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《23万文字1.8万PV突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第4章 オフィス編

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第72話 初日終わりのピザパーティー

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午後6時。


無事に初日の仕事を終えた。


「ただいま。」


今日も晃は陽奈のアパートへ帰宅する。


「あ、おかえりー。」


先に帰っていた陽奈の声がリビングから聞こえる。


「お邪魔しまーす…」


「えっ!」


リビングの扉が開いて入ってきたのは。


晃と実莉だった。


「実莉ちゃんもいるじゃん?!」


驚いた陽奈はリビングのソファで寝そべっていた上半身をガバッと起こす。


緩くポニーテールに結われたグレージュの髪が、動きに合わせてバサッと動いた。


「LIME入れたけど姉ちゃんなかなか既読つかないから、もう連れてきた。」


晃がリュックを下ろしながら呆れ顔で答える。


頭のてっぺんの触覚は無くなっている。


どうやら途中で自身の不思議な髪型に気づき、鏡で整えたのだろう。


「まじか、ずっとテレビで動画観てて気づかなかった」


テレビからは落ち着いた音楽が流れていた。


「またVeilかよ。」


「いーじゃんー! 仕事終わりに歌聞いて癒されてたの! ……てか私の家なんだから、いちいち口突っ込まないで。」


「あいあい。」


2人の会話を聞きながら、実莉もゆっくり荷物を降ろす。


「ごめんね…急に。」


申し訳なさそうに言う実莉に、陽奈は慌てて首を振る。


「いやいや! むしろナイスタイミング!」


「ちょうど今日はね、ピザ宅配頼んだの! 買い溜めたお菓子も消費しなきゃだしね!」


「知ってる。だから連れてきた。」


「もー!」


晃の反応に頬を膨らませる陽奈。


仲睦まじい様子に、実莉の顔に思わず笑みがこぼれる。


ちょうどその時。


ピンポーン。


「おー! 来たよ!」


インターホンの音を聞いた陽奈がソファから飛び起きる。


どうやらピザが届いたようだ。


「早。」


「あんたが帰ってくる時間に合わせて宅配頼んでたからね。」


シゴデキでしょ、と胸を張る。


「ちょうどお腹すいてきた頃なんだよねぇ!」


嬉しそうに両手を擦りながら玄関に向かった。


リビングに一瞬の静寂が訪れる。


キッチンで手を洗った晃が、麦茶を用意しながら実莉の方を振り返る。


「適当にくつろいで。」


「…あ、ありがと。」


今回で陽奈の家に上がるのは3回目。


1回目は夕飯に誘われお邪魔した。


2回目は夏祭りの日、浴衣の着付けでお邪魔した。


そして今回が3回目。


初回と同様、夕飯をコンビニで買おうとした時に晃に一緒に食べないかと提案され、思わず着いてきてしまった。


いつもの如く、キッチンで何やら支度をしている晃に目をやる。


(ほんと、なんの躊躇いもなく家に呼ぶよね…)


(……晃くんの家じゃないけど。)


実莉の視線に気づくことなく食器棚を漁る晃。


(他の女の子にも、こんな感じなのかな)


