表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/100

ナナの危機

 アンオール首都・アロポリアにある屋敷。近所でも有名な屋敷に激震が走っていた。そこに住むのは、小説一家のシャナーズ。祖父と父の背中を追うように娘も小説家の道へ。偉大な二人程ではないものの、確実にファンを増やしている。そんな娘が膝から崩れている。毛先を遊ばせた黒髪が垂れて見える。それもその筈。妹が何者かに誘拐されたのだから。


『ナナ・シャナーズを誘拐した。解放条件は一つ。シャリア・シャナーズを渡すこと』


「こんなことがあってたまるかっ! 何故ナナが!」


「兎に角、騎士団と狙撃団に連絡を!?」


「待て。連絡したことが誘拐犯にバレれば、ナナの身に何が起こるか分からん」


 祖父のロンが連絡を制止する。孫娘を助けたいからこその判断である。同じ孫娘であるシャリアを渡すことも反対した。


「気持ちは察するせえ。けど、ここはワタクシが行かないといけないせえ」


「何を言っているのです! 貴女を向かわせられるわけがありません!」


「母様!?」


「その通りだ、シャリア。ナナを助ける為にお前を差し出すなど間違っている」


「父様まで! 本当にナナを助けたいせえ!? 騎士団も狙撃団にも協力を仰げない以上、シャナーズ家の人脈を頼るしかないせえ! どうしてそうしないせえ? ナナが実の娘ではないからせえ!?」


「シャリア!!」


 パチンッとシャリアの頬を叩く母親。涙を流しながら肩を抱き寄せ叫ぶ。


「貴女もナナも私達の大切な娘! 大事な家族! 間違ってもそんなことは言わないで!!」


「母様」


「場所はアンオール・タワーだ。何があるか分からない。素直にナナを返すとも限らん。シャリア、それでも行くというのか」


「祖父様……はい。ワタクシが行きますせえ。皆は待っていてほしいせえ」


「シャリア!?」


「妹を助けるよりも自分の安全を優先することなんて出来ないせえ。ナナに何かあったら、その方がワタクシは苦しいせえ」


 しがみつく母親を離すと、足早に屋敷を出るシャリア。車を出させて向かった先は、許婿が住むリルリッド邸だった。自室でのんびり寛ぐリーリッドが面食らっている中、矢継ぎ早に事情を話す。シャリアの話を聞いたリーリッドは、『一緒に行くよねん!』と立ち上がる。


「すまんせえ。本当は巻き込みたくないせえ」


「許嫁のピンチだよねん。頼ってもらえて嬉しいよねん」


 部屋の扉を開けようとしたが、既に扉は開いていた。廊下に落とされていたのはシャリアが書いた本。その本の持ち主は、リーリッドの弟であり、ナナの許婿であるラルロアだ。


「僕達の話を聞いていたかもよねん!」


「直ぐに追い掛けるせえ!」


 急いでラルロアを追い掛ける二人。家を出ても見当たらなかった為、車に乗ってアンオール・タワーに向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