラリ。割り込んだ人物の掌で、光を反射する宝玉。
ただ、一瞬の間。彼女にとって、最優先なのは弟のことであって。殺されたはずの本人が、と。その意図を汲んだ彼女は、腰に手を当て溜息をと共に、短く言葉を吐き捨てる。
「──っ、ヘルシャフト…なんで…」
傷だらけで、今にも壊れそうな漆黒の鎧。ただ、割り込んできたその男の背に、ファルシュの口からその名が漏れる。
存在価値も、何もかもを否定され、この世からすら拒絶されたような状況で。どうして、こうも都合良く現れてくれるのだ、と。怨嗟にも似た声は、その続きを紡ぐことはできなくて。
「…ファルシュ。我はもう、ヘルシャフトでは無い」
ガチャリ、と。折れた大剣を投げ捨てて、彼女へ振り返る男。ゆっくりと、屈み目線を合わせた彼は、兜を脱いで、その手を差し出し口を開ける。
「我は─いや、俺はカイト。お前と──謝りにきたんだ」
彼女にとって、唯一見知っていた父以外の存在。
ユウ達に負けず劣らず、整った顔立ちその男は、呆ける彼女を前にして、そう言い放った。
ーーー
眼の前で起きた、場を包む閃光。
魔王を倒した直後、イヨのおかしな様子に、反射的に飛び出した2人。刹那に走ったソレは、2人を壁面へ弾き飛ばすと、圧倒的な威圧感を以て、その場へ強く縫い付ける。
「──っ、ァ…」
砕けた瓦礫が、のしかかり、絶え絶えの息を漏らすコウスケ。
完全に意識外からの、予想打にしない一撃。化物姿から、元へ戻ってしまった彼にとって、致命傷にもなりうる、今の状態。かろうじて、押しつぶした瓦礫が出血を抑えていることが不幸中の幸いか。即死を逃れた彼は、なんとか酸素を取り込んで、意識をつなぎ手を伸ばす。
「──ふむ。流石は我の器だ。…やはり、この身体はよく馴染む」
コウスケの鼓膜を震わす、イヨの声。ただ、圧倒的な威圧感を孕んだそれは、肩を並べた彼女と、全く以て別物で。
「───さぁ喜べ!そして跪け!皇帝たる我の──この崇高なる魔神の、再誕という今を──ッ!」
宙に浮く魔王城、その倒壊した瓦礫の中央で。
コウスケの網膜に映った、イヨの姿をしたソレは。自らを『魔神』である、と。そう名乗りをあげた。
魔王は前座。あっさり塩味。




