表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《2章迄完結済15万文字突破!》リアルとゲームのギャップが凄いが何故か絵になる美男美女  作者: 小春日和
第1章 5周年記念イベント編〜5人が出会うまで〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/66

第14話 初PvPの体験者

LINEスタンプ販売中!

「リアルとゲームのギャップが凄い人達」

で是非検索してみてください☆

40個入りです。

「朝倉晃」


「ハンマーで挑みます」


壇上に立った青年がそう名乗った。


その言葉を聞き。


峯拓郎は静かに眼鏡の位置を整える。


「ほぅ」


小さく呟いた。


なるほど。


近距離戦か。


LAST CHRONICLE ONLINE五周年イベント。


初のPvPコンテンツ。


そして最初の模範試合。


無告知に始まった試合に、

自然と会場中の視線が集まっていた。


晃はイベントスタッフに案内されプレイ席へ向かう。


その途中。


手に持っていたマイクを拓郎へ返す。


パチッ。


一瞬だけ視線がぶつかった。


晃が口元を吊り上げる。


そして。


観客には聞こえない声で言った。


「一回殴ってみたかったんだよね」


少し間を置いて。


「…たくろーさん?」


悪戯っぽく笑う。


拓郎の目が見開かれる。


どういう事なんだ。


拓郎が口を開こうとする。


だが声を掛けるより早く、

晃はプレイ席へ座っていた。


スマホを横向きにする。


ゲームを起動。


開かれたゲーム画面には毎日見慣れた姿があった。


グレージュのショートヘア。


クールな瞳。


華奢な姿に大きなハンマーを背負った女性戦士。


鋭い視線。


アキだった。


途端に会場がざわつく。


「えっ」


「イケメンが女キャラ使ってる……」


「ネカマ?」


「いや待って」


「ギャップ萌えするんだけど」


「それはイケメンだから言えることだろ」


誰かが冷静にツッコんでいた。


晃は全く気にしない。


そんなことより。


気になっているのは一つ。


自分がアキの中身だと知った時の

拓郎の反応だった。


アキの入場演出が終わる。


晃はチラリと拓郎を見る。


案の定。目を見開いて画面を見つめた後、

晃の方を見る。


だが驚いた様子は一瞬のことだった。


すぐに眼鏡を整え仕事の顔へ戻る。


…なんだ。


反応はその程度か。


晃は少しだけつまらなさそうに視線をゲームに戻した。


だが。


すぐに気持ちを切り替える。


これから始まる戦い。


「ぶっ潰す、岩石じじぃ」


小さく呟く。


別に恨みなどがある訳でもなく、嫌いな訳でもない。


ただ、5年間、共に過ごす中で思っていたのだ。


自分のハンマーの威力と、

拓郎の盾がぶつかり合う様を見てみたい。と。


晃にしては珍しく。


闘志が燃えていた。



制限時間三分。


戦闘開始。


ブザーが鳴り響く。


瞬間。


アキが飛び出した。


会場がどよめく。


速い。


速すぎる。


巨大なハンマーを持っているとは思えない速度だった。


一直線。


拓郎へ突っ込む。


飛び上がる。


そして即座に振り下ろした。


ドォォン!!


重い一撃。


土煙が舞う。


会場が息を呑む。


だが。


煙の向こう。


拓郎は微動だにしていなかった。


巨大な盾。


完全防御。


「!」


晃が目を見開く。


硬い。


想像以上だった。


二発目。


三発目。


四発目。


攻撃を叩き込む。


だが。


全て防がれる。


一歩も動かない。


HPにもさほど影響が無い様子。


(硬すぎだろこのじいちゃん)


