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《23万文字1.8万PV突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第4章 オフィス編

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第77話 相手が誰でも容赦なし

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挿絵(By みてみん)


晃がこの会社で働き始めて、二週間が経った頃のことだった。


この二週間、仕事はいたって順調だった。


実莉が全体をまとめ、国崎がクライアントとのやり取りを担当。


相澤が次々とアイデアを出し、晃がそれを形にしていく。


残り一週間。


かなり余裕を持って依頼を終えることができそうだ。


4人が共に仕事をする小会議室の空気は和やかだ。


昼休みになれば――


「あっくん! 今日こそ俺に勝たせてくれ!」


相澤の操作する盾職(タンク)が戦闘態勢に入る。


龍の彫刻があしらわれた盾を構えながら、勇者の剣を真っ直ぐに向ける先。


グレージュのショートヘアを耳の横あたりまで編み込み、冷めた視線を送る美少女。


華奢な体に見合わぬほどの大きな黒いハンマーを掲げたアキが立っていた。


今日は二人でラスクロ武闘大会をプレイしている。


たまに来るラスクロ勢の女子社員二人は不在のようだ。


そして。


実莉に誓った通り、


晃が『すい♡』の存在を口にする事は一切なく、


武闘大会だけを楽しんでいる。


「……無理」


「なんでだよ、一応俺このゲーム初めてそんな経ってないんだぞ! 5年も歴のあるあっくんに勝てるわけねぇだろーー!」


「それ言い訳。」


「無慈悲すぎん??!」


開始の合図と共に、二人のキャラクターが動き出す。


「うおおおお! 今日は違うぞ!」


相澤のタンクが、勢いよく突っ込んでいく。


「今日の俺は一味違う!」


「……そう?」


「そうだよ! 昨日までの俺とは違う!」


大きな盾を構えたまま、アキへと迫る。


「ほらほら! 課金ガチャでようやく手に入れたこの…なんかカッケー龍の鉄壁の守りを――」


「……ここ」


「え?」


晃がスマホを軽く操作する。


アキが一瞬だけ横へ動いた。


相澤の攻撃が空を切る。


「……あっ!俺の勇者の剣の華麗な攻撃がっ!!」


「ほら、ここ弱点。」


「うわズルい!!」


クリティカルヒット。


一気にHPが削がれる。


「ちょ、待って待って! 今のはノーカン!」


「なんで?」


「今のは俺が油断してただけ!」


「じゃあ、もう一回。」


「いやそういう問題じゃ――」


アキが一気に間合いを詰める。


「うわ、来た来た来た!」


相澤は慌てて、カッケー龍の盾とやらを構える。


しかし――


「そこも弱点。」


「えっ」


ドゴォッ!!


巨大な黒いハンマーが振り下ろされる。


「うわああああああ!!」


相澤のHPが一気に吹き飛んだ。


「ちょっ、待っ――!」


画面に表示される。


《WIN》


「…………」


「…………」


「…………」


相澤がスマホを見つめる。


そして――


「盾意味ねぇじゃん!!! ラスクロムズすぎ。」


小会議室に、相澤の叫び声が響いた。


誰だろうと関係ない。


容赦なく本気を出す晃だ。


表情ひとつ変えずにスマホを操作する晃を見ながら、相澤はプクっと膨れた。


「今の絶対初心者狩りだろ!」


「武闘大会だから。」


「正論で殴るな!」


「一応スコアとかは全員統一されるよ。」


「スコア統一されてても中身が違うから!!」


「次やる?」


「やる!」


「……負けるよ?」


「分かってるよ!」


即答だった。


「でもな! いつか絶対勝つからな!」


「別にいいけど。」


「よっしゃ!」


相澤は懲りずに再戦を始める。


「……でも、たまには違うゲームしたい。」


「何?」


「バトルロイヤル系のゲーム。ラスクロも面白いけど、俺の得意分野はそっちなんだよ。」


「別にいいけど。」


「よっしゃ!」


晃が配属された日、あんなにイケメンマッシュを毛嫌いしていた相澤。


だが今では、完全に仲良しだ。


変わり身の早いヤツである。


そんな光景も、すっかり日常になっていた。


――だが。


こんな平和な時間に終わりが近づいていた。


「ただいま!」


昼休みも終わりに差しかかった頃。


実莉と国崎が、慌てた様子で小会議室へ戻ってきた。


誰も待ち望まない知らせを手土産に。

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