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《2章迄完結済15万文字突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第1章 5周年記念イベント編〜5人が出会うまで〜

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第7話 イベントまであと二日



リアギャプに登場するキャラクター達がLINEスタンプになりました!

「リアルとゲームのギャップが凄い人達」

で是非検索してみてください☆

たっぷり40個入りです( ˘ᵕ˘ )


挿絵(By みてみん)


その日の夜。


『Last Chronicle Online』


今日もいつものメンバーが集まっていた。


午後10時。


仕事終わりの社会人達がログインし始める時間帯である。


そして。


『すい♡ ログインしました』


通知が表示された。


画面の中へ現れたのは、小さな弓使いの少女。


鮮やかな赤色のツインテール。


花飾りで彩られたふわふわの髪。


赤を基調とした豪華な和風ドレス。


小さな体に不釣り合いなほど美しい花の長弓。


見た目年齢は五歳くらい。


誰が見てもマスコット。


ラスクロ界でも屈指の愛されキャラである。


もちろん中身は二十八歳のバリキャリ姉御肌なのだが。


その事実を知る者はいない。


『すい♡:ただいまー!♡』


元気なチャットが流れる。


すると即座に返信。


『ハル:あー!すいちゃんおかえりー!今日は遅かったですねぇ(´;ω;`)』


『アキ:なんかあった?』


画面を見ながら実莉は少し考えた。


今日は色々あった。


残業。


ナンパ。


謎のイケメン。


大型犬後輩。


情報量が多い。


『すい♡:えーと、お買い物途中に』


『すい♡:近所のおにーさんたちに突然話しかけられて…』


数秒後。


『ハル:えっ!ナンパじゃないですかぁー!!すいちゃん大丈夫?!(´;ω;`)』


『すい♡:うんうん!今こうして帰って来れてるから平気だよー!♡』


『貝類:変な時間に外出んなよ』


実莉は画面を見つめた。


(こいつ私を未成年だと思ってるか……?)


どう考えても思っている。


このギルド。


自分のことをリアルでも幼女寄りだと思っている節がある。


まあ自業自得なのだが。


そんな会話を見ていたアキが口を開いた。


『アキ:あ、そういや私もさっきナンパ遭遇したわ』


『すい♡:えっ』


『拓郎:えっ』


ふたりが同時に驚く。


アキ本人も少し驚いていた。


『アキ:いや、正確には遭遇しただけだけど』


(遭遇しただけじゃないんだけどな)


晃は雪いちご大福を食べながら思う。


実際は思いっきり巻き込まれていた。


『拓郎:詳しくないが、そんな頻繁に起こるもんなんか? ナンパって』


『貝類:案外やるな日本男児』


『アキ:褒めてんの??』


『ハル:褒めてないですよね?!』


『すい♡:褒めてないよね?!』


『貝類:知らん』


知らんじゃない。


全員が思った。


すると。


貝類が続けた。


『貝類:お前ら可愛いんだから気つけろよ』


一瞬。


チャットが止まった。


そして。


現実世界。


陽奈がソファーの上で立ち上がった。


「貝類さんが!!!!」


「かわいいって言った!!!!」


ドゴッ。


クッションを殴る。


ドゴッ。


もう一発。


「悔しい!!!!」


「アキの中身こんな生意気男児なのに!!!!」


「どーどー」


晃が雪いちご大福を食べながら宥める。


慣れたものである。


陽奈はまだ暴れていた。


「ハルちゃんも可愛いって言ってほしぃいい!!」


「貝類さんが他の子に可愛いとか言うの悔しい!!」


意味が分からない。


晃は静かにコーヒーを飲んだ。



そんな騒がしいチャットの中。


拓郎がふと思い出したように発言した。


『拓郎:そういえば明後日だな、イベント』


その言葉を聞いた瞬間全員が思った。


(なんでお前が言うんだ)


現実世界で七十代の老人にしか見えないマッチョ盾職。


絶対興味無さそうなのに。


妙にイベント情報だけ詳しい。


『ハル:あっ!そうでしたね!』


『すい♡:もう明後日なんだー!』


『アキ:はや』


すると。


貝類がぽつりと言った。


『あ、そういやその日』


『俺の誕生日だな』


『ハル:え?!』


真っ先に反応したのは当然ハルだった。


ゲーム内でウサギ耳がぴょこんと跳ねる。


『すい♡:えっ!?』


『アキ:マジで?』


『拓郎:ほう』


『貝類:たぶん』


『アキ:たぶんって何』


『貝類:最近忘れる』


『すい♡:忘れちゃダメだよー!』


そんな中。


拓郎がまた謎情報を投下した。


『拓郎:誕生日月の人はイベント参加すると限定アバターのシリアルコード貰えるらしいぞ』


(だからどこ情報なんだよ)


全員が思った。


『貝類:ふーん』


『貝類:アバか』


そんな会話を画面越しに見ながら、陽奈の目が光った。


立ち上がる。


「来る」


「は?」


晃が見る。


陽奈は真顔だった。


「これ絶対貝類さん来る」


「来ないでしょ」


「来る」


「なんで?」


「分かんない」


陽奈は胸を張った。


「私の直感」


「外しそうその直感」


「うるさい」


陽奈はスマホを握りしめた。


そして。


決意したように言う。


「私参加するわ」


「イベント」


晃が顔を上げる。


「はー?」


「行くの?ひちゃ」


「行く」


即答だった。


「止めても行くから!」


「別に止めないよ……」


晃は肩を竦める。


勝手に行けばいい。


自分には関係ない。


そう思っていた。


……が。


ふと横を見る。


陽奈が腕を組んでいた。


真剣な顔で。


「当日の服どうしようかな……」


「髪巻くべきかな……」


「ワンピースかな……」


「でも可愛すぎるとあざといかな……」


「ナチュラル系……?」


「いやでも貝類さん好み分かんないし……」


スマホを放置している。


完全に乙女モードだった。


朝倉陽奈。


二十六歳。


養護教諭。


天然っぽく見える。


だが実際はかなり計算高い。


抜け目もない。


そして。


普通に可愛い。


グレージュの長い髪は毛先にかけてピンク色になっている。


柔らかな雰囲気。


笑顔も愛嬌がある。


昔からモテる。


弟から見ても客観的にそう思う。


だからこそ。


(こいつ一人でイベント行かせて大丈夫か……?)


心配になる。


変な男に声掛けられそうだし。


変な男に騙されそうだし。


変な男に着いて行きそうだし。


「……俺も行く」


陽奈が固まった。


「え?」


「まじ?」


「うん」


「意外すぎるんだけど?!」


晃は視線を逸らした。


少しだけ考えてから。


「……もしかしてシスコン出た?」


陽奈がニヤニヤする。


晃は即答した。


「ちがうわバーカ」


だが。


その返答には説得力がなかった。


イベントまで。


あと二日。

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