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《23万文字1.8万PV突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第4章 オフィス編

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第84話 出勤最後の日

◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈


沢山の作品の中からお越しいただき、

本当にありがとうございますー!


どうぞゆっくり読んでってください〜☆


◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈┈◇┈◈


一方、その頃のオフィス。


太陽が照りつけるビル街を見下ろしながら、相澤が遠い目をしていた。


「くにのやつ、ちゃんと気持ち伝えれたのかねぇ」


晃はデジタルペンを片手に、黙々と作業をしている。


相変わらずの様子である。


「さぁ?」


いかにも興味がなさそうに答える。


「他人事だなぁ、あっくん」


「事実だし」


「冷たいなぁー。応援する気持ちくらいは持ってやってくれよ」


相澤は振り返り、晃を見ながら口を尖らせる。


「そりゃそうだけどさー」


「俺は昨日の飲み会で、十分くにの背中を押したつもりだよ。ここから先は、くに次第なんじゃないの」


「くに次第か……」


その言葉を聞いた瞬間、国崎との帰り道で自分が放った言葉が脳裏に蘇った。


『まあ、この先どうしたいのかは、お前自身が決めろ!』


くに次第。


晃のその一言が、妙に自分の発言とリンクしている気がした。


「……ま、それもそうだな」


大きく頷く相澤に、晃はため息をついた。


「案外すんなり流されるんだね」


「まあ、色々あんだよ」


相澤は軽く肩をすくめてから、晃の方へ近づく。


そして、何気なくカレンダーに目をやった。


今日の日付が大きく丸で囲われていた。


その数字をじっと見つめたあと、


相澤は目を軽く見開いた。


「あ、そうか」


カレンダーを見て、ようやく実感する。


晃と共に仕事をするのは、今日で最後なのだ。


「お前、今日で最後じゃんか!」


「え、今更?」


「いや、なんか告白イベントがデカすぎて忘れてたわ」


頭をかきながら、相澤が苦笑する。


「薄情だな」


「ほら、あっくんめっちゃ会社に馴染んでたから。いい意味で空気が薄れてたわ。いい意味で」


「訳がわからんこと言ってないで、早く仕事戻って」


「あいっ」


返事だけはいい相澤を横目に、晃は小さくため息をついた。


そして、首から下げた社員証へ手を伸ばす。


今日で、この社員証をつけて仕事をするのも最後だ。


そう思うと、ほんの少しだけ不思議な気持ちになった。


たった一ヶ月。


そう思っていた。


けれど振り返ってみれば、随分と色々なことがあった。


仕事をして。


昼休みにゲームをして。


相澤や国崎とくだらない話をして。


実莉と仕事をして。


ほんの一ヶ月前には、こんなにこの場所に馴染むなんて思ってもいなかった。


社員証を外した、その時だった。


「ただいま」


