第281話「レベルアップと新たなFS遷移」
#第281話「レベルアップと新たなFS遷移」
とうとう、使役モンスター・ラムのレベル6へのレベルアップの日がやってきた。そして数日もすれば、今度はリンが続くことになる。
レベルアップすることを周りに伝えると、エリナさんと透子さんも同行することになった。
エリナさんは新しい変化の時には同行することが多いんだよね。今回は初の使役モンスターのレベル6だ。確認したいのだろうと思う。FS7への遷移の可能性もあるしね。
一方で透子さんは使役モンスターのレベルアップ時には必ず同行を希望する。
その目で全ての変化を見たいのだろうね。レベルアップ時にはダンジョン内でもはしゃぐので、ちょっと対応に困り面倒だなと感じることもあるが、仲間だしすでに一緒に住んでいるようなもの。できるだけ希望には答えてあげたいと思っている。
ということで、今回は俺・ひより・ルナの3人、そして使役モンスター5体の計8人とエリナさん、透子さんの合計10人で五階層へ。
今回はラムのレベルアップということで二手に分かれず8人(3人+5体)全員一緒での討伐だ。
俺たちの五階層での討伐を見たエリナさんは感心したように語り掛けてきた。
「さすがね。もう五階層は余裕みたいね。 しかも普段は二手に分かれてるんでしょ?」
「はい。最近は俺の方に4人で計5人、ルナの方に2人つけて計3人の2手に分かれるのが基本です」
「レベル5と6の混成で、五階層を3人とか5人で回すなんて普通はありえないわよ。8人でも少ないぐらいなのに、それでも余裕。本当にあなたたちは凄いわね」
エリナさんが呆れ半分に感心してくれている。エリナさんほどの人に褒めてもらえるのは嬉しいところだ。
俺たちにとってはもう“当たり前”になっているけれど、客観的に見ればかなり凄いことのようだな。
でもまだまだ先があるからね。これぐらいで満足していてはいけないと思う。
今日はやはり全員集合の8人(3人+5体)体制だから余裕だな――もちろん油断は禁物だが……。
そう思っていたところ、オークを倒した直後のラムがふっと動きを止めた。
「……ラム、レベルアップしたのか?」
俺が問いかけると、ラムは静かにうなずいた。
「はい。レンさん、今しがたレベル6になりました。ありがとうございます」
そう言ってラムが飛びついてきた。えっとどうしたらいいんだっけか?何度もこういう場面があったはずなのにいつも対応に困る。かわいい女の子に抱き着かれるのは嬉しいのだけど、今はどうすべきなのだろう?
そんなことを思っていたらみんなが「おめでとう!」と祝福しながら集まってきてラムに抱きついてきた。対応に困っていたから助かったかもしれない。
それにしても本当にいい仲間だね。先を越されたら多少は嫉妬とかありそうなものだけど、うちのメンバーは全くそのようなことがない。
そう思っていたら透子さんも飛んできた。
「レベルアップしたんだよね。なら、FSも遷移した? どうなの? 何かあった?」
「……はい、しました。大きな変化もあります」
その言葉にみんな驚いた。FS遷移する可能性はあるとは思っていた。でもそろそろ打ち止めではないかという気持ちもあったのだよね。
FS遷移による能力の変化は様々だ。
最初は飛躍的に知能が高くなり、更には念話、会話、そして人化に続いて前回はダンジョンの外に出れるというものだった。とんでもない変化の数々。
となると次の変化もすごいものなのだろう。更なる変化はどのようなものなのか?期待が高まる。
透子さんは我慢できないとばかりにラムに聞いてきた。
「なにそれ!? 何ができるようになったの!? 早く教えて! やっぱり凄いことと? ねぇねぇ」
「透子、落ち着きなさい」
そう言うと、エリナさんは透子さんをラムから引きはがした。首根っこを掴まれて悲しそうな顔をする透子さん、ドナドナ状態だ。ともかくありがたい。
さすがに俺では失礼すぎてそんな扱いはできないからね。
そしてラムはFS遷移について語り始めた。
「二つ、できることが増えました」
「まず一つ目。ダンジョン外でも、レンさんと念話が可能になりました」
「それは凄いね。ダンジョン外でも会話せずに意思の疎通ができるのは大きいよ。後でテストしようよ!」
ドナドナ状態になりながらも興奮を抑えられない透子さん。でも、まあ確かにそうだ。
なるべく早くにテストをする必要があるだろう。
ダンジョン外でも念話ができるならば、それはかなりありがたいことだ。モンスターがダンジョンから氾濫した時の戦闘時に、念話で意思の疎通ができれば格段に楽になる。
戦闘の連携をする自衛隊にも連絡した方がいいな。おそらく念話ができる場合の作戦も考えてくれることだろう。
どこまで届くのかは分からないけど無線なども不要になる。ダンジョン内では距離のことを考えたことが無かったけど外だとどのぐらいまで届くのか?いきなりやりたいことがでてきた。
しかしもう1つの変化もあるとの話だった。まずはそちらを聞くべきだろう。俺たちはラムのもう1つの話を聞くことに。そして更なる変化に驚愕することになった。
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