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《2章迄完結済15万文字突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第2章 限定カフェ編

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第30話 カフェ当日の待ち合わせ

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4月末日。


春にしては暖かく、


半袖でも過ごせそうな程だった。


天候にも恵まれている。


絶好のお出かけ日和。


――Last Chronicle Online CAFE 最終日。


五人は再び集まることになっていた。


一ヶ月ほど前。


五周年記念イベントで初めて顔を合わせた五年来のゲーム仲間達。


今回は二度目の集まりである。


待ち合わせ場所はカフェの最寄り駅前。


大きな噴水があるロータリーだった。


集合十分前。


噴水前のベンチ。


そこには一人の男が座っていた。


サラリとした黒髪短髪。


黒縁メガネ。


手には文庫本。


時間潰し用だろうか。


峯拓郎だった。


今日は運営スタッフではなく、


完全にプライベートでの参加である。


無表情で本を読んでいる姿は、


ワクワクとは無縁に見える。


だが実際は違った。


心の中ではかなり浮かれていた。



そんな中。


次に現れたのは、


「拓郎さん?」


顔をあげると。


赤髪ボブを後ろでまとめた涼しげな髪型。


ヒールをコツコツと鳴らしながら近付いてくる。


私服だがパンツスタイルでピシッとした印象。


誰が見ても仕事が出来そうな女性。


乃村実莉だった。


「早いですね」


拓郎は本から目を離す。


「そういう拓郎さんこそ」


「一番乗りじゃん」


実莉が笑う。


「こういう時は早めに着いていないと落ち着かないもので」


そう言いながら本を閉じ、


カバンへしまった。


「わかる」


実莉も頷く。


そのまま拓郎の隣へ腰掛けた。


「どう?」


「カフェは繁盛してる?」


「ええ、かなり」


拓郎は即答する。


期間限定カフェ最終日。


前回の五周年イベントに引き続き、


今回も大盛況らしい。


「ゲームを知らない人でも入りやすい雰囲気作りに努めたそうです」


「らしい?」


「今回は担当外ですので」


そう言いながらメガネをカチッと整える。


「前回イベントではお子様連れの主婦層のプレイヤーも多い印象でしたので」


「お子様メニューだけ提案しておきました」


「しっかり携わってるじゃんか」


実莉が笑った。



集合五分前。


「お、もういる」


聞き慣れた声。


二人が振り向く。


実莉の表情が少しだけ明るくなった。


「おはよ」


片手を上げるグレージュマッシュの青年。


朝倉晃だった。


「おはようございます」


「おはよう」


拓郎と実莉が挨拶を返す。


「依頼、間に合ったんですね」


拓郎が言う。


「うん」


「昨日の夜にギリギリ」


かなり遅くまで作業していたらしい。


しかし普段から眠そうな顔をしているせいで、


見た目には全く変化が分からなかった。


「なんか予想通りだわ」


晃が言う。


「予定時刻より前に集まってるメンバー」


「確かに」


実莉も頷く。



そして集合時間。


陽奈と海斗の姿はまだ無い。


「姉ちゃん、もうすぐ着くってさ」


晃がスマホを見ながら言う。


「……あと少し待ちましょうか」


拓郎がため息をついた。


その時だった。


改札付近が少し騒がしい。


三人同時にそちらを見る。


「一緒に限定カフェ行こうよ!」


「あの、待ち合わせしてるんで……」


「そんな事言わないでさぁー!」


「困ります」



「あれ」


実莉が目を細める。


「陽奈ちゃんだよね?」


「姉ちゃんだな」


晃が即答した。


陽奈の前には一人の男性。


黒髪。


メガネ。


陽奈と同じくらいの身長。


ぽっちゃり体型。


ラスクロ女性キャラのTシャツ。


リュック。


かなり癖が強い。


「……なんか変なのに絡まれてるな」


晃が少し笑う。


「え、助けに行かなくていいの?」


実莉が心配そうに言う。


「んー」


晃はスマホを横向きにし、ゲームを始める。


「まあいいんじゃない?」


完全に面白がっている。


拓郎も本を開く。


「ツレだと思われると面倒そうなので」


「あと大切なラスクロプレイヤーを失いたくないので」


癖強な格好をした男性に目を向けながら言う。


かなりラスクロ愛が強そうだった。


「友情よりゲーム経営を取ったなこの人」


実莉が即ツッコミ。


「え、二人とも陽奈ちゃんに薄情すぎない?」


戸惑う実莉。


だが晃は笑った。


「多分俺らの出る幕じゃないよ」


「え?」