小会議室のガラス扉が開いた。


「「おかえり」」


相澤と晃が同時に顔を上げ、扉の方を向く。


そこには――


汗だくの国崎が立っていた。


今日は猛暑日だ。


八月半ばの昼は、相当暑かったのだろう。


「無事に提出終えたよ」


「で、なんて言われたんだ?」


相澤が恐る恐る口にした質問に、国崎は満面の笑みで頷いた。


「『素敵な広告をありがとうございます』とのことだ」


「「よし!」」


その一言を聞いた途端、相澤と晃はガッツポーズを決める。


「これで一ヶ月の仕事も無事終了だな」


嬉しそうに笑う国崎。


その後、相澤が国崎に近寄り、肩を組む。


「で、あちらはどうだったんだよ」


「あちら……?」


「とぼけんな。告白だよ、告白」


「う……」


聞かれるとは思っていた。


だが、いざ聞かれるとどう答えていいのかわからない。


国崎は目を泳がせながら、口をぱくぱくと動かす。


その様子を見ていた晃が、助け舟を出す。


「相澤、首突っ込みすぎ」


「うるせっ! 気になるもんは気になるんだい!」


「子どもか」


少しの沈黙。


そして――


「で、成功したの?」


晃が真顔で国崎に問う。


「「お前も聞くんかい」」


相澤と国崎のツッコミが重なった。


「……」


観念したように、国崎は小さく息を吐いた。


「告白はした」


「うんうん」


相澤と晃は、静かに国崎の言葉を待つ。


だが、それ以上国崎が語ることはなく、数秒の沈黙が流れた。


「……え? それだけ?」


くたびれた相澤が口を開く。


「うん。返事は保留だよ」


その答えに、二人は同時に落胆する。


「かーーーっ! マジか。大学の合否発表待たされる高校生気分じゃねぇかー!」


相澤は天井を向きながら、大袈裟に頭を抱える。


「なんちゅう例えだよ」


国崎はそんな相澤を見ながら、机に鞄を置いた。


「ところで、乃村先輩は?」


「ああ、先輩なら――」


国崎が答えようとした瞬間。


不規則なヒールの音が近づいてくる。


カツ。


カツ……。


カツ、カツ、カツ。


「た、たたっただいま……」


動揺を隠しきれていない実莉が帰還した。


……本人はこれでも、全力で平静を装っているつもりだ。


あまりの変わりように、小会議室内の空気が凍った。


姿勢と表情はいつもの実莉だ。


黙っていれば、普段通りのシゴデキ女性。


だが問題は――


話し方。


歩き方。


そして、汗。


1番の問題は、


実莉自身、異変に気づかれている自覚がない事だ。


(いいわよ、実莉。完璧な普段通りだわ)


心の中で自分に言い聞かせる。


「お……おかえりなさい……」


案の定、ドン引きな3人。


「みんな、今日まで、おおおお疲れ様だったわね」


ぎこちない笑顔と共に、実莉が三人に声をかける。


(よし、いい感じ。いつも通り)


実莉は心の中で小さく頷き拳を握る。


そんな本人の心の中とは裏腹に。


(あー……俺のせいだ……)


国崎が気まずそうに実莉から目を逸らす。


(こりゃ重症だ……)


相澤の表情が珍しく引きつる。


普段なら茶化しそうなところだが、さすがの相澤も空気を読んだ様子で、何も言わない。


(よく今までラスクロのことバレずに来れたな)


