トルコライスとミルクセーキ
「お昼ご飯!?」
『カステラ二本以上食べて、ちゃんぽんと皿うどん二種類、つまり三人前食べてたでしょ?』
『すでにお昼ご飯は食べたでしょうがw』
「お昼ご飯は何にしよう」
『聞いて?』
聞かない。美味しいものは食べると幸せになる。だから食べる。もちろん観光もしたいから、食べてばかりはいられないけど……。でも、とりあえずは食べる。
「観光はお昼ご飯を食べてから」
『そのお昼ご飯を食べてたでしょうがw』
『この子はまったくw』
次は……そうだね。
「何かおすすめある?」
「私ですか!?」
「そう」
せっかくなので、このまま学生さんに付き合ってもらおう。あ、でも、忙しいかな?
「忙しいなら諦めるけど」
「一緒に行きます!」
「あ、うん」
『食い気味w』
『まあ俺でも一緒に行くことを選ぶわ』
『多分今を逃すともうこんな機会はないだろうしなw』
そんなことは……あるのかな? 分からないけど。
お昼ご飯なら、と学生さんに教えてもらったお店は、洋食屋さん。レンガ造りの入口がおしゃれなお店だ。
「かっこいい」
「かっこいい……?」
『リタちゃんの謎感性』
『このあたり、保護者はどのように思っているのか』
『なにそれしらん、こわ』
『おいシッショw』
そんなに変かな?
お店に入って、学生さんが注文してくれる。ただ、さすがに学生さんはお腹いっぱいみたいで、私だけで注文することになった。
そうして出されたのは。
「お待たせしました。トルコライスです」
トルコライスだ。
『出たトルコライス!』
『ほほう。カレーピラフ、とんかつ、ナポリタン……。王道ですな』
『わりと大盛りだなあ』
楕円形のお皿に料理がいっぱい。ほんのり黄色のピラフとナポリタンが両端にあって、その間にとんかつが並べられてる。とても美味しそう。
「大人版お子様ランチです」
「大人様ランチ」
「それは何か違う気がします……!」
違うの……? そういうことだと思ったんだけど。
まずはカレーピラフ。はっきりとしたカレー味じゃなくてほんのりカレー味、程度だけど、美味しいと思う。ナポリタンも、美味しい。とんかつも揚げたてサクサクで食感が楽しいね。ソースもいい味を出してると思う。
でも……。それぞれの料理をもっといっぱい食べたいと思ってしまった。
「もぐもぐ……。一度の料理でたくさんの味を楽しめるのがいいのかな?」
『そうそうそんな感じ』
『あれ? そう考えると、いくらでも食べられるリタちゃんとは相性が悪いような……』
美味しいのは間違いないと思う。三種類の料理があるから、飽きることなく食べられるから。
「デザートも是非!」
ということで注文されたのが、ミルクセーキ。飲み物の名前で聞いたことがある気がするけど……。デザート? 不思議に思いながら待っていたら、お店の人がすぐに持ってきてくれた。
「おー……」
飲み物じゃなかった。アイス、みたいになってる。ほんのり黄色がかった白色、みたいな色のアイス……。いや、シャーベット、だっけ。そんなやつかも。
「長崎のミルクセーキは食べるミルクセーキです」
「そうなんだ」
やっぱり飲み物でもあるってことだね。
とりあえず……。早速一口。スプーンですくって食べてみる。ぱくりと。
んー……。食感は、シャリシャリ、かな? シャーベットみたいな食感だ。すごく細かい氷みたいな感じだね。食べやすい。
味はちょっと不思議。甘みが強めにあるけど、牛乳のようなコクもある。カスタードクリームを固形にしたらこんな感じになるかも?
それ以上に……。卵の味もしっかり感じられた。一口目の印象は甘さが来るけど、しっかり味わうと卵の味もちゃんと感じられる。そんな味だ。
うん。美味しい。
気づけば学生さんもミルクセーキを食べていた。シャリシャリと美味しそう。
『君も食べるんかーい!』
『まだまだ暑いからね、凍らせたミルクセーキは美味しいよね』
「そうです。デザートは太りませんから」
『なんて?』
『ちょっと何言ってるのか分からない』
『現実を見ろ!』
「やだ!」
もぐもぐ……。太るとか気にしないといけないのは大変だなって思う。魔法使いじゃなかったらこんなに好き勝手食べられなかっただろうし、魔法使いで良かった。
「ちなみに、ミルクセーキはお店によって味や食感が違うんです。隠し味とかあるのかな?」
「へえ……」
なるほど。それはいいことを聞いた。
「じゃあ、行こう」
「え……」
「食べ比べに」
「…………。私、何かやっちゃいました?」
『やっちゃいましたね』
『がんばってリタちゃんに付き合うんだぞ!』
『満足するまで食べ歩きだ!』
頬を引きつらせる学生さんを連れて、とりあえず近くのお店にミルクセーキだけもらうことにした。どんな味の違いがあるか、楽しみ。
壁|w・)もぐもぐは続くよどこまでも。





