↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/21

17話 異常事態!? 1

 僕らは他とは違い少し遅れて森の中に入ったがパーティー内は微妙な空気が流れている。それもこれも王太子のせいだと分かっているから何も言わない。まぁこのシルバーウルフを討伐すればいいだけだし問題はないかな? 


 危険度はCクラスらしいけど、分かりやすく言うと、戦車に全裸で戦いに挑む。普通に考えて無謀だろ。異世界であればそれをソロでやれる者が多い。このパーティーであれば簡単だと言われたけどなぁ。気があまり進まない。


 その理由としてはいないからだ。同じ試練内容はあるけど、2組ほどなのでこんなに見つからないのはおかしい。森に入ってもう3時間は歩いているがこの森に棲んでいる他の生き物もいない。何かあるってことを考えた方が良さそうだけどねぇ。


「少しここで休むとするぞ」

「いやもう少し進んだ方がいい。ボクらは他よりも遅れているんだ」

「貴様はアホか。森の中に慣れておらぬ者もおる」

「・・・分かった。10分だけだ」

「それでよい。皆、10分は休憩だ」


 単独行動を出来ればいいんだけどもソレを許してくれる者はいなさそうだねぇ。とりあえずはここで休憩して森の様子をもう少し観察しないとなぁ。じゃないと僕らが死ぬ可能性だってあるんだから。何かこの森の状況を知っている人がいればいいんだけど。


「デオルさん、この森は変じゃないですか?」

「生き物の姿を見てない」

「はい。それと瘴気が濃くなって来ています」


 瘴気って何? そんなのは感じれないけどなぁ。僕は光属性ではないから分からないだけかもしれないけどさ、知らないんだよね。もしかしたら聖女様じゃないと感じれないモノなのかもしれない。フィーに色々と教わってお__は?


「くそったれが!! 全員、戦闘態勢をとり、警戒!!」

「デオ__」



 僕はどこか分からない場所に移動させられたみたいだ。おそらくはテレポートのスキルだろうけど、何も気配なんて感じなかった。誰かに後ろに引き込まれる感覚があったからパーティーには警戒するように言ったけど、大丈夫だろうか。


 まぁ僕がいないだけども動きやすいかもしれないなぁ。みんなの心配よりも自分の心配をした方がいいだろうけどね。刀はあるけど、カバンがない。水はあるけど、食料がないのは痛いな。せめて地図があれば良かったんだけどねぇ。


「はぁあまりにも面倒だなぁ」

「そうなのね」

「そうだろうさ、アレン?」

「へぇ~よく気が付いたね」


 いや声がアレンだったし、気が付かないのはありえないでしょ。アホなのかな? そんなことはどうでもいいことではあるから何も言わないでおくけどね。何故ここにいるのかを聞きたいけど、それを聞くと戻れなくなりそうだねぇ。


 ただ気になることがあるとすれば喋り方が変わってくらいだ。王太子を狙っている人間ではないとおもいたいなぁ。あまり知り合いから犯罪者を出しくたないし、ここでなら僕とアレンの秘密に出来るからやめてほしい。


「・・・私の目的は貴方だけ」

「勝ち目はあるの?」

「勝たないと私は苗床にされるだけ」


 双剣使いねぇ。レッちゃんと同じだけども出所が一緒であれば習っている技術も同じだろう。刀を抜いてもいいけど、アレンを傷つける可能性があるからやめておきたい。僕は体力を温存しておきたいし、ここで殺し合っている暇ではない。


 逃げる一択しかないでしょコレは。僕はアレンの連撃を避けながら後退していくが段々と体が重くなっていくのが分かった。毒耐性はしっかりと取得しているし、何なら無効化できる筈。ってことは毒ではない何かがあるのか。


「あのローレンに勝ってんだろう? 私を倒すのは簡単ではないのか?」

「逃げたいからねぇ。それに僕は強くないから」

「そうか。ならここで死ね」


 アレンが細い糸のようなものを切るのは分かったけど一体な__左から大岩!? しかも丸いから転がってくる。6メートルはあるねコレ。木々をなぎ倒している所を見るに上に逃げるのはないね。正面にはアレンがいるから一択か。


 後ろに下がろうとするが体が動かなくなったのが分かった。しかも魔力の減りが速いことも気が付いたけど、一体何がどうなっているんだ? よく見ると先ほどアレンが切った糸が体に巻き付いているのが分かった。


