↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《23万文字1.8万PV突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第4章 オフィス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
92/93

第83話 告白

◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈


本作品のキャラモチーフのLINEスタンプ販売中です!


『リアルとゲームのギャップが凄い人達』

で検索してみてください☆


晃、陽奈、実莉、拓郎、海斗のリアルとゲームのキャラクタースタンプです。

「電話できん?」「ご飯あるよ」「え?なに?」「肝に念じろ」

等色々な場面で使えるスタンプがたっぷり40個入ってます。

リアギャプメンバーと一緒にLINEトークを盛り上げていきましょう!


◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈


金曜日の昼下がり。


ジリジリと日差しが照りつけ、蝉の声がビルに反響する。


カゲロウがゆらゆらと地面を這う、猛暑日。


そんな中、二人の男女がタクシーから降りてきた。


緊張した面持ちで、ビルの間を進んでいく。


一人は赤いボブヘアーを風になびかせ、履き慣れたハイヒールで規則正しいリズムを刻む、いかにも仕事ができそうな女性。


乃村実莉。


彼女に続くのは、178cmの高身長に、肩から下げた黒い鞄を大事そうに抱えて歩く青年。


人懐っこそうな瞳と、少し癖のある茶色の髪は、大型犬を連想させる。


国崎翔馬。


二人が足を止めた先には、大きなビルが静かに佇んでいた。


「いよいよですね」


ビルを見上げながら呟く国崎の喉から、ごくりと唾を飲み込む音が聞こえる。


「そうね」


実莉もビルを見上げた。


この一ヶ月間、数回に分けてこの場を訪れてきた。


けれど、今日で最後になる。


そう。


今日、ついにコンビニスイーツ広告の完成形をクライアントに提出するのだ。


「実はもう一品スイーツがありました〜、って言われたりして」


実莉はクスッと笑いながら言った。


「縁起でもないこと言わないでください。四品目はさすがに勘弁です」


「ふふっ、ごめんごめん」


「3品目ありましたって言われた時はどれだけ慌てたことか……」


「でも、結果いい広告になったじゃない?」


そう言って、実莉は国崎の抱える鞄に目を向けた。


中に入っているのは、今日提出する広告の最終データ。


実莉、国崎、相澤、晃の4人で、細部にまでこだわって仕上げたものだ。


「……そうですね」


国崎は姿勢を正し、鞄を抱え直してビルを見上げた。


「絶対に気に入ってもらいましょう」


その言葉に、実莉も力強く頷き、背筋を伸ばした。


「よし、行こう!」


実莉の声を合図に、二人は揃って足を前に進めた。


────


数十分後。


ビルから出てきた二人の顔は、清々しかった。


クライアントへの広告提出は、無事に終わった。


「素敵な広告をありがとうございます」


担当者からそう言われた瞬間、二人は思わず顔を見合わせた。


そして、自然と笑みがこぼれた。


一ヶ月にわたる案件が、ようやく完了したのだ。


もちろん、広告が世に出るのはこれからだ。


けれど、


目の前の仕事をやり遂げたという達成感は、何物にも代えがたい。


「お疲れ様、くに」


「のん先輩こそ、リーダーお疲れ様でした!」


二人は軽く頭を下げ、ビルを後にした。


照りつける太陽は相変わらず容赦がない。


けれど、肩の荷がおりた2人の足取りはとても軽かった。


「早く帰って2人にも伝えなきゃね!」


「どーせまた呑気にゲームしてると思いますけどね。」


「それは言えてるね。」


2人は顔を見合せ、呆れたように笑う。


達成感と安堵を胸に、会社への帰路へ着く。


その道中。


「……あの、先輩」


国崎が、いつになく改まった声で口を開いた。


「ん? どうしたの?」


「案件が終わったら、伝えようと思ってたことがありまして……」


「伝えたいこと?」


「はい」


国崎は頷いたものの、その先が続かない。


実莉は不思議そうに首を傾げた。


「なに、改まって」


その一言に、国崎の心臓が跳ね上がった。


相澤と晃にも相談して。


応援してもらって。


今日こそ、伝えると決めたのだ。


仕事が終わったら。


二人きりになれたら。


この気持ちを真っ直ぐに伝えよう、と。


今がその時なのだ。


国崎は人気のない路地でゆっくり足を止めた。


実莉も数歩先で立ち止まり、振り返る。


バクバクと心臓がうるさい。


(言わないと。伝えないと)


好きの二文字を伝えるだけ。


たった一秒で終わる、簡単なこと。


なのに、まるで喉につっかえたかのように、その簡単な言葉が出てこない。


沈黙に首を傾げる実莉。


国崎の様子がおかしい。明らかに。


呼吸も早いし、汗もかいている。


口をぱくぱくとさせ、こちらをチラチラと伺う姿は、まさに――


(金魚……?)


眉を顰めながら、数メートル先にいる国崎の様子を窺う。


遠くに響く街の喧騒に紛れ、蝉の声だけがはっきりと聞こえてくる。


日の当たらない場所とはいえ、コンクリートからジリジリと暑さが伝ってくる。


(そういえば今日、猛暑日だったな)


ハッとした。


「あ、もしかして……体調悪い? 熱中症?!」


慌てた顔で国崎へ駆け寄る。


「あ、いや、違くて」


「やっぱり! 顔赤いし……! とりあえず、そこのコンビニ入ろう!」


「いやっ、これはその!!」


「ごめん、すぐ気づくべきだったのにね」


「実莉さん!!!!」


「へっ?!」


いつもとは違う呼び方に、実莉は目を大きく開けて国崎を見た。


「み、みのりさん……?」


実莉は思わず復唱する。


しかし構わず国崎は続けた。


「あの、体調は全く問題ないんです。ただ、聞いてほしいことがあって」


「うん、なんでも言って」


実莉は心配そうに国崎を見つめた。


国崎は一度、深く息を吸った。


今度こそ。


今度こそ、言うんだ。


「実は……」


実莉は静かに、国崎の言葉を待った。


そして。


「のん先輩、ラスクロやられてますよね?」


「へ」


沈黙。


お互い顔がどんどん青ざめる。


(ちがーーーーーーう!! それ聞くの今じゃないーーーーーー!!)