晃は一度距離を取った。


すると。


拓郎が口を開く。


「次は私の番ですね」


静かな声。


巨大な剣を抜く。


来る。


晃の集中力が一気に高まった。


剣がカチリと音を立て動いたかと思いきや、瞬時に振り下ろされる。


5年間隣で見てきた拓郎の癖。


攻撃が来るタイミングが晃には何となくわかる。


避ける。


紙一重。


次の一撃。


また避ける。


アキの瞬発力。


拓郎の無駄のない剣さばき。


両者一歩も譲らない。


スキル発動。


回避。


ガード。


カウンター。


全てが完璧だった。


観客達は理解し始める。


これ。


デモンストレーションじゃない。


ガチだ。



その頃。


観客席。


「晃すごーい!」


陽奈が拍手していた。


「やっぱPvP好きなだけあるわー」


一見ちゃんとした観客である。


…しかし。


目線は忙しい。


キョロキョロ。


キョロキョロ。


「貝類さんも見に来てたりするかな?」


そっちが気になっている。


一方。


実莉。


「晃くん強……」


思わず呟く。完全に見入っていた。


しかし。


すぐに首を振る。


違う。


今は違う。


ホワイトドラぴこ。


ホワイトドラぴこが優先だ。


そっちが今日の目的だ。


二人とも。


戦闘を見ているようでほぼ見ていなかった。



そして。


三分後。


タイムアップ。


試合終了。


どちらも倒れなかった。


実力は互角。


会場が静まり返る。


誰も判断できない。


「これどっち勝ったんだ?」


「引き分け?」


「いや……」


すると。


運営から判定が出る。


盾職。


防衛成功。


勝者。


拓郎。


一瞬の静寂。


そして。


うおおおおおおおおおお!!


歓声が爆発した。


拍手。


歓声。


どよめき。


ただのデモンストレーションだったはずなのに。


なぜかイベントの目玉みたいな盛り上がりだった。



少し離れた場所。


後輩スタッフが頭を抱えていた。


「初体験プレイヤー相手に本気でやってるじゃないですか……」


予想的中である。



晃は席から立ち上がった。


悔しそうな顔はない。


むしろ。


スッキリしていた。


「ふぅ」


そして笑う。


「楽しかった」


壇上中央。


プレイヤー席を立った拓郎が手を差し出す。


晃も応じた。


ガシッ。


握手。


その瞬間。


巨大スクリーンに映し出される二人。


黒髪真面目系イケメン。猫系イケメン。


絵面が強すぎた。


会場が再び沸く。


「うおおおお!!」


「アキ強ぇぇぇ!!」


「じいちゃん硬すぎ!!」


「晃さまーーー♡」


「かっこいいーーー♡」


なぜかファンが生まれていた。


歓声を背に受けながら


晃が壇上を降りようとした時だった。


「…待ってください」


静かな声。


晃が振り返る。


拓郎が近付いてくる。


「デモンストレーションのお礼です」


「粗品を用意しております」


「武闘大会イベントが終わったらお声かけします。

その時スタッフルーム前まで来てください」


耳元で小さく囁きながら、小さな紙を手渡す。


名刺だった。名前と連絡先が書かれている。


名刺を受け取りながら晃が首を傾げた。


「粗品?」


「ええ」


拓郎が微笑む。


そして。


少しだけ声を落とした。


「それと」


「せっかくですし、少しお話したいので」


その言葉を聞いた時、晃の口元が少しだけ緩んだ。



そんな男同士の熱い空気が生まれていた頃。


陽奈と実莉は。


全く別のことを考えていた。


「今なら人少ないかも……」


陽奈が呟く。


「貝類さん探さなきゃ……」


完全に恋する乙女である。


一方。


実莉。


「今だ……」


「ホワイトドラぴこ……」


こちらも真剣だった。



「実莉ちゃん!」


陽奈が振り返る。


「ごめん!」


「グッズ販売見に行く予定だったけど、ちょっと行かなきゃいけないところがあって!」


「また後で合流するから!」


そう言うと。


陽奈は走り出した。


貝類捜索モードである。


結局。


武闘大会会場に残されたのは実莉。


実莉は周囲を見回す。


今だ。


チャンス。


ホワイトドラぴこ抽選会場へ向かう。


足取りは軽い。


その背中を見送りながら。


壇上では拓郎が次の説明を始めていた。



名刺を受け取り、

図らずも岩石じじいの中の人の連絡先をゲットした晃が帰還した。


しかし。


先程陽奈と実莉がいたはずの場所に


2人の姿はない。


「どこいったんだあの二人」


3分試合の観戦くらい最後まで見てけよ…


呟きながら、合流できそうな心当たりのある場所、


グッズ販売ブースに足を向けるのであった。


ご覧頂きありがとうございます!


次回、ひちゃ遂に貝類発見か?!


第15話は明日の朝7時頃に更新しますので、是非ブックマーク登録でお待ちいただけるとありがたいです( *´꒳`*)


「面白い!」「続きが気になる!」と思ってくださったら、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、執筆の励みになります!


どうぞ引き続きお付き合いよろしくお願いいたします(>人<;)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