「じゃあ」


 アレンは僕は押しつぶされる前に悲しそうにしながら挨拶した。おそらくは僕が回復を使える可能性を考えてこの糸に魔力吸収を付与したんだろうねぇ。面倒だ。



~レオン視点~


 デオルだけが攫われてしまった。スタンピードが起きるまであと、2時間くらいか。それまで探しておかないと俺ら……国が亡ぶ。今回のスタンピードはこの森だけしか起きないが魔力量が多い者は魔法を使えなくなるほどに吸われてしまう。


 他にもパーティーメンバーが連れていかれているのであれば分散することが目的だと思うのだが、完全にデオルを離れさせる為ってことが分かるな。デオルだけが逸れてもう1時間は経つか。フィーベルは動いているのかを確認したが出来ない。


「殿下、どうするおつもりですか?」

「デオルは見捨て森を出る」

「なっ!? レオン、まだしっかりと探してもいないじゃないか」

「ミナトよ。異常事態が起きているのが分からぬわけではないな?」

「そっそれは分かっているけど、だからと言って彼を見捨てるのは」


 コイツは役に立たないな。アミルはまだこちらの意図を理解しようとしているが、ミナトはダメだ。今はデオルではなくてパーティーが全滅する可能性もある。デオルは生きていることを想定してスタンピードに備えないといけない。


 だから一旦は森を出て他生徒や教師たちと協力して森から出てくるモンスターを討伐しないといけない。スタンピードの可能性をパーティーには説明したから分かってくれると思ったのだが、無理か。強制的に戻る為の魔石はある。


「アミル、頼む」

「分かりました。皆様、近づいてください」

「アミルさん待ってください。もう少しだけデオルくんを__」

「兄を見捨てましょう」

「アデル様……」

「アンタ、何をやったのか。分かってい__」


 よくやった。アデルよ。隙をついて勇者を気絶させるとはな。あと、ピーピーと喚く聖女も黙られてくれたのはありがたい。父上に進言してアデルを裁かれないようにしておかねばな。俺はアミルに合図を送り転移石を使わせた。



~アデル視点~


「アデル様……良かったのですか?」

「あぁ殿下の言葉を信じるのであればこれが最善だ」

「お兄様に謝りたかったのではないのですか?」

「・・・」

「アデル様は後悔なさりませんか?」


 転移石で戻って来たのだが婚約者であるミア嬢は心配して聞いてくる。もし兄さんが死んでいたらボクは後悔するだろうが此処は殿下の言葉を信用するしか。あの人は弟であるボクを守ってくれていたことは知っていた。


 だが裏では傍若無人と父様や母様、使用人や騎士から言われて騙されたと思った。だから兄は悪でボクはソレを正さないといけないと思っていた。ロクに兄の話を聞かずに……フィーベル様が兄に救われたから婚約したいと党様に言っているところを聞いた。


 フィーベル様は騙されていると思いボクは聞いた悪行を伝えたら「愚かだな」の一言だけ返ってきたが、本気の殺気を向けられていた。失禁したのは今でも覚えている。兄さんは悪人ではなくて父様たちが悪いのかもと考えたこともあった。


 だが兄さんは弁解しようとしなかったから本当だと思っていた。こっそりと森へ行き兄さんの様子を確認すると、ボロボロになりながら鍛錬しているところを見た。だから兄さんへの言葉や行動は他の者と同じくしないといけないと思った。


 兄さんは騙してなどいなかった。ボクは断罪される為に殿下の前でも邪魔した。兄さんが幸せになるためにはボクやあの家は邪魔だと思ったからだ。やっと断罪されるのかと思ったが、兄さんは助けてくれたのだ。


 ミア嬢には情けない姿を見せたことを言ったら「貴方様は立派です」と言われて気になったことを聞いた。ボクやアグール家が兄さんへやっていたことは全て知っていたのだ。それでも「私は貴方様のことをお慕いしております」と言ってくれた。


 だから出発する前に全て吐露したらミア嬢も色々と吐露してくれた。仲が深くなったような気がする。そんな彼女が心配してくれているのだ。


「兄さんなら意地でも生き残るからその時に頭を下げるよ」

「根拠がありません」

「ミア、その時は胸を借りてもいい?」

「ぁ……はい!!」


 情けないかもしれないけど、いいだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。