再来
キノコを採りに向かった一同。リーリッド曰く、別荘近辺に自生しているキノコは肉厚で美味しいとのこと。キノコを入れる篭を背負わされているハルは不満顔だ。
「どうして俺なんだよ?」
「篭といえばキミだわ」
「……第一印象って大事だな」
「そろそろだよねん」
リーリッドの合図でキノコを探し始める。どれが食べれるものなのか分からない為、リーリッドとラルロアとミラ以外はオドオドしてしまう。ラルロアが得意気にハルに見せてくる。採ったキノコを篭に入れては採りに行くラルロアに、ハルは感心する。
「凄いな……体力は底無しか!?」
「若いっていいねえ」
「二人共、何を年寄り臭いことを言っているのかしら。ワタシ達だって若いのよ」
「キノコ採りにあそこまで無邪気になれないんだよ」
「簡単に採れちまうから、つまらないんだよねえ」
「そうやって消極的になっていると、何事にも消極的になるわよ?」
「例えば?」
「例えば……恋、だわ」
「恋愛に積極的になれる程の自信も見た目もないからなあ、俺」
「そ、そんなことないわよ!? キミ、見た目悪くないんだから!」
「お前、俺のことを普通って言っただろう。忘れたのかよ?」
「忘れてないわよ! もう! なんで言葉通りに受け取るかしら!」
「何を必死になってるんだよ?」
「ワタシは普通だわ」
「それは違うぞ。お前の見た目は……可愛いぞ!」
「……かっ、かっかっかっ……!?」
顔を今までで一番くらいに赤くして先へ行くルキ。ルキの変わりようにキョトンとするハル。二人のやり取りを見ていたミントは笑っている。
「ルッキーは、〝必死じゃない、普通だ〟って言ったんだ。それなのにマルは、〝ワタシの見た目は普通だ〟という意味に言葉を解釈したんだ。つまり、ルッキーに可愛いって言ったのは間違いってこった」
「な!?」
「大胆なことを言ったもんだねえ。ある意味じゃ正解だけどね」
そんなこんなでキノコを沢山採れたので戻ることに。ハルの篭は重くなっていた。
「結構重いなっ!」
「頑張って。今のキミ、格好いいわよ」
「お、お前っ……!?」
(まただ! 目が!?)
「ハル?」
再びハルの視界が暗くなる。それと同時に木々がざわめきだす。次第に地響きが起き、叫び声が聞こえてきた。
「何か来る!」
「え?」
「「ウガアアア!!」」
地響きと声の正体は、全身に目玉がある熊だった。そう、ハルが異世界で初めて対峙した獣。ルキと出逢う切っ掛けとなった熊だ。それが三頭も一緒に現れたとあって、倒したことのあるルキですら驚愕するのだった。




