ガールズトーク
ハルの歓迎会で賑やかな部屋のバルコニーでは、夜風に当たるルキとミラがいた。
「夜風が気持ちいいですね。室内の賑やかさとは真逆です」
「そうですね。でもメリハリがあっていいです」
「ルキ様が元気を取り戻してよかったです。私は安心しました」
「ワタシは元気でしたよ?」
「いいえ。ハル様がいらっしゃらなかった半年間、ルキ様は空元気でした。今のルキ様とは違ってました」
「自分じゃ分からないです。いつも通りに過ごしてきたつもりでした」
「不思議なものです。たった一人の存在が一人を変えてしまうのですから」
「それは自覚してます。ハルと出逢ってワタシは変わりました。ハルに引っ張られたんだわ」
「引っ張られたでしょうか? 惹かれたのではないですか?」
「むっ~!?」
飲んでいたジュースで噎せてしまう。〝惹かれた〟という単語がルキに響いたのだ。
「大丈夫ですか!?」
「……え、ええ。ごめんなさい。ちょっと動揺しちゃって」
「否定はしないのですね」
「……本当のことですから」
「うふふ。ごちそうさまです」
「ミラさん!」
ミラにからかわれ照れるルキ。すると、シャリアとナナとミクも部屋から出てきた。
「中は五月蝿くて堪らんせえ」
「なかなかラルロアと話せないんよ」
「皆、楽しそうだよ」
「男同士で語り合いたいこともありますから。私達は私達で語り合いましょう」
「ミラが言い出すとは珍しいせえ。なにかいいことでもあったせえ?」
「実は……リンク様とお付き合いを始めまして……」
「えええ!?」
「ルキ、声が大きいせえ」
「ごめんなさい。つい」
「驚かれるのも無理はありません。今年に入ってから正式に始めたのです」
「おめでとうございます!」
「ありがとうございます、ルキ様」
「ミラにも幸せが訪れたということなん! アタシ達は幸せ者なんよ!」
「そうせえ。この幸せを絶対に手放してはならんせえ」
シャリアがルキを見る。シャリアの目に吸い込まれそうになる。
「シャリアさん?」
「その顔を見れば分かるせえ。恋が実った顔せえ」
「シャリアさんまで!? ……ワタシ、顔に出やすいのかしら」
「幸せな顔をしてるんよ!」
「ナナちゃんまで!」
「ルキちゃんは分かりやすいんだよ」
「ミクさんまで!?」
恋話に花を咲かせる五人のところに、六つのグラスと一本のボトルを持ってミントが来た。グラスを手渡すと、そこにボトルの中身を注いでいく。
「アタシも混ぜてくれ。野郎共の話に付いていくのに疲れちまった」
「葡萄なん?」
「ジュースだジュース! 酔わなくても本音を言い合える仲だろ? アタシ達」
「それもそうですね」
「そもそもワタシ達は未成年だけど」
「そういうツッコミは野暮せえ」
「こちらも賑やかだよ」
「野郎共に負けないくらい盛り上がってやろー! かんぱーい!」
「「乾杯!」」
六つのグラスが夜空の下で鳴り響く。男子には聞かせられない? ガールズトークに花を咲かせていくのだった。




