第331話「ミノタウロスの脅威」
#第331話「ミノタウロスの脅威」
俺たちは田嶋さんから六階層のボス格ミノタウロスの脅威について話を聞いた。それによると三つの特徴があるらしい。
一つは突進力。これは動きが急に早くなり攻撃も強力になるらしいけど、その動きは直線的ということで対策はできそうな気がする。
しかし二つ目の咆哮はやっかいだ。まるでデバフ魔法のようなものだ。なんとエリナさんほどの人でも弱気になって戦闘から逃げ出したくなるらしい。
「まさかエリナさんでもそんな状況に?」と俺は思わず聞いてしまった。
メンタルが強そうなエリナさんでもやられてしまうとなると防ぎようがないのでは?
しかも普通の攻撃と違って目に見えないだけにやっかいだ。攻撃を避ける方法とかないのかな?
そう思っていたらエリナさんが続けた。
「だから、六階層以降はソロ厳禁って話になったのよ。戦うのが一人だけだと、そのまま恐慌状態、混乱しているうちにやられちゃうからね」
「それは確かにやっかいだな……」
「でもレンたちなら大丈夫よ。咆哮を受けたら100%萎縮するというわけでもないの。慣れない最初はおよそ三分の一ぐらいかな」
「だから、咆哮でクランの中の誰かが萎縮しても仲間が助けたらいいのよ。しばらく声をかけるだけで正常な思考に戻れることが多いからね。あれは夢を見ているようなものだから、誰かが引き戻してあげたら大丈夫」
なるほど咆哮で萎縮しても仲間の声で正常に戻れることも多いのか。ならば何とかなりそうな気もするな。
でも複数人が混乱しているとやっかいかもしれない。咆哮もかなり注意が必要だな……でもどうやって注意するんだ?そもそも避ける方法はないのか?
そう思って俺は質問した。
「咆哮は避ける方法はないのですか?」
「それがね、いろいろ研究はされているのだけど、まだよく分かってないんだ」と透子さんが言ってきた。
画面越しではその脅威は分かりづらいらしい。そして研究しようにも透子さんが六階層に行くのはまだ厳しいとのこと。六階層は護衛がいても弱い人間が行くのは厳しい階層とのことだ。
そう思っていたら今度はルナが話かけてきた。
「咆哮はやっかいだな。特にレンは要注意かもな」
「なんで俺が要注意なのさ?」
「思い込みが強いからね。一旦、萎縮したらそのままになりそうな気がするよ。多少のことでは元に戻ってこれないんじゃないかな?」
それはやばい。萎縮したままで敵モンスターから好きなように攻撃を受けるなんてサンドバック状態は想像したくもないよ。かなり心配だ。
「なら、みんな、俺が言葉でも戻らなかったらビンタしてでも戻してくれよ」
そう俺が言ったら使役モンスターたちが顔を見合わせた。
「それはちょっと……」
俺の使役モンスターはみんなやさしい。危険な状況でも俺にビンタとかできないようだ。
「大丈夫、ビンタなら私がやるよ、思いっきりね」とひより。
「私もだ、遠慮はしないからな」とルナ。
ええ……ちょっと怖い。やはり手加減はして欲しいかも。ひよりとルナからビンタされたら吹っ飛んで、モンスターの攻撃よりもダメージ大きそうだ。
……と思っていたら二人から睨まれたような気がした。危ない。邪念は退散だ。
ともかくこの咆哮は要チェックだな。今後も対策をいろいろと考えておこう。
そう思っていたら田嶋さんが話を続けた。
「そして最後のミノタウロスの三つ目の特徴なんだけど、これもまたやっかいなんだ。それは耐久性。ミノタウロスは一定のダメージが入ると、防御態勢に入ることが多いんだよね。そこから、うまく削れないと少しずつ回復するみたいなんだ。そして回復したら逆襲してくる」
「えっ、ミノタウロスは回復機能まであるの?」
「詳細は不明なんだけど、あくまでもおそらくね。だから火力が足りないクランとかは詰むんだよ。苦労して削ったと思ったら防御を固めて回復するんだ。こちらは攻撃で疲れ果てているのに逆襲が来たらたまったものではないよ」
「だから火力が足りないクランは六階層は無理。個人レベルでも火力が足りない人間はトドメを刺せないからレベルアップが困難な階層でもあるんだ。だからこそレベル7になれる人数は少ないんだよね」
それまたきついな。ミノタウロスは守りを固めて回復までするのか。まるでボクシングとかでガードを固めるようなものか?
これは簡単にはいかない。回復させないように一斉攻撃などで一気に削る練習も必要だな。
そうしないと何度攻撃しても回復する。そんなことを繰り返していたら絶対に勝てない。
「ならば火力強化の訓練も必要だな」とルナ。
「そうだな。何か良い訓練があれば考えて欲しい」と俺は頼んだ。
その後もしばらく話をしてパーティーはお開きになった。今日はパーティーでゆっくり休めたから、体力的にも精神的にも回復することができたと思う。
そして田嶋さんからいろいろな話を聞けて勉強になった。おそらくは黒澤さんもエリナさんも俺たちに比較的近い田嶋さんから伝えさせようと思ったのだろうね。
その心遣いにも感謝したいところだ。
それにしてもきついな。レベル5からレベル6に上げるのも大変だったけど、レベル6からレベル7は段違いに大変みたいだ。
でもこれはあくまでも通過点だと思いたい。六階層は大きな壁だけど、それを超えて更に先にも行きたい。
しばらくは研究と対策を考え、そして実戦、負けずに先に進んでいきたいと思う。
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