再会のルキ
窓を開けて風を取り入れる。風で靡くカーテンを見ながら机に向かうのは、銀髪を伸ばしたルキ。毎日毎日、一羽の折り鶴を作るのが日課になっていた。折り鶴に願いを込めている。
「これも燃やすことになるのかしら」
願いが叶わなかった場合は、その日のうちに折り鶴を燃やすのも日課になっていた。〝ハルと会えますように〟と願いを込めた折り鶴を。
「もう一年になるのね」
何気なくカレンダーを見たルキの脳裏に浮かぶ思い出。ハルと出逢った日から一年経ったのを実感している。
「待っているのは辛いわね」
そもそも、何故ルキがこっちの世界に居られるのか。それは半年前に遡る。
※ ※ ※
「……それでも……ワタシは……ハルを戻したい!」
「それがルキちゃんの願い……選択だね」
「ええ!」
「分かったよ。私がルキちゃんに出来る最大限を見てて」
美空の姿が少しずつ消えていく。それは同時に美空との別れを意味していた。
「美空!」
「そんな悲しい顔をしちゃ駄目。折角の可愛い顔が台無しになっちゃうよ」
「ずっと! ずっと謝りたかった! 私を庇って標的にされて……ワタシ以上に苦しめてしまったことを! 謝ったって許されるだなんて思ってないわ! だけど、それでも謝らずにはいられなかった!」
「ルキちゃん。ルキちゃんが私に謝ることなんてないよ? 私はルキちゃんの代わりに傷付いただけ。私がルキちゃんを守りたかっただけ。私の意思でしただけ」
「だけど!」
「私の分まで生きてよ。幸せになってよ。それが私のお願いで、私がルキちゃんとしたい約束だよ」
「優しすぎるわよ!」
「当たり前だよ。親友だもん!」
ニコッと笑顔を浮かべて完全に消えた美空。ルキの手に収まる一つの壺。
「ネネちゃん」
元の世界に戻る瞬間に備える。が、いつまで経っても戻らない。身体にも変化は起きない。ルキは壺を見る。口元を緩めて笑顔を溢した。
「ネネちゃんが繋いでくれているのかしら」
※ ※ ※
ルーキッド邸の呼び鈴が鳴る。今はルキ以外には誰も居ない。ルキが応対をするべく玄関の扉を開けた。
「ただいま! ルキ」
半年振りの再会。目の前のことが夢ではないかと頬をつねる。痛い。痛いのに笑顔になる。嬉し涙を流しながら、満面の笑顔で返事をする。
「おかえりなさい! ハル」
ハルの胸に抱き付いたルキ。ハルのワイシャツに、ルキの嬉し涙が吸い込まれるのだった。