「それどういう――」



その時。


陽奈の後ろから。


一人の高身長男性がゆっくり近付いていった。


「ひなちゃん」


「何してんの?」


自然な動作で肩を抱き寄せる。


パーマをかけているような栗色の癖毛。


柔らかく長い前髪。


欧州彫刻みたいな整った顔立ち。


海斗だった。


「か、かいる……」


「海斗さん」


「今ゲーム名で呼びそうになったでしょ」


海斗が笑う。


相変わらず距離が近い。


陽奈は慌てて押し返す。


少しだけ距離が開いた。


「この人はお知り合い?」


海斗が男性を見る。


身長差がすごい。


完全に見下ろす形になっていた。


男性は少し後ずさる。


だが引かない。


「だ、誰ですかあなたは!」


海斗を指差す。


「俺?」


海斗は少し間を置いた。


そして。


「かれし――」


「ゲームの友達です」


陽奈が真顔で遮った。


「ゲーム?」


「ラスクロの?」


「じゃあハルちゃんのパーティの人?」


ハルという単語に海斗の眉がピクリと動く。


「え」


「この人に身バレしてんの?」


驚く海斗。


陽奈は深いため息をついた。


なぜゲーム名を知られたのか。経緯を話し出す。


……数十分前。


満員電車に乗っていた陽奈。


幸い座席につけたので、ラスクロにログインしていたようだ。


周囲に知り合いはいなかった。


身バレの心配もない。


だから警戒を怠ってしまっていた。


すると隣。


視線を感じた。バッと横を見る。


陽奈のスマホをのぞき込む男がいた。


完全に変質者である。


バッと画面を隠す陽奈。だが手遅れだった。


(なに……めっちゃ変な人いるじゃん)


ちょっと距離を取ろうとする。


しかし


「……え、もしかして君、ハルちゃんなの?」


ビクッ


その男性を見る。


視線が合う。


「絶対そうじゃん!実物めっちゃ可愛いじゃん!」


「……ど、どちら様でしょう……」


「おれおれ!」


オレオレ詐欺か?


「鯉だよ!」


「鯉……」


聞き覚えのある名前。


名前を聞いた瞬間、露骨に嫌そうな顔をする陽奈。


5周年記念イベントで海斗達とスマホを交換し、


ゲームしていた時


個人チャットで女子キャラを口説きまわっていた


やな奴である。(第20話 参照)


「ヒトチガイデスゥ」


顔を隠しながらいう陽奈


「なんでインコみたいになってるのー、ゲーム内でも仲良いんだから普通に仲良くしようよ」


やけにフランクだなこいつ。


そしてゲーム内で仲良くした覚えは無い。


馴れ馴れしい態度はゲーム内と変わらない。


そこからしつこく着いてきて、今に至る。



事情を聞き終えた海斗。


「……あー」


「あの鯉か」


「ハルに個チャ送りまくってたやつじゃん」


海斗が鯉を指さしながら笑う。


鯉はムッとした。


「オレのこと知ってるんですか!?」


「それならそっちも名乗るのが筋じゃないですか!」


「俺?」


海斗は肩をすくめる。


そして一言。


「貝類だけど」


鯉が固まった。


「え」


「貝類……!?」


「あの最強ガンナーの!?」



その隙に。


海斗は陽奈を再び抱き寄せる。



「これ以上ハルに近付くならさ」


指を銃の形にする。


鯉へ向ける。


「容赦しないよ?」


バーン。


「ひえっ」


鯉の情けない声。


そして。


「きょ、今日は用事思い出したので!」


「またねハルちゃん!」


去り際に海斗を睨みつけながら、全力撤退。


「漫画みたいな人だな」


海斗がケラケラ笑う。


「いや……」


陽奈が呟く。


「海斗さんもかなり漫画みたいな事してるけど……」


少し引いていた。


その時。


視線を感じた。


振り返る。


そこには


ニヤニヤしている晃。


口元を押さえて顔を赤くしている実莉。


そして。


無表情でスマホを構えている拓郎。


「撮ってたの?」


海斗。


「ええ」


拓郎。


「共有しますか?」


「やめてください」


陽奈が即答した。


LAST CHRONICLE ONLINE CAFE最終日。


五人の賑やかな一日は、


こうして始まったのだった。

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ご覧頂きありがとうございます!

少しづつではありますが、お話の更新を頑張って参ります。是非ブックマーク登録で最新話の更新をお待ちいただけるとありがたいです( *´꒳`*)


「面白い!」「続きが気になる!」と思ってくださったら、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、執筆の励みになります!星1つ頂けるだけでもモチベーションめちゃくちゃ上がります!


皆様、応援よろしくお願い致します(>人<;)


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