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《2章迄完結済15万文字突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第3章 夏祭り編

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第55話 手を繋いでるか否か



LINEスタンプ販売中!

「リアルとゲームのギャップが凄い人達」

で是非検索してみてください☆

メイン5人のリアルとゲームのキャラクター計10人をイラスト化したスタンプセットとなっています。

たっぷり40個入りです。



「うん、美味しい。」


屋台が並ぶ道沿いにある街路樹の下。


人波が少し緩やかになった場所で、二人は焼きそばを食べていた。


実莉は麺を頬張ると、大きく頷く。


「ほんとに美味しいね。ソースもお野菜も自家製だなんて、すごすぎる……。」


国崎家特製の焼きそばソース。


辛味は控えめで、子どもでも食べやすい優しい味だった。


「少しフルーティーだね。」


晃がもう一口食べて呟く。


「なるほど。隠し味はリンゴかな。」


「隠し味まで分かるの!?」


実莉は驚いて目を丸くした。


「何となくね。」


「合ってるかは分からないけど。」


「すごいね!」


「まあ、料理するの好きだから。」


そう言って晃は最後の一口を食べ終える。


「ごちそうさま。」


綺麗に空になったプラスチック容器を閉じ、両手を合わせた。


その様子を見て、実莉も慌てて焼きそばを口へ運ぶ。


「別に慌てなくてもいいのに。」


「いや、私のために待ってもらうの悪いから。」


晃から見えない角度で最後の一口を大きく頬張り、もぐもぐと咀嚼する。


空になった容器を片付けると、実莉も両手を合わせた。


「ごちそうさま!」


「さて。」


晃はスマホを取り出した。


「そろそろラスクロメンバーと合流しますか。」


そう言ってLIMEを開き、いつメングループへメッセージを送る。


『みんなどこいるの?』


すると、すぐに既読が一つ付いた。


直後、拓郎から写真が送られてくる。


開けた広場の最前列ではしゃぐみはるととうや。


大きな虹色の綿あめを分け合う海斗と陽奈。


そして、ブルーシートの上には白いうさぎの大きなぬいぐるみと、黒いラジコンが並んでいた。


『花火の席、確保してます。エリアAです。』


その一言が添えられている。


「花火か。」


晃が写真を見ながら呟く。


「席の確保、早いな。」


「なになに?」


実莉が横からスマホを覗き込む。


「花火の席取れたって。」


「早っ……。」


「しかもこれ、有料観覧席だな。」


「すごっ!」


実莉は目を輝かせた。


「そんなところで花火見るの初めて!」


普段の大人びた雰囲気とは違う。


子どものような無邪気な笑顔だった。


そんな実莉を見つめ、晃は小さく微笑む。


「行こうか。」


「みんなのところ。」


そう言って、


自然な動作で実莉の手をそっと握った。


「えっ!?」


予想外の出来事に、実莉は目を丸くする。


「だ、大丈夫だよ。自分で歩けるから……。」


そう言って腕を引こうとする。


だが、離れない。


見た目以上に、晃の手は力強かった。


本人はまったく気にした様子もなく、人混みをすり抜けるように歩き始める。


「だめ。」


短く一言。


「また寄り道されたら、俺が困るから。」


「うっ……。」


言い返せない。


晃はそんな実莉を見て、少しだけ悪戯っぽく笑った。


「ちゃんと捕まえとかないとね。」


その一言で、実莉は抵抗するのをやめた。


繋がれた手を、そっと見つめる。


男の人らしい、大きな手。


もっと細い手を想像していた。


(なんか……ずるいな。)


二人で屋台を回った時間は、ほんの数十分。


少し前までは、


「早くみんなと合流したい。」


そう思っていたはずなのに。


あと少し歩けば、みんなのところへ着く。


安心するはずなのに。


ほんの少しだけ。


この時間が続けばいいのに。


そんなことを思ってしまった自分に、


実莉は少しだけ驚いていた。


一定のリズムを刻む二人の足音は、


祭りの喧騒の中へと静かに溶けていった。


───


その頃。


花火観覧席。


用意されたブルーシートに腰を下ろし、


大人二人は綿あめを食べていた。


その前では、みはるととうやが楽しそうにはしゃいでいる。


「晃たち、楽しんでるかなー。」


海斗の持つ綿あめをちぎって自分の口へ放り込みながら、陽奈が呟く。


「そりゃもう、ぐーんと距離も縮まってる頃でしょ。」


海斗はケラケラと笑う。


「キスくらいしてんじゃないの〜?」


「それは絶対ないわ。」


陽奈が即答する。


「そろそろこっち来るかなー。」


「先程、『今向かう』と連絡が入りましたよ。」


答えたのは拓郎だった。


「手くらい繋いで帰って来るんじゃない?」


「それも絶対ない。」


「あの奥手な晃に限って、そんなことはない。」


陽奈は自信満々に言い切る。


「えー、そうなの?」


「じゃあ賭けちゃう?」


「負けた方が買い出し係。」


海斗がニヤリと笑う。


「賭け事好きですね。」


拓郎が真顔で言った。


「だって、ただ待ってるだけじゃつまんないでしょ?」


「じゃあ俺は、手を繋いで帰ってくるに一票。」


海斗が片手を挙げる。


「賭け事なんてくだらないですよ。」


拓郎はため息をつく。


その直後。


「手繋ぎデートに一票。」


真顔で手を挙げた。


「「参加するんかい。」」


海斗と陽奈のツッコミが綺麗に重なる。


「参加しないとは一言も言ってません。」


拓郎は眼鏡の位置を指で直した。


「で、陽奈ちゃんは?」


「もちろん、手は繋いでないに一票。」


自信満々に腕を組む。


「大丈夫?」


「このままだと男二人で買い出し行くことになるけど?」


悪戯っぽく笑う陽奈。


すると。


「「……。」」


海斗と拓郎が同時に固まった。


口を半開きにしたまま、


同じ方向を見つめている。


「今さら自信なくなったって言っても遅いからね?」


陽奈が勝ち誇ったように笑う。


「いや、違くて。」


海斗が小さく言う。


「え?」


「あれ見て。」


海斗が指差した先へ、陽奈も視線を向ける。


そして。


「……嘘でしょ。」


思わず目を見開いた。


人混みの向こうから歩いてくる二人。


辺りをキョロキョロ見回しながら歩く晃。


その隣には、


顔を真っ赤にし、俯き加減で歩く実莉。


そして――


二人の手は、


しっかりと繋がれていた。

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