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15話 貢ぎ物

〜フィー視点〜


 私は叔父さんがいる学園長室にいるけど、イラついていた。まずは叔父さんが私に黙ってデオルの外泊届を許可したことだ。もう一つはデオルが暗殺者に狙われている可能性があると言うことを今日まで黙っていたことについてだ。


「フィーベル。落ち着いたかい?」

「はぁあ⁉ 私の愛しいデオルが危険な目にあっているのに落ち着いたぁ?」

「危険な目にはまだあっていないぞ。フィーベル嬢?」

「この国の王太子が何用? 私は説明してくれる人が来るから待っているんだけど」

「ソレは俺だな。待たせてすまないな」


 王太子自ら、今回の件を説明するってことは相当なことだね。こういう王族は使用人とかに任せて後は放置が多いと思っていたけど、この国は違うのかも。ただこの男のせいで私の大事なデオルが傷つくのは許せない。


「最初に言っておくが俺は貴様とデオルの結婚に賛成派だぞ」

「へぇ~それは意外だね。殿下は反対するとお__「黙って」_はい」

「あと、コレは貢ぎ物だな。貴様であれば、喉から手が出る程ほしいであろう」


 王太子が私に差し出してきたのは一枚の絵? だった。デオルの裸姿が凄く細かく描かれている。私が欲していたのはこうゆう物だ。色々と大きくなっているんだなぁ。デオルもやはり成長していると分かる姿を描いたモノだ。


 ただ場所は風呂場なのだろうかと疑問ではあるがソレが気にならないくらいには正確だ。デオルのホクロの位置まで正確だぁ。だが……一つだけ不満があるとすれば、どうしてアソコが描かれていないのだ。コレをもらって時に少しドキドキして見えないようにしたのに。


「プライバシーがあるのでな大事なモノは編集させてもらった」

「ぷら? なに?」

「そんなことはどうでもいい。俺側に付いてくれるのであれば」

「もしかして、なしのをくれるのか?」

「あぁ、写真とついでにこの汗の染み着いた服一式をくれてやる。真空パックで保管済みだ」


 先ほどから何を言っているのかが分からないけど、私とデオルの結婚を認めてくれる人間を味方につけれるのは大きいけど、何が条件かによるかぁ。辺境伯に婚約を取り付けさせたが信用できないな。今回の件もアイツが仕組んでいる可能性もある。


 あぁぁぁっぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁぁぁぁぁほしいぃぃ。私にこんな拷問じみたことしてただでは済まさないぞ。すぐ近くにあの時と同じ全裸のデオルがいるのに何故、私は悩んでいるのだ? どれくらい成長したか確認するくらいであれば、見ても罪悪感はない。


「・・・模擬だがローレン団長にも勝っているからこっち側に引き込めるぞ?」

「王太子側に着く」

「そうか。ほら約束の品だ」

「ただ条件を出す」

「なんだ?」


 私は王太子にあの目障りな男をどうにかするように言った。王太子は「兄上か。色々と厄介なのだがな」と苦い顔をしながら言った。やっぱりあの魅了スキルが強すぎるってのが問題なのかもしれない。私は耐性スキルがあるから問題ない。


 デオルと一緒に暮らしていた時にレベルはMaxに待っているから問題ない。私はポイントを魅了耐性に振っていなかった筈なのにどうしてなのだろうか? もしかしてデオルが魅了を垂れ流しているせいはないな。


 デオルは純粋な人間だし、そもそも垂れ流しているということは魔力を常に消費していることになるから、いくら何でも私は気が付くはずだ。デオルの体調自体にも変化はなかったからありえない。特異体質でなければな。それでも魔力は消費する。


「厄介な理由はいまだに兄上を王として君臨させようとする派閥がいるからだ」

「よし、滅ぼしてくる。だから名簿」

「待て待て。その中に辺境伯もいるんだ」

「デオルの父親も?」

「あぁ。アグール領に俺の使える影を向かわせている」


 情報を集めるから待てねぇ。言われなくてもその続きくらいはわかる。私はデオルと結ばれる為ならアグール領を滅ぼすことくらいは簡単に出来る。そもそも私の目から見てあそこの領民は何か変ではあったから調査した方がいい。


 何も出てこないのであればいいけど、出てきた場合はさっさと当主の座から降りてもらわないといけない。そしてデオルを当主の座に座らせてその隣を私が座るのもアリかもしれない。デオルを支えながら子育てをするのもいいぃ。


「本題に入るぞ」

「まだ本題ではなかった」

「デオルを英雄にする」

「私のデオルを?」

「民を納得させるために無理やりさせる」


 そうか。王太子はちゃんと民のことを考えられるのか。それなら安心できると勝手に思っておこうかなぁ。デオルは好きなのだろうか? こうゆう人のことを好いて友として隣になっているのだろうか? 文句をいいながらしそうだ。


「英雄になるためには功績がいる」

「ソレが難しい」

「今日の校外訓練で、スタンピードが起きる」

「・・・未來視スキルね」

「あぁ、それでデオルに止めてもらう」


 確かにそれは一番、手っ取り早いだろうけど、何かと言って失敗しそうだ。私は一緒に暮らしていたことはあるか分かるが……彼は全力で戦えない。もし全力でと思ってもダメだ。彼に合う武器がない全力を出し切ったと思って倒れこんだりはするが変にブレーキをかけているから。


 本人は何も気が付いてない状態だし何も言わなくてもいい。私が言いたいのはスタンピードででデオルが功績を上がるのは無理ってこと。スタンピードは規模が1回ずつ変わるから対策の取りようがないから避難させないと。

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