↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/21

8話 デロア聖女1

 後をつけてきていたお姉さんを脅した。まぁそれ以降は何もなく寮まで帰って来れた。まさか飯が出ないとは思わなかったが、まぁ“異空間”の食料でなんとかなった。あまりいいとは言えないのだけどね。非常食なのだから。


「明日は何か買い物しておかないと」


 家族の寮だったらそんなことはないとは思うけど、どうなのだろうか? 使用人を連れてきていいって話だったし何も問題は無さそう。僕の専属なんていなかったから関係はないけどねぇ。硬貨は両替出来たからよかったよ。


 王都とはいえ、屋台などは金貨や銀貨が使えない所もあるみたいだしね。フィーから何も連絡が来ていないけど大丈夫なのかな? 一日の終わりには伝書鳩が来るはずなのに。ちなみに通信用魔道具は存在しているがデカいし、高い。


「まぁ小型化するには色々と足りなさ過ぎる」


 出来れば前世のスマホくらいまでに小型化出来たらいいんだけど、それは無理か。錬金術スキルはあるがレベルを上げるのが大変なので一旦、取得だけにとどめている。だってポイントが……1上げるだけでも1万はいるんだぞ?


 しかもスキルレベルを上げるだけでは意味がなく、心技体もいる。レベルだけ上げて俺最強!! ってことは出来ないし苦労なんてしなくて済む。スキルはただサポートだと思ってしないといけない。魔法を発動する為の魔法陣みたいな感じ。


「“異空間”だって自分がしっかりと考えて努力してしないと扱うことすら出来ないんだしな」


 この世界の神様は本当にしっかりとしている。努力無くして成果を得られないようにしている。才能にかまけて何もしなかった奴らは全て落ちぶれている。逆に努力してのし上がった奴もいる。世界ではそれが普通なんだよ。


 アデルや他の兄弟達にも教えておいてやりたかったがそれは叶わない。まぁそれはそれで構わないのかもしれないな。兄としての役目は果たすがそれ以外がしないがね。貴族の方は一体何をやっているのかが興味あるから予定表を盗んできたが、見事なまでのお茶会祭りだ。


 平民もあるが半年に一回だな。1か月後の合同ダンジョン探索かぁ……嫌な予感しかしないけど、それまでに色々と揃えておかないといけないのか。フィーに聞くのは反則になるのかもしれないか。どうしたものかな。このまま何もしないってのは嫌だしな。


「デオルさん、いますか?」

「・・・」

「入りますね。鍵がかかっているのですね。これでは救うことができません」


 アレ? 何故にデロアさんが来ているのさ。ギルドで聞いた「また明日」って嘘だったのか? そんなことよりもここが男子寮で誰かが付いていないと入れないって話だったぞ。もしかしてあのイオとか呼ばれている奴がいる訳じゃないよな?


「仕方ありません。寮長様、お願いします」

「承知いたしました聖女様」

「ふふっいい子ですね」


 ヤバい寮長が何かされているからここに来れているんだな。あまりこうゆうことは言いたくないが聖女である筈のお前さんがいい子ではないだろ。聖女なら聖女らしくしておけよ。怖すぎるだろ。ここで鍵が開かなかったら僕がここにいるってバレてしまう。


 仕方ないが〈ゲートオープン”空白”〉よし、一旦は”異空間”で避難だ。避難しないとあの聖女様に何をされるかが分からない。逃げるが勝ちって言葉があるんだから僕が逃げても勝ちだ。



~デロア視点~


 デオルさんの部屋に入れましたが……居ませんね。寮長様は部屋にいると言っていましたが、どこか出かけているのでしょう。私は初めてデオルさんを見てからずっと心臓の鼓動がうるさいんです。だからパーティーに誘ったのですが、フィーベル様のお気に入りだったとは。


 私は聖女としての素質があり、それを開花させるために必死になって修行したのですが……貴族の方には勝てませんでした。私よりも容姿端麗で文武両道。平民の私が太刀打ちできる相手ではなかった筈でしたが、彼女は才能にかまけていたのです。


