表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/100

救出

 突然のルキの登場に驚く門番。抱き締めているスズメを盾にして空中に留まる。


「彼女がどうなってもいいのかぁ?」


「スズメさんを返しなさい!」


「返すものかぁぁ! やっと触れたんだぁぁ!」


「スズメさんをどうするつもり!?」


「決まってるじゃないかぁぁぁ! 気の済むまで楽しむのさぁぁ!」


「スズメさんは玩具おもちゃじゃないわ!」


「そんなことは知ってる。だってだって……うひぃぃ! 彼女は俺への贈り物(プレゼント)なんだからぁぁ!!」


 スズメの姿をルキに向け、スズメの腹部を撫でる門番。白い肌に巻かれた包帯に触れて、悲しみを浮かべている。


「勝手な!」


「勝手! 俺が貰ったものを俺がどうしようが勝手だぁぁ!」


「狂ってるわ!」


「彼女を痛め付けたいというのは聞いていたが、俺の気が済んでからって話だったんだ。順序が逆になったのは残念だよ」


「そういう問題じゃないわ!」


 カードを取り出したルキは、『ブレイズ!』と唱えて光を放つ。目の前で放たれた強烈な光に堪らず目を閉じた門番。ルキがその隙にスズメを門番から引き離すと、車で追ってきていたジャックに引き渡した。


「無事なようだわ」


「そのようだ。さて、彼をどうするか」


「空を飛ばれたら厄介だわ。ワタシがなんとかしてみます」


 空へと戻ったルキ。視界が戻った門番に睨まれても怯まない。カードを翳して立ち向かっていく。


「ウィンド!」


 風を起こし門番の動きを封じる。流れるように『パラリシス!』と唱えると、門番の身体に痺れが走った。


「うぅぅ!? 何だ何だ何だ!? 君は魔術師ぃぃ?」


「貴方の身体は動かないわよ。電撃で麻痺している筈だわ」


「……へえぇぇ……君、凄いねぇぇ? よく見れば可愛いし。俺への贈り物(プレゼント)は君だったんだぁぁ!」


「冗談じゃないわ! さぁ、大人しくしなさい!」


「大人しくするのは君だぁぁ!!」


 動き出そうとしたルキだが、何故だか身体を動かせない。それなのに徐々に門番に近付いていく。


「動けない!?」


「俺の魔術は、飛ぶことじゃないんだぁぁ。任意の相手を飛ばせることなんだぁぁ!」


「そんな!?」


「相手は自分の意思では飛べないが、俺が魔術を使えば誰だって飛べる。俺が君に魔術を使った結果、君は自分の意思で飛べなくなったんだぁぁ!」


 近付いたルキを抱き締める門番。ルキの髪、頬を撫でていく。その目はウットリし始め、ルキを後ろ向きにした瞬間、その手で胸を揉む。


「やっ、やめて!」


「やめないぃぃ。気持ちがいいからぁぁ」


 ルキの脳裏に浮かぶ苦い記憶。男子の標的となった辛い日々の記憶。今の状況と記憶が重なり涙が流れた。


「嫌あああ!!」


「胸を揉まれてこの反応……君、うぶなんだぁぁ」


 耳に掛かる吐息、聞こえる声。次第に意識が遠くなっていく。泣く気力すらなくなってしまった。


「……」


「邪魔が入らない所に行こう。そこでゆっくりと……」


 門番が移動しようとしたその時、一発の銃弾が肩を貫いた。痛みにルキを手放す。撃たれた方向を見ると、ジャックがライフルを構えていた。


「ルキ!!」


 空から落ちてきたルキを見事にキャッチしたハル。お姫様だっこの状態で受け止められたルキは顔を赤らめる。反射的に降りようと身体を動かしたことで、門番の魔術が解けているのを知ったルキは、そのままハルに抱き付いた。


「どうなるかと思ったわ!! ……怖かった!!」


「無事で何よりだよ。ホッとした」


 ルキを撫でるハルを横目に、落下してきた門番を傘の持ち手で受け止めたミント。門番の肩を傘の先で突きながら笑いを浮かべている。


「アンタには感謝するね。お陰でダチ同士の距離が縮まったみたいだから」


「痛いぃぃ!!」


「痛い? しゃあねえ、アタシの世界に伝わる呪文を掛けてやろうじゃねえか。痛いの痛いの飛んでけー!」


「あああああ!!」


 門番の傷口を勢いよく踏んづけたミント。門番の悲痛な叫びを聞いたミントは嬉しそうであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