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3話 目指せ冒険者

入学式が終わり入寮も済んだのはいいけど、やることがないのはどうしたものか。二人部屋かと思ったけど、一人部屋だったから誰とも仲良くなれない。友達を二、三人はほしいと思っているのに。


 今朝の件があまり良くなかった。なんとかなると思うし、まずは冒険者ギルドに行こう。そこで登録しておけば後が楽だからやりに行こう。そうと決まれば早速、寮長に外出届けを出しに行かないと。




 僕はなんとか寮長を説得した後、冒険者ギルドに行った。道中少し迷いはしたがなんとか無事に着いて中に入るとこちらを一斉に見られた。びっくりはしたけど、ただそれだけだ。何も気にする必要はない。


「すいません、冒険者の登録したいんですが」

「堕ら……有名なデオル様ですね。登録はどういった理由なのでしょうか?」

「金が欲しいからです。卒業までにお金はできるだけ貯めておきたいので」


 受付のお姉さんに聞かれた質問だが本来はない筈だ。まぁいいや。フィーは冒険者って言っていたけど、見渡す限りいないか。毎日いるわけじゃないし、特に居ないくても寂しいわけじゃないからいいや。


 登録用紙をもらったので記入していく。一つの欄で僕は手を止めた。もしかしてコレって貴族用と平民用があるの? 婚約者の有無なんて普通は確認しないだろうに。空白で出そうと思いペンを置こうとしたら後から奪われた。


「デオル、久しぶりだ」

「フィー!! こっちの方が嬉しいよ」

「3年ぶりくらいか?」

「そうだね。フィーは仕事?」

「あぁ依頼を一つ受けようとな。デオルは何をやっているんだ?」

「この欄をどうしようかなって」


 フィーに婚約者の欄を見せると驚いた顔した後、僕の手から登録用紙を奪い取り自分の名前を書いてそのまま受付に出しに行っていた。僕は唖然としたのだが……考えても仕方ないか。


 フィーが受付嬢と何やら話しているから僕は暇になってしまった。とりあえずクエストボードを見にいくか。椅子やテーブルがあるのでそこで座って待つのもアリだけど、昼間から酒盛りしている人達がいるから近付かないのが正解だね。


「すいません、デオルさんですよね?」

「はい。えっと……どちら様です?」

「わ、私は同じクラスのデロアって言います」

「デロアさんが何用ですか? クラスメイトなら近寄らないと思うんですが?」

「ば、パーティーメンバーになってください!!」


 断りたいけど涙目になって必死にお願いしてくる人を無碍には出来ない。とりあえずは話を聞くだけでもしよう。それで決めればいいわけだし、僕は何もしなくてもいい可能性もあるからね。


 デロアさんに「話を聞いてから決めます」と言ったら席に案内され、そこには他のパーティーメンバーがいた。戦士のエルフ、魔術師のドワーフ、シーフの人間、治癒師のデロアさん。僕が入る枠無くない?


「デオルさんに、前衛になって欲しくて」

「おい、今デオル って言ったか!?」

「イオくん、噂は違うって説明したで、しょう」

「デロア……コヤツは無理だ」

「ローラちゃんまで!!」

「ワシも反対だ」

「なっ!? ジィルンさんもなの」


 そうだろうな。僕をパーティーに入れるってのはリスクがありすぎる。辺境伯に睨まれたくないし、自分たちまで噂に巻き込まれたくないってのはあるだろう。その気持ち分かるけど、少しかわいそうになってきたな。


 どうしたものかと考えているとフィーが戻ってきた。その顔はものすごく不機嫌ですと言っていた。それが無くても魔力を全身から溢れ出しているから機嫌が悪いことはすぐに分かる。酒盛りしていた人達が気絶した。


「私のデオルになんの用?」

「「「「フィーベル様!?!?」」」」

「フィーおかえり」

「「「「フィー?!?!」」」」

「お前らにその呼び方を許可した覚えはないぞ」


 フィーが威圧するから耐えれたデロア達は気絶してしまった。ギルドは騒然としていて、泣きじゃくる者や失禁する者、武器を構える者がいるけど、それらを全く気にしていないフィーは僕に抱きついてきていた。


 魔力は一切引っ込めないまま。僕があの堕落貴族とバレているわけだし、このままってわけにはいけない。冒険者になって出来るだけ金を貯めないといけないんだ。まぁ金貨500枚は貯まっているからある程度余裕があるんだけどね。そんなことよりも今は__


「フィー落ち着いて。何があったかは分からないけど、当たるのは違うでしょ」

「分かった。デオルの言うこと聞くから」

「お願いを聞いてでしょ。いいよ」

「デートして、オシャレをしっかりとして」

「分かった」


 僕が即答すると嬉しそうにしながら魔力を引っ込めた。器用だなぁと思いながらデロア達を見る。特に何も無くてよかった。僕が何かをやったとは思われたくないからね。何もしたくないんだよ。


「フィーベル・ハティツィール様、ギルマスが呼んでいます」

「拒否」

「デオル・アグール様も一緒にです」

「行く」


 そこは即答しないでもらえたら助かったんだけどなぁ。仕方ないから行くけどさぁ。まだしっかりと冒険者登録出来ていないんだけどもそれはどうすればいいのかな?



~フィー視点~


 私はギルドの受付嬢と少し揉めている間に他のメスを引っ掛けてくるなんて……まぁそのおかげでデートを取り付けられたから良しだけどね。ギルマスはデオルの噂を疑っていたから信用は出来ると思う。


 ギルマスは話せば分かる人だけど昔の人間すぎる面もあるから心配ではあるけど、デオルなら大丈夫でしょう。私の夫になるから心配はない。婚約者欄に私の名前を書いたからいいけど。


 認められないとかありえないでしょ。何が第三王女だから認められないのよ。元だからデオルと結婚するのは自由なのに。叔父さんとギルマスを味方につける方がいいね。辺境伯だけではなくてね。


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