 おかげで私は平民の聖女になれました。大勢を救った私ですが、救えなかった人がいます。それは今から救おうとしていた。デオル・アグールだったのです。彼は昔から「冷たいのに暖かい」人でした。芯では燃え盛っているような感じです。


 表面があんなに冷たいのに心のどこかでは誰かを救おうとしている方だと思ったからです。彼はそういう方なのにご家族やその家に使える者たちはおろかにも彼を虐げました。しっかりと証拠をお揃えましたが、まさかエルフの国の元王女様と同棲していたとは。


 私の王子様って訳ではないのでいいのですが、どうかと思いますね。


「せ、聖女様」

「はいなんでしょうか?」

「あの堕落貴族に何か御用なのでしょうか?」

「・・・えぇ。ですので申し訳ありませんが戻ってくるまで居させていただきます」

「あの男にそんな価値はありません。お茶でもどうしょうか?」

「お断りします。一人で待っておきますのでご退出を」

「しかしあの男は__ひっ!!」

「ご退出を」


 平民聖女として私の名前が広まり過ぎたのが原因ですね。あともう一人の聖女が私のないことを広めているってモノありますが……どうしたモノでしょうか? 幼馴染だけで組んでいるパーティーの中で私が一番強いんですけど、何故か下に見られてしまっています。


 Plv150はあるのですが……他三人は23しかありません。私一人であればSSランクのモンスターをワンパンで屠れます。なんたって聖女なので。悪は滅するべきと教わったのでそうしていたらいつの間にかこうなってしまいました。


「ハァ私はお飾りの聖女ですね」

「平民たちからしたら違うだろ。あと孤児たちからもな」


 貴族側の聖女よりも愛想がなくて胸がないってよく言われます。顔は整っている方だからまだ需要があるとか言われますが、そんなのは知りませんよ。自信を無くしてしまいますよ。私は人々を癒すことしかできな__今デオルさんの声では?


 この部屋にいない人の声が聞こえてくるということは疲れているのでしょう。戻ってくるまで居たいのですが此処を浄化してから戻るとしましょう。明日はみんなとクエストを受ける予定ですしね。


「〈聖女、デロアが女神様に祈りを捧ぐ。此処を清めためえ。”浄化(ピュリフィケーション)”〉」

「目がぁぁぁ!?!?!」

「えっ!? キャッ」


 私の正面からデオルさんが急に現れて、私は押し倒された。顔が近く目をそらしましたがそこには、いい身体を見た瞬間に身体中が熱くここから一刻も早く逃げ出したかった私は、思いっきりデオルさんを窓の外に投げてから部屋を後にしました。一体何が起きたのかは分かりませんが、浄化がデオルさんを不純として認識した?


 私が救おうとしている方がそんなことはないと思いたいですがもし、そうだとしたら私はどうするべきなのでしょうか? 聖女は清い身体ではなくてはいけません。欲情のままにされては聖女ではなくなりますね。耐えていただけるようにしないと。


 私は爆速で自室に戻りました。ベッドに倒れ込み先ほどあったことを思い出します。押し倒され、お顔が近くにあり……男だと分かるほどに身体が引き締まってました。レベル差があったとしてもあの身体で迫られたら__無理ですね。考えるのは止しましょう。


「私、こんなの持っていましたか?」


 私の手の中には千切れた布がありました。デオルさんのモノしかありませんよね。制服ではなくて助かりましたが…………どんな匂いがするのでしょうか? 先ほどは匂いを嗅ぐ暇がありませんでした。少しだけならいいですよね?


「すんすん_ッ!? 〈”タイムロック”〉」


 ふぅ~いい匂いでした。コレでとりあえず匂いは変わることはないでしょう。物体の性質や時間の変化を止めるスキルを使いましたので変わることはないでしょう。コレは一生の宝物にしないといけないですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。