36話 あたしにまかせてください
俺は華が告げた別れの言葉に納得できず、何度もメッセージを送り続けた。
日付が変わり、それでも送り続けるも華からは返信はない。
結論から言うと、LINEをブロックされていた。
既読が一向につかない、通話をしても出る気配がないことから連絡先をブロックされたとわかった。
それでも納得できない俺は、華の家や学校に向かおうと思ったが、それはストーカー一歩手前だと気付き思い止まる。
八方塞がりにどうしたらいいものかと悩み、ある人を頼ることにした。
『それであたしに連絡してきた、と』
華に一方的に破局を宣告され、困った俺は唯夏ちゃんを頼ることに。
通話越しに聞こえてくる声は、どこか呆れたような雰囲気が漂っている。
『せんぱーい。ふつう、振った相手を頼りますか?』
「ごめん……、俺だけだとどうしたらいいかわからなくて……」
『ああ、もう。そんな泣きそうな声しないでください!』
俺だって都合の良いことをしてるとは思っているけど、華がなにを考えているかわからないし、どう行動すればいいかわからないし……。
わざとらしく嘆息する声が通話越しに聞こえてくる。
『こんなふうに都合良く扱われるなら、まだセフレのほうがよかった……』
「今、なんて……?」
『なんでもありませーん』
いや、けど……セフレって……。
もしかして唯夏ちゃんは……エッチなことに興味がある年頃……?
まあそういったこと関心が持たれる年なんだろう、深くは考えないでおこう。
『それにしてもおかしいですね。華ちゃんのほうから別れを言うなんて』
「そう、なのかな? 華はなにを考えているか全然わからないから」
『先輩、本気で言ってます? 華ちゃんの考えなんて露骨じゃないですか』
「え、そうかな?」
『だめだこりゃ』
酷い言われようである。
『華ちゃんはバレバレの好意を先輩に向けてるじゃないですか。もう好きとかの次元じゃなくて愛してるって感じですよ』
それが本当なら嬉しいけど、なおさら華の考えがわからなくなる。
愛してるならどうして別れるって考えに至るのか。
『うーん、ほんとうにわからないですね。先輩からどんな嫌なことをされても、華ちゃんは許しそうだし』
「華が嫌がるようなことしないよ」
『例えばですよ。もっというと先輩に暴力を振るわれたとしても、華ちゃんはそれでも気持ちは変わらなさそう』
「そんなことしてないから!?」
『だから例えばですって』
例えでも嫌なんだけど……。
『よし、先輩の為にあたしが人肌脱いであげますよ!』
「え、本当に!?」
『はい。あたしもなんで華ちゃんがそんなふうになったのか気になりますから』
力強くそう言ってくれる唯夏ちゃんが頼もしく感じる。
『実に興味深い……。この、唯夏学に任せなさい』
めっちゃ低音のイケボで言われた。
これってガリレオだよな? 今時、このネタ分かる人いるのだろうか。
「ちなみに、どうするつもりなの?」
『華ちゃんの学校でのようすとか探ってみます。……実に面白い』
最後にまた低音のイケボで囁かれる。
この子、楽しんでない?
なんか不安になってきた……。




