第20話 魔王と計画②
青年が探索者に紛れる前に話された計画の一部。
「夜目は効くほうか?」
そう全員に尋ねた。
返ってきた返答は、ゼン、ブン、ランが完全な暗闇では何も見えないが、気配である程度は行動できる。
パインとマスカは特に問題がないということだった。
予想以上の回答に、ダンジョン内は完全な暗闇になることが決定する。
探索者の行動を狭めるという目的はついでで、その真意はあくまでこのダンジョン内には何もない、という設定を守るためだ。
ダンジョンだから光源がある、ということにも出来たが利は多い方がいい。
青年からすれば、ダンジョン内の全てが監視カメラのように見えるため、明るさはあってもなくても大差がない。
そして、暗闇にする最大の理由があった。
「ゼン、このダンジョンを踏破するならどれくらいの時間が掛かる?」
「そうですね。把握していないとしても、それほどかからないと思いますが」
それはランが帰ってきた時からも把握している事だ。
このダンジョンの最大の欠点。
「中に入られたら、探索が終わるまで時間が掛からなさすぎる」
元は終息寸前のダンジョン、規模で言うと最小クラス。
いくつかの空洞といえる部屋は数える程度、それを誤魔化す必要があった。
「そのための暗闇ですか……?」
ランが口元を手で覆い考える。
おそらく、奇襲、暗殺の類に脳裏を働かせているのだろう。
「ああ、考え思いつくあらゆる手段は講じる必要がある」
「一つ確認が」
それは青年も尋ねられるだろうと思っていた事柄。
「相手の力量次第では……」
その場では、パインとマスカだけが息を飲んだ。
「狩るか狩られるかだ」
青年の言葉に一切の惑いはない。
次話12時up予定