そんなことをぼーっと考えていると、リビングのドアが開いた。


実莉は慌ててテレビに目をやる。


それと同時に、フワッと焼きたてのピザの香りが漂った。


「お待たせっ! 届いたよー。」


「いい香り。」


陽奈はダイニングテーブルにピザやポテトを広げる。


ピザはMサイズが2枚。


照り焼きピザと…


「……パインマヨベーコン…」


3人分の麦茶と取り皿を持ってキッチンから出てきた晃が、ピザを見てボソッと呟いた。


一瞬静まり返った部屋に、カランと氷の音が響く。


「チョイスが姉ちゃんの好みすぎる。」


「……し、仕方ないじゃん、私と晃だけだと思ってたから! 早めに連絡くれたら良かったのに!」


「連絡入れてたけど見てなかったの姉ちゃんだろ。」


「あ、そうだった。」


「どうすんの、実質一枚じゃん。」


「え、ひどくない?? パイン乗ってるの美味しいよ?」


「俺は食べない。絶対に。」


麦茶と取り皿を並べ終えた晃が、先に椅子に座る。


「なんかムカつく。」


陽奈は不服そうに言いながらも、晃の向かいに腰かける。


実莉もつられて、陽奈の隣の椅子に座り、ピザをまじまじと観察する。


「パインの乗ったピザか。食べたことないかも。」


「ほら見ろ。」


「いやいや! 新しい発見があるかもよ?! 食べてみて!」


呆れる晃をよそに、陽奈はパインマヨベーコンピザを取り分けて実莉の皿に乗せた。


「あーあ可哀想。そんな事したら食べざるを得ないじゃん。」


「ピザに失礼だよ!!」


2人のやり取りに苦笑いしながら、陽奈に勧められたピザをひとくち食べる。


「いただきます。」


陽奈は固唾を飲んで見守る。


晃は気にせず照り焼きピザをひとくち頬張っている。


「うん、意外と美味しい。」


パイナップルの甘酸っぱさと、ベーコンのしょっぱい味わいが絶妙にマッチしていた。


実莉の一言に、陽奈の表情がパッと明るくなる。


「ほらーーーー!」


勝った!とでも言うように晃に向かって指を指す。


晃は、はいはい、とスルーして照り焼きピザを食べ続ける。


1枚食べ終えてから、実莉の本音が漏れる。


「…でも、次は照り焼きピザ貰いたい。」


「えーーーー!」


「ほらな。」


晃は鼻で笑いながら、照り焼きピザを1枚取り、実莉の皿に乗せた。


「絶対ハマってくれたと思ったのに…」


陽奈はしょんぼりしながら、パインマヨベーコンピザの乗った紙容器を自分の前へ静かに引き寄せた。


「いいよもう、自分で食べるから…」


「不味かった訳じゃないよ? 気分じゃなかっただけ。」


「ありがとう……」


実莉のフォローに、力なく返事する。


「あ。」


そんな陽奈を見つめ、何かを思い出したように晃が声を上げた。


「そういや、今度海斗さんとデートするの?」


「ブフッ!!!」


突然すぎる話題に陽奈の口からピザが飛び出そうになる。


実莉も目を丸くして晃と陽奈を交互に見た。


「何故それを?!」


「この前ラスクロしてたら、貝類がデートに誘おうかなって呟いてたから。」


「貝類さんー……」


「で、どうなの?」


「……」


実莉と晃が期待の目を向けてくる。


陽奈は溜息をつき、麦茶を1口飲んだ。


「誘われはした。」


「「おおー」」


「でも。」


「「でも?」」


「お断りしたよ。」


「えっ?! なんで」


実莉が思わず声をあげる。


「夏祭りの日も二人で花火見たり車で送ってもらったり仲良さげだったから、いい感じなのかと思ってたのに。」


晃も残念そうに言う。


「いや違くて。」


陽奈が眉を寄せながら否定する。


「競艇に誘われたの。」


「「競艇……」」


「そう。一緒に船見ないかって。舟券買ったるよって。」


「「……」」


晃と実莉は顔を見合わせた。


舟券を指で挟んでヒラヒラと動かす海斗の顔が思い浮かんだ。


「そりゃ断るわ。」

「それは仕方ない。」


大きく首を縦に振りながら共感する2人。


「で、映画行くことになった。」


「「行くんかい。」」


直後の結論に鋭いツッコミを入れる。


「デートじゃんか。」


「違う、映画見に行くだけ。」


『デート』と言うワードを頑なに否定する陽奈。


「まあ楽しんで。また報告待ってる。」


「見世物みたいに言う…」


晃の一言に、陽奈は大きくため息をつきながらパインを頬張った。


「そんなことより、お2人も新しい案件上手く行きそうなの?」


陽奈が話題を変える。


「…まぁ、イラストはすぐ描けそう。」


「ほんと?!」


実莉が勢いよく晃の方を見た。


「まあ。テーマが絞られてるから比較的描きやすい。」


「良かったー。それなら早く進みそうだね。」


「あ! そうだ!」


「無事終わったらさ、またみんなでパーティしよ!」


陽奈が嬉しそうに手を叩く。


「いいねー!」


実莉も笑顔で返事する。


「…今度はパインのピザは無しで頼む。」


「分かったってば!」


頬をふくらませて答える陽奈に、実莉は思わず吹き出した。


こうして3人で食卓を囲んでいると、不思議な気分になる。


晃とは今日初めて一緒に仕事をした。


先が見えなくて少し不安もある。


だけど。


根拠は無いが、何故か上手くいく気がする。


「よし、」


「明日からまた頑張ろ。」


実莉の口から零れた言葉に、2人も小さく頷いた。

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ご覧頂きありがとうございます!

少しづつではありますが、お話の更新を頑張って参ります。不定期更新ですみません…^^;

是非ブックマーク登録で最新話の更新をお待ちいただけるとありがたいです( *´꒳`*)


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