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《2章迄完結済15万文字突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第3章 夏祭り編

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第61話 見つけた

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挿絵(By みてみん)


歌恋と桃子は、夏祭りに来た経緯と先ほど目撃した出来事を海斗へ話した。


放課後、保健室で陽奈が誰かと楽しそうに電話をしていたこと。


その電話を盗み聞きしてしまい、お祭りデートを偵察しようと二人で夏祭りへ来たこと。


屋台通りで白地の浴衣を着た陽奈を見つけたこと。


その隣には、陽奈と身長が同じくらいでぽっちゃり体型の独特な雰囲気の男性がいたこと。


「デートの邪魔するのも悪いよねって話になって。」


「私たちはそのまま花火会場に向かおうとしてたんです!」


「……なるほど。」


海斗は小さく頷いた。


「でも、ここで晃さんに会えてよかったー!」


桃子が嬉しそうに笑う。


「ねー! ほんとイケメン!」


「ひなちゃん羨ましー!」


目の前で盛り上がる二人を見て、海斗は苦笑した。


どうやら保健室で聞こえてきた『晃』という名前を、自分のことだと勘違いしているらしい。


「まず、一つ訂正していい?」


歌恋と桃子が同時に海斗を見る。


「俺は晃じゃなくて、海斗。」


「……えっ!?」


二人の目が同時に丸くなった。


「でも……確かに晃って聞こえたよね?」


「うんうん。」


二人は顔を見合わせる。


そして。


「もしかして……」


歌恋が口元を押さえる。


「ひなちゃん、二股?」


「嘘でしょ……。」


「いやいや。」


海斗は思わず吹き出した。


「その発想になる?」


「晃は、ひなちゃんの弟さん。」


「あーー!!」


「そういうことか!」


「びっくりしたぁ!」


胸を撫で下ろす二人を見て、海斗は苦笑する。


「あと、もう一つ。」


「俺も彼氏じゃないよ。」


「えっ?」


「さっきひなちゃんのこと彼女って……。」


「逆ナン断るためについた嘘。」


「あーーー!」


歌恋が大袈裟に肩を落とした。


「ちょっと残念。」


「歌恋!」


桃子が小声で腕を引き、海斗に背を向ける。


「ひなちゃん、彼氏いるって言ってなかった?」


「えーっと……。」


歌恋は顎に手を当て、記憶を辿る。


──春。


新学期が始まって間もない頃。


掃除したばかりの廊下でスケート遊びをして転び、保健室で陽奈に手当てをしてもらった日のこと。


『いい人、いないの?』


そう尋ねると、陽奈は少し間を置いてから言った。


『いい人というか……。』


『推しに近い?』


──。


「……推し。」


歌恋がぽつりと呟く。


「え? 何?」


桃子が顔を覗き込む。


「彼氏って言ってなかった……。」


「推しに近いって言ってたんだった。」


「勘違いかーーい!」


バシッ。


「いたっ!!」


桃子に背中を叩かれ、歌恋が大袈裟にのけ反る。


「えーと、大丈夫?」


背後から海斗が話しかける。


「問題ないです!」


桃子が笑顔で振り返る。


その横で少し不服そうな歌恋。


「モモ、ゴリラみたい……。」


「黙りなさい。」


「はい。」


二人のやり取りを見て、海斗は思わず笑ってしまった。


「仲いいね。」


「よく言われます!」


桃子が胸を張る。


「そういえば。」


歌恋が改めて海斗を見る。


「海斗さんって、ひなちゃんとどういう関係なんですか?」


その質問に、海斗は少しだけ考えた。


「んー……。」


少し照れくさそうに笑う。


「今は、まだ友達かな。」


「ほぉ……。」


二人は意味深そうに頷いた。


「でも。」


海斗はすぐに表情を引き締める。


「今はそんなことより、ひなちゃんを探さないと。」


辺りを見渡す。


屋台通りには、それらしい姿は見えない。


「ひなちゃんを見たのって、どれくらい前?」


「五分も経ってないと思います!」


「なるほど。」


それなら、まだ遠くへは行っていない。


屋台通りにいないなら、人混みを避けられる場所へ移動している可能性が高い。


海斗は顎に手を添え、静かに考え込む。


(一緒にいた男の特徴……。)


(限定カフェの日に、駅前でひなちゃんへしつこく絡んでた奴と一致する。)


(やっぱり……。)


「鯉か。」


小さく呟く。


「え?」


歌恋が首を傾げる。


「いや、こっちの話。」


海斗は二人へ優しく笑いかけた。


「ひなちゃんのことは俺に任せて。」


「二人は花火、楽しんできな。」


そう言って、そっと二人の背中を押す。


「でも……。」


歌恋と桃子は顔を見合わせた。


本当は気になる。


この後どうなるのか見届けたい。


(ついていっちゃう?)


(気になるよね。)


目だけで会話を交わす。


しかし。


海斗がもう一度、優しく笑った。


「大丈夫。」


「ここは大人に任せて。」


その優しい笑顔は、夜店の灯りに照らされて、思わず見惚れてしまうほど眩しかった。


「……はい!」


二人は素直に頷く。


走り去っていく海斗の背中を見送りながら、しばらくその場に立ち尽くした。


「……偵察、やめよっか。」


桃子がぽつりと呟く。


「うん。」


歌恋も頷いた。


「また今度、ひなちゃん本人に聞けばいいよね。」


「今日は花火、楽しもう!」


二人は笑い合いながら、再び花火会場へ向かって歩き出した。


_______


二人と別れた海斗は、人混みから少し外れた場所へ足を向ける。


限定カフェの日。


陽奈へしつこく声をかけていた男。


歌恋と桃子から聞いた特徴は、その男と一致していた。


(鯉が、また現れた。)


胸騒ぎが強くなる。


もし、まだ陽奈が一人で対応しているとしたら――。


海斗は自然と歩幅を広げた。


日が落ちても、昼間の熱気は残っている。


首筋を汗が伝う。


それでも、足を止める理由にはならなかった。


今は一秒でも早く、陽奈のもとへ。


屋台通りを抜ける。


射的。


金魚すくい。


スーパーボールすくい。


祭りを楽しむ人々の笑い声が響く中、海斗は休むことなく辺りを見渡し続けた。


「……ひなちゃん。」


小さく名前を呼ぶ。


返事はない。


少し先には、人混みを避けるように設置された簡易休憩所が見えた。


白いテントの下に、長机とパイプ椅子がいくつも並んでいる。


飲み物を飲みながら休憩する家族連れ。


焼きそばを頬張る学生たち。


浴衣姿のカップル。


何気なくその場所へ視線を向けた、その時だった。


海斗の足が止まる。


「……いた。」


思わず漏れた声。


テントの一番奥。


パイプ椅子に向かい合って座る二人の姿が見えた。


白地に淡い桃色の花柄の浴衣。


間違いない。


陽奈だった。


手にはりんご飴と唐揚げが入った袋。


困ったような顔。


その向かいには、一人の男。


どこか馴れ馴れしい笑顔を浮かべながら、身を乗り出して話しかけている。


歌恋たちが話していた特徴とも一致する。


「……鯉。」


海斗の表情から笑みが消えた。


胸の奥でざわついていた嫌な予感が、確信へと変わる。


静かに息を吐く。


そして真っ直ぐ、その休憩所へ向かって歩き始めた。

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ご覧頂きありがとうございます!

少しづつではありますが、お話の更新を頑張って参ります。是非ブックマーク登録で最新話の更新をお待ちいただけるとありがたいです( *´꒳`*)


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