閑話 そうだ、キャンプに行こう(前編)
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予告通り、本日はイラストを頂いた記念に作ったお話です!!
今回は本編と全く関係のない閑話です。長くなっちゃったので前編後編に分けてます。
2日に渡りますが、是非是非読んでいって下さいm(_ _)m
友人に頂いたイラストを元にしたお話が書きたすぎて我慢出来なくなっちゃいました。
久々の拓郎登場っ!(一応メイン人物なのに本編になかなか出せてない。)
では、キャラクター達のほのぼのとした休日をお楽しみください( *´꒳`*)
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その予定は、突然決まった。
事の発端は――岩石じじぃこと、拓郎である。
「週末、キャンプに行きませんか?」
いつものメンバーでラスクロをプレイしていた、平日の夜。
あまりにも唐突な提案に、全員の手が一瞬止まった。
「週末? 今週の?」
空から大きなハンマーを振りかざし、ドラゴンの脳天へ一撃を叩き込んだアキが、華麗に着地しながら尋ねる。
直後、画面に――
【討伐CLEAR】
の文字が表示された。
「土曜日です」
「土曜日……」
ハルがヒールを飛ばしながら復唱する。
これだけ聞けば、週の初め頃に提案されたのかと思うだろう。
だが、違う。
「明日じゃねぇか」
溜息交じりに、貝類が腕を組む。
そう。
今日は金曜日。
「そうですが?」
拓郎は何が問題なのか分からないとでも言いたげに、平然と答えた。
「そうですがって……急すぎなのよ」
小さな体に大きな弓を背負ったすい♡が、呆れ顔で言う。
「こっちも社会人なわけだし、急な予定はちょっとなぁ~」
ハルも困ったように唸る。
「用意とか大変だよね」
アキも顎に手を当てながら頷いた。
その横で。
「虫怖い」
黒い丸サングラスをかけた高身長の男――貝類が、真顔で呟いた。
「その見た目で言わないで」
すい♡が即座にツッコむ。
確かに、キャンプ。
かなりの大イベントである。
突然の提案なのだから、予定が合わない者がいても何ら不思議ではない。
拓郎もそれを理解しているのだろう。
「急なお誘いになってしまって、すみません。皆さんのご都合もあるでしょうし、無理強いはしません」
そして、少し間を置いて。
「行くか行かないかだけ答えてくれればいいのです」
「「「「行く」」」」
「行けるんかい」
拓郎が思わずツッコんだ。
「何だったんです、さっきの渋っている空気は」
こうして。
なぜか全員予定を空けられることが判明し――
翌日。
五人はキャンプへ向かうこととなった。
────
そして、当日。
昼頃。
都内からキャンピングカーに揺られること、およそ一時間。
到着したのは、都心からそれほど離れていないとは思えないほど、豊かな自然に囲まれたキャンプ場だった。
木々が生い茂り、鳥の声が聞こえる。
場内には区画サイトや炊事場、トイレなどの設備が整えられており、初心者でも利用しやすい場所らしい。
何より――
「いやぁー! 晴れたねー! 絶好のキャンプ日和!」
キャンピングカーから降りた海斗が、大きく伸びをする。
青い空。
穏やかな風。
木々の間から差し込む陽の光。
絶好のキャンプ日和である。
「都内でも、こんな自然いっぱいの場所があるのね」
実莉が辺りを見渡す。
その隣で、陽奈も大きく息を吸い込んだ。
「んはぁ~~~~! マイナスイオンえぐい」
「そんなに深呼吸したら過呼吸になるよ」
荷物を下ろしていた晃が、ぼそっと呟く。
「ならないよっ!」
陽奈が頬を膨らませる。
「ほら、もう一回吸おうかな」
「やめときな」
「なんでよ!」
そんな二人のやり取りを横目に、拓郎はキャンピングカーから荷物を次々と運び出していた。
────
一通り荷物を運び終えたところで、昼食の準備が始まった。
キャンプと言えば――
「カレーです」
拓郎が当然のように言った。
「異論なし」
「カレー食べたい!」
満場一致である。
さっそく調理が始まったのだが――
「……晃さん、めっちゃ手際いいですね」
拓郎が驚いたように呟く。
野菜を切る。
肉を炒める。
鍋をかき混ぜる。
その一連の動作に、無駄がない。
「普通」
晃は淡々と作業を続けている。
そして、その隣。
「海斗さんも料理できるんだ……」
陽奈が、意外そうな顔で海斗を見る。
「なに、その顔」
「いや……できると思ってなかった」
「ひどくない?」
海斗は苦笑しながら、慣れた手つきで食材を切っていく。
「最年長を舐めたらダメだよ?」
そう言って、ウインク。
「伊達に歳重ねてないね」
晃が淡々と言った。
「なんだコイツ、今日トゲあるな」
海斗は一瞬だけ手を止め、晃を見る。
「通常運転」
陽奈が肩を竦める。
その横で、実莉が苦笑いを浮かべた。
「それに比べて…」
「女性陣は動きが悪いですね」
拓郎がため息交じりに呟く。
「「おい、こいつトゲあるな」」
陽奈と実莉の声が綺麗に重なった。
────
何だかんだで完成したカレーを、皆で囲む。
「いただきまーす!」
一口食べた陽奈の顔が、ぱっと明るくなった。
「おいしい!」
「うん。普通にうまい」
晃も頷く。
「普通にって何だよ」
「褒めてるよ」
陽奈はカレーを頬張りながら言う。
「ならいいけど」
そんなやり取りをしながら、五人で食べるカレーは、いつも家で食べるものとは少し違って感じた。
外で食べる。
皆で作る。
ただそれだけなのに、妙に美味しく感じた。
後編へ続く────
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