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《2章迄完結済15万文字突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第3章 夏祭り編

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第44話 その頃の4人

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「リアルとゲームのギャップが凄い人達」

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休日の午後。


晃は相変わらず陽奈の家のリビングを占拠していた。


昼食を食べ終え、テレビを眺めながらのんびりと過ごす時間。


エアコンこそまだつけていないものの、扇風機は元気よく回っている。


五月とは思えない暑さだった。


「暇だしラスクロやる?」


陽奈がスマホを持ち上げる。


「んー。」


ソファに横になったまま晃が返事をする。


「やる。」


やる気があるのかないのか分からない返事だった。


ログイン。


ギルドホームに降り立つ。


そこには既に二人の姿があった。


『お疲れ様です』


『お、きたきたー!』


筋骨隆々の老人盾職。


拓郎。


そしてその隣。


体の大きさに見合わない程、


大きな弓矢を担ぐ赤髪ツインテールの小さな少女。


すい♡。


『すいちゃんと拓郎さん居たんだね!なんか珍しい組み合わせ』


ハルが言う。


『この時間にこんなにメンバー揃うの珍しいな』


アキがフレンド欄を見ながら言った。


だが今日は一人だけ姿がない。


『貝類さんいないね』


『居ませんね。競艇でも見に行ってるんじゃないですか?』


拓郎が言う。


『ありそう』


アキが即答する。


『あー確かに』


『休日になると高確率でどっかの競艇場いるイメージあるかも』


ハルも納得していた。


その頃本人は放送局でリハーサル真っ最中なのだが。


もちろん誰も知る由もない。


『とりあえず武闘大会いく?』


『いくいく!』


すい♡の提案に即座に乗るハル。


veilの生放送が始まるまでのいい時間潰しになる。


武闘大会。


五周年イベント以降に実装された新コンテンツ。


本来は真剣勝負を楽しむ対人コンテンツ。


しかしこの五人にとっては少し違う。


半分チャットルーム。


ほぼ遊び場だった。


戦いながら雑談する。


それがいつものスタイル。


『そういや二人とも祭り行くの?』


すい♡と拓郎の戦闘の合間。


アキが聞いた。


『あぁ、ちょうどその話をしてたんですよ』


拓郎が答える。


『晃くんがいるなら行きたーい♡!だそうですよ』


老人が赤髪幼女の口調を真似する。


『そんなこと言ってないからね?!』


即座に反論。


次の瞬間。


ヒュンッ。


すい♡の放った矢が拓郎の頭に突き刺さる。


『ぐふっ』


老人が吹き飛んだ。


『ちょ、やめてください』


『逃げたら負け』


『この幼女怖いんですけど』


ゲーム画面の中では。


愛らしい赤髪ツインテールの幼女が。


岩のような筋肉を装備した白髪混じりの老人を追い回していた。


仲睦まじい。


だがかなり異質な光景でもある。


『冗談はさておき』


頭に矢を刺したまま拓郎が言う。


『私達も行けますよ、お祭り』


『……それはよかった』


アキが答える。


『楽しみだね!』


ハルも続く。


そんなやり取りをしているうちに。


武闘大会会場へ人が増え始めた。


観客。


対戦待ちのプレイヤー。


見学者。


ちらほら視線を感じる。


すると。


『えーーい♡』


『やったー♡勝ったぁ♡』


突然始まる、すい♡のぶりっ子モード。


中身は乃村実莉である。


『すいちゃんすごいですぅ( ´ ▽ ` )』


ハルも言う。中身は朝倉陽奈である。


『ハルちゃん、ありがとうー♡』


…中身は乃村実莉である…。


ダンジョンチャットでは可愛らしい会話が飛び交う。


その一方で。


チームチャット。


『やば、客来たから退散しよ。』


陽奈の冷静な文字。


『そうね。見られてると話しにくい。』


実莉も乗る。


『……』


『……』


アキと拓郎は静かに息を呑んだ。


怖い。


女性って怖い。


『裏表のある女性って怖いですね』


拓郎が言う。


『いつか誤爆してくれないかな』


『チームチャットと全体チャット間違えて送ってほしい』


『『うるさい』』


女子2人のツッコミが重なった。


武闘大会を後にする。


向かった先はギルドホーム。


限られたメンバーしか入れない場所。


ようやく落ち着いて話せる空間だった。