国崎は、自分の口から飛び出した言葉に頭を抱えた。


ちらりと実莉の顔を見る。


完全に固まっている。


終わった。


変なやつだと思われた。


せっかくの告白のチャンスを、自分で台無しにしてしまった。


頭を抱えたまま俯く国崎。


一方、実莉は観念したかのように、小さくため息をついた。


「……やってるよ、ラスクロ」


「へ?」


今度は国崎が固まった。


「本当はね、晃くんとも五年前にこのゲームで知り合ったの」


「そうだったんですか」


思いがけない告白に、国崎は目を瞬かせた。


てっきり、いつもみたいに、ゲームをしていること自体を隠すかと思った。


真剣に語る実莉の言葉に、国崎もだんだんと冷静さを取り戻していく。


「じゃあ、なぜ昨日、やってないって嘘ついたんですか?」


「……」


沈黙の後、実莉が小さく答えた。


「知られたくなかったの。バリキャリ気取りの私が、ゲームしてるだなんて」


「イメージを崩したくなかった……と言うか、みんなに笑われるかもって怖くて」


俯きながら、静かに語る実莉。


いつも自信に満ちていて、仕事もできて、周囲から頼りにされている。


国崎にとって、そんな実莉は憧れの先輩だった。


けれど今、目の前にいる彼女は、少しだけ不安そうな顔をしている。


そんな一面を見せてもらえたことが、なぜだか嬉しかった。


「実は俺、何となく気付いてました。ラスクロは、のん先輩とあっくんの共通の趣味だって」


「……うん」


「あっくんが羨ましかったんです。のん先輩と同じ趣味を持ってるのが」


国崎は苦笑しながら頭をかいた。


「だから……俺ものん先輩との共通点が欲しくて、こっそりラスクロ始めました。動機が不純ですみません」


「そっか……」


実莉が地面を見つめる。


そして、


すっと顔を上げて首を傾げる。


「……どうして、私と同じ趣味が欲しかったの?」


不思議そうに尋ねる実莉。


その瞬間、国崎の心臓が再び大きく跳ねた。


(きた。この質問)


いよいよ、伝えなければ。


けれど、


不思議なことに、さっきほど緊張していなかった。


きっと、実莉が自分の話を真剣に聞いてくれたから。


自分の弱さを見せてくれたから。


今なら言える。


国崎は実莉をまっすぐ見つめ、小さく息を吸った。


「好きだからです。実莉さんのこと」


「……えっ」


その瞬間。


街の喧騒も、蝉の声も聞こえなくなる。


まるで時が止まった世界に、二人きり取り残されたかのようだった。


そんな静かな世界に、国崎の声だけがやけに大きく耳に響いてくる。


「ずっと、単なる憧れだと思ってました。でも、違ったんです」


国崎は頭をかきながら、困ったように笑った。


「あ……」


あまりにも突然のカミングアウトに、頭が追いつかない。


まさか、国崎が自分にそんな感情を抱いているなんて、想像もしていなかった。


国崎は、職場の後輩だ。


明るくて、人懐っこくて、少し不器用で。


一緒に仕事をしていると、自然とこちらまで笑顔になってしまう。


そんな存在だった。


けれど、それはあくまで職場の後輩としての話。


少なくとも、実莉はそう思っていた。


「実莉さんのそばにいたいんです。……単なる職場仲間としてじゃなく、恋人として」


「えっと……」


何か言わなければ。


そう思うのに、言葉が出てこない。


戸惑う実莉を見て、国崎は優しく微笑んだ。


「急でびっくりさせちゃいましたよね。返事は急ぎませんので」


「え、ええ……」


実莉が小さく頷いたのを確認して、国崎は歩き出した。


「とりあえず、職場に戻りましょ! 行きますよ、のん先輩!」


先を行く国崎の背中を見つめる。


いつもの彼に戻っていた。


いや、もしかすると、いつもの彼に戻ろうとしてくれているのかもしれない。


自分が困らないように。


今までどおりに接することができるように。


そんな彼の気遣いが、実莉にはありがたかった。


「……」


胸の奥が、落ち着かない。


国崎の言葉が、何度も頭の中で繰り返される。


好きだからです。


実莉さんのこと。


恋人として。


(……私、どうしたらいいんだろう)


実莉は、頬を両手で一回、軽く叩いた。


切り替えなくちゃ。


今はまだ、仕事中だ。


それに、国崎だって、きっと勇気を出して伝えてくれたのだ。


ちゃんと考えなければ。


彼の気持ちにも、自分の気持ちにも。


「よし」


小さく呟いた後、小走りで国崎の後を追った。


照りつける太陽は、相変わらず容赦がない。


けれど、先ほどまでとは少しだけ違う景色が、そこには広がっていた。

◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈


ご覧頂きありがとうございます!

少しづつではありますが、お話の更新を頑張って参ります。是非ブックマーク登録で最新話の更新をお待ちいただけるとありがたいです( *´꒳`*)


「面白い!」「続きが気になる!」と思ってくださったら、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、執筆の励みになります!星1つ頂けるだけでもモチベーションめちゃくちゃ上がります!


皆様、応援よろしくお願い致します(>人<;)


◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。