嫌な感覚
ティータイムを楽しんだ後、外に出た一同。自然に囲まれている為、アロポリアにいるよりも空気が美味しく感じる。
「やっぱり美味しいよねん。心が洗われるよねん」
「同感だな。自然の偉大さを感じるよ」
「こういうところで食べる料理は格別ですよ!」
「ミラさんの料理はどこで食べても美味しいわよ」
「御世辞が御上手です」
「お世辞じゃないわ! 本当に思っているわよ!?」
ルキとミラの会話の様子は微笑ましい。二人の会話を見ているリーリッドはホッとしている。
「ミラが僕達家族以外にも打ち解けていて安心してるんだよねん」
「人見知りなのか? とてもそうは見えないけど」
「ハルハル達と出会ったことで世界を知ったのかもよねん。それに最近は、よく王城にも行ってるんだよねん」
「へえ。俺も王城に行ってるけど、そこで会ったことはないな」
「ミラが行くのは午後だよねん。騎士団の演習が終わった頃だよねん」
「騎士団の演習は、午前と午後の一日二回。その日の演習が終わってからってわけか」
「そうなんだよねん。騎士団の誰かに会いに行ってるとしか思えないよねん」
リーリッドの目に火がついてる気がするハル。リーリッドが気合いを入れていることをおかしく思う。
「リーリッドが気合い入れてどうするんだよ? まさかミラに惚れてるんじゃないよな!?」
「違うよねん! 僕はシャリア一筋だよねん! 僕は只、リルリッド家の人間として、リルリッドの為に働いてくれるミラを応援したいんだよねん!」
「何気に爆弾発言だな。それをシャリアに言ったら喜ぶだろうに」
「面と向かっては難しいよねん」
「あはは! 幸せ者だな、シャリアもミラも」
「それはこっちの台詞だよねん」
「どういうことだ?」
「このところのルキルキ、とても笑うようになったよねん。ハルハルと出会ってからよねん」
「そうなのか?」
「幸せ者だよねん、ルキルキも!」
「幸せ者、か」
(ルキと出会って俺も変わった。そういう意味じゃ俺もだな)
「野郎だけで食っちゃべってんじゃねえ。アタシも混ぜてくれねえか」
「ミント!?」
「ミンミン!?」
「「ミンミン!?」」
「ミントだからミンミンだよねん。駄目だったよねん?」
「いーや最高じゃねえか! アタシもリドって呼んでやるよ!」
「リド? ……成る程よねん!」
互いの呼び名で盛り上がるミントとリーリッド。ハルは自然と微笑む。ふと、ラルロアとナナの方を向くと、仲良く手を繋いで街を見下ろしていた。
「家とかお店が小っちゃく見える!」
「なんだか勝った気分なんよ!」
(ラルもナナも子供だなあ。でも、そういうところがあるから安心するんだよな。変に背伸びしてない方がいい)
温かい眼差しで二人を見ていたハル。だが突然、視界が真っ暗になる。直ぐに視界は元に戻ったが、ハルの気は動転していた。
(……何だ……この感じは!?)