ーーー


「そういや貝類さんまだ来ないねー」


ラスクロの画面を眺めながら、陽奈が呟く。


淡い黄緑色のソファ。


その上に座りながらスマホを操作していた。


「なに?」


隣では晃がソファをほぼ占領する勢いで横になっている。


「寂しいの?」


「そういうんじゃなくて!」


即座に否定。


「誘ってくれた本人がいないと祭りの話進めにくいじゃん」


そう言いながら時計を見る。


十六時前。


ご飯を食べて。


テレビを見て。


ゲームをして。


最高にだらけた休日。


時間が経つのが早い。


そして。


「あっ!」


陽奈が声を上げる。


「もうすぐだ!」


「何が?」


「Veilさんの出番!」


姿勢を正す。


リモコンを握る。


完全に臨戦態勢だった。


「見逃さないんだから……!」


数分後。


テレビ画面が切り替わる。


夕暮れ色に染まるスタジオ。


逆光。


幻想的な風景だった。


シルエットだけが浮かび上がる。


静かなギター。


優しい歌声。


Veilだった。


晃もぼんやりとテレビを見る。


だが眠い。


とにかく眠い。


ゆったりしたメロディが子守唄みたいだった。


「ふぁぁぁぁ……」


盛大なあくび。


「ちょっと!」


陽奈が晃を揺する。


「真剣に歌聴いてよ!」


「んー。」


今にも寝そうな返事。


ぼんやりシルエットを見る。


長い足。


テレビ映えするスタイル。


少し癖のある髪。


「……なんか。」


晃が呟く。


「この人似てるよな。」


歌が終わる。


「誰に?」


「海斗さん。」


「はぁー??」


陽奈が素っ頓狂な声を出した。


「どこが似てるのよ。」


「なんとなく。」


「なんとなく海斗さん。」


再びゲーム画面を見る晃。


「ほんと興味ないこと適当なんだから。」


陽奈が膨れる。


「Veilさんって歌以外喋らないんだよ?」


「一切。」


その言葉通り。


今日も一曲のみ。


トークコーナーへの出演はなし。


歌だけを残して去っていった。


「多くを語らない感じ。」


「歌に全部をかけてる感じ。」


「クールでかっこいいんだよねぇ……」


うっとりする陽奈。


「めちゃくちゃ喋る海斗さんとは真逆。」


「全然似てない。」


熱弁する。


返事はない。


「聞いてるの?」


「んー。」


「聞いてる聞いてる。」


「やっぱ海斗さんに似てる。」


晃の中では。


多くを語らないラスクロの貝類。


その姿が重なっていた。


「いや絶対聞いてないじゃん!!」


陽奈のツッコミが部屋に響いた。


ーーー


その頃。


都内放送局。


喫煙所。


「はぁー……」


煙を吐く。


「やっぱ仕事終わりの一服は最高だな。」


誰に言うでもなく呟く。


隣には見知らぬ女性スタッフ。


海斗は箱を軽く持ち上げた。


「お姉さんもいる?」


「これ美味いよ。」


躊躇なく一本差し出す。


「え?」


「メンソール苦手じゃなかったらおすすめ。」


柔らかく笑う。


初対面だろうが関係ない。


通常営業だった。


「……相変わらずですね。」


後ろから呆れた声。


振り返る。


虎太だった。


「仕事終わった瞬間ナンパ始めないでくださいよ。」


「ナンパじゃない。」


「コミュニケーション。」


「言い換えてるだけなんだよなぁ。」


海斗は笑う。


煙が夕方の空へ溶けていく。


数時間前。


競艇場で撮った夏祭りのポスター。


スマホの画面にまだ残っていた。


そして自然と浮かぶ。


毛先が淡いピンクに染まるグレージュの髪。


ほんわかした笑顔。


「……祭り、楽しみだな。」


誰にも聞こえない声だった。

ご覧頂きありがとうございます!


ここでご報告がございます。


『リアルとゲームのギャップが凄いが

 何故か絵になる美男美女』


の初投稿から毎日投稿を続け、


本日ついに1ヶ月が経過しました!!!


ここまで執筆を続けることができたのは、読者の皆様のおかげです。

心より感謝申し上げます。


まだまだ物語は続いていきますので、少しずつお話を進めてまいります。


今後とも『リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女』を、よろしくお願いいたします。


是非ブックマーク登録で最新話の更新をお待ちいただけるとありがたいです( *´꒳`*)

「面白い!」「続きが気になる!」と思ってくださったら、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、執筆の励みになります!

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