晃は小さくため息をつき、窓の外へと目をやった。


「あ、そういえば」


相澤が何かを思い出したように口を開く。


「なんで二人で帰ってこなかったんですか?」


「あ、そうだった」


相澤の一言に、思い出したように実莉が振り返る。


「晃くんの件で、少し上司に呼び出されてたの」


「俺の?」


晃が顔を上げる。


「うん。帰りにこれ、持ってきてって」


そう言って、実莉は手にしていた書類を晃へ差し出した。


「今日で最後だから、手続き関係の書類をまとめて提出してほしいって」


「ああ、なるほど」


晃は書類を受け取る。


そこには、見慣れないタイトルが記されていた。


『有期雇用契約終了に関する手続書類』


「これ、書けばいいの?」


「うん。書き終わったら、総務に提出しておいて」


「了解」


晃は書類を机の上に置いた。


そして、ふと三人の顔を見る。


「なんか、あっという間だった」


晃が呟いた。


その一言に、少しの間、小会議室が静かになる。


晃は書類をじっと見つめたあと、


顔を上げ、改めて三人を見る。


「……1ヶ月間、色々ありがとう」


「仕事もそうだけど……なんだかんだ、楽しかったよ」


晃の言葉に、3人は目を見開いた。


「相澤には色々絡まれたし」


「おい」


「くにとは、ゲーム友達になれたし」


「うん」


「実莉さんには、仕事面で沢山フォローしてもらったし」


「……うん」


実莉の胸が、少しだけ締めつけられる。


晃はそんな彼女の変化には気づかない。


「短い間だったけど、充実してたのは3人のおかげ」


三人の顔を順番に見て、最後に、晃は小さく笑った。


「本当に、ありがとう」


「……」


一瞬、誰も言葉を返せなかった。


それを破ったのは、やはり相澤だった。


「……やめろよぉ」


「何が」


「なんか急に最終回みたいな空気出すなよぉ!」


「いや、今日が最終日なんだから仕方ないだろ」


「そうだけどさぁ!」


相澤が目元を擦るふりをする。


「泣いてんの?」


「泣いてねぇよ!」


「声裏返ってるけど」


「うるせぇ!」


そのやり取りに、国崎と実莉からも小さな笑いが漏れた。


「実莉さん」


晃が実莉に向き直る。


「素敵な仕事、紹介してくれてありがとう。これからも応援してるから」


そう言って、実莉に片手を伸ばした。


少し目を見開き、差し伸べられた手を見つめた実莉だったが、すぐに笑顔になる。


「ええ、こちらこそ!」


ふたりで固い握手を交わす。


夏祭りにも繋いだ手。


だけど。


今回は以前とは明らかに違うものだった。


────


その日の夜。


実莉の家では、落ち着いた時間が流れていた。


リビングのソファに身体を預け、天井を見上げる。


「ふぅ……」


この1ヶ月間、色んなことがあった。


でも何とか、これまで通りの生活に戻ることが出来る。


……はずだった。


だが、


お昼からずっと、国崎の告白が脳裏から離れない。


「はぁーー、どうしたらいいのか……」


部屋に響き渡るほどの大きなため息をつき、棚に目をやる。


ホワイトどらピコのぬいぐるみが、こちらを優しく見つめていた。


「とりあえず、ログインするか……」


呟き、スマホを横向きにしてラスクロを開く。


ギルド敷地内。


そこにいたのは、いつものメンバー。


「あ! すいちゃーん! おかえりー!」


すい♡のログインに気づいたハルが、大きく手を振りながら近づいてくる。


「待ってましたよ」


「遅い」


続いて拓郎と貝類が慌てて駆け寄ってくる。


その様子は、まるで何かから距離を取るようだった。


「ただいまー……って、どうしたの?」


異変に気づき、首を傾げるすい♡に、


3人は気まずそうに顔を合わせる。


どこか空気が重い。


「実は────」


ハルが口を開いた直後。


「あぁ、おかえりなさい、すい♡さん」


ハルの背後から、見たことのない青年が顔を出す。


猫型のケモ耳に、艶やかな黒髪。


手には回復職の初期武器。


目を細めて笑う様子はいかにも好青年。


だが、どこか異様な空気を纏っていた。


その青年の後方には、


気まずそうなアキの姿が映っていた。


実莉は青年の頭部に視線を移す。


頭の上に表示されたプレイヤー名。


実莉は画面を見ながら、ぼそっと読み上げる。


「……霞(かすみ)……さん?」


見覚えはない。


だが、どこかで聞いたことがある響きの名前。


「あ、ごめんなさい。自己紹介が遅れました」


霞という青年が、すい♡に向き直る。


「私、源香澄です。お会いするのはラスクロカフェの日以来ですね」


微笑みながら、首を少し傾ける。


あぁ、思い出した。


ラスクロカフェの帰り。


晃に告白をしていた元カノ。


源香澄――。


「え、なんで……?」


戸惑うすい♡に構わず、香澄は距離を詰めてくる。


「よろしくお願いします、実莉さん。」


突然呼ばれる本名に、実莉は画面を見つめたまま固まった。


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ご覧頂きありがとうございます!

少しづつではありますが、お話の更新を頑張って参ります。是非ブックマーク登録で最新話の更新をお待ちいただけるとありがたいです( *´꒳`*)


「面白い!」「続きが気になる!」と思ってくださったら、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、執筆の励みになります!星1つ頂けるだけでもモチベーションめちゃくちゃ上がります!


皆様、応援よろしくお願い致します(>人<;)


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