苦味を吐き出して
コーヒーを飲みながら、言いたいことを言い合う二人。鬱憤を存分に吐き出した二人は清々しい顔をしていた。
「なんだかスッキリしたわ! なかなか聞いてもらえないもの」
「私も。いつもどこか遠慮しちゃって捌け口もなかったから。お陰で楽になったよ」
「少しでも助けになれたなら嬉しいわ。ワタシも助かった」
「こちらこそ。さて、私の用件は済んだよ。今度はルキちゃんの番」
「ワタシ?」
「カードのこと。私も一緒に考えてあげるよ」
「それは助かるけど。使い手のワタシが分からないから」
「ルキちゃんの言う通り、ルキちゃんは魔術師ではなかったとしたら、その力はなんなのかってことになる」
「魔術師は魔術を使えなくなっているのに、ワタシはこうして使えている。それは何故なのか気になって」
「そのカード、親友の形見なんでしょう。親友と力が何か関係してるんじゃない?」
「……有り得るのかしら?」
「無くはないと思うよ」
ミクが言った何の突拍子もない可能性。けどそれは、親友に似たミクが言った可能性。それだけでルキには充分で、充分過ぎるものだった。
(十六歳で死んだハルが、十六歳の姿に転生した。そんなことが有り得たのだから、もしかしたら有り得るのかもしれないわ)
「何か掴めた?」
「ミクさんのお陰で。確証なんてないわ。けど可能性はある」
「そう。助けになれてよかったよ!」
「今日はミクさんと会えてよかったわ。ワタシは運がいいみたい」
「私の方こそ、今日はルキちゃんと会えてよかったよ。なんかね、ルキちゃんと会えば気が楽になるんじゃないかと思って。リーリッド君に連絡してルーキッド邸の住所を教えてもらったんだよ」
「それで来れたのね」
「スッキリしたらおかわりしたくなったよ。ルキちゃんもどう?」
「そうね。もう一杯飲もうかしら」
一杯目は苦く感じたコーヒー。おかわりを注がれ一口飲む二人。同じコーヒーの筈なのにスッキリとした味わい。言いたい苦味を吐き出してスッキリしたからなのかもしれない。




