第282話「もう1つの大きな変化」
#第282話「もう1つの大きな変化」
ラムがレベル6にレベルアップした。更にFSが遷移した。今回のFS遷移では2つの変化があるとのことだった。
そのうちの1つはダンジョン外でも念話ができるということだった。これはありがたい。自衛隊と連携して戦う時に念話ができると作戦の幅が大きく広がると思う。
ダンジョンの外に出たらいろいろと実験してみたいところだ。
そして、ラムは透子さんに強く促され、もう一つの変化について話を始めた」
「FS遷移によるもう1つの変化はかなり大きな話です……マスター、そしてひよりさん、ルナさんの3人、すなわち“私と共に長い期間を戦ってきた人の力が、ダンジョン外でも一部開放されます。その割合は五分の一のようです」
「…………は?」
俺も、ひよりも、ルナもびっくりして固まった。
「つまり……俺たちが外でも“強くなる”ってことか?」
「はい。マスターたちはダンジョン外でも、ダンジョン内の五分の一の能力を保持できます」
五分の一。
俺とルナはレベル6だから、外でもレベル5相当以上と思われる。確かレベルが1上がるたびに10倍になっていくからな。
ひよりはレベル5だから、外ではレベル4相当以上と思われる。
――いや、待て。
それは普通にヤバいのでは?
透子さんが目を輝かせて叫んだ。
「外で試そう!! 今すぐ行こう!!」
「確かにそれはすぐに確認したいわね。ダンジョン内の力が外で解放できるならばとんでもないわよ」とエリナさんも同意した。
もちろん俺、ひより、ルナの今回該当する3人も同意。やはり、早く確認したいよね。
というわけで、全員がダンジョンを出て外へでることにした。
外に出た瞬間、分かった。
「……うわ、全然違う」
最初に感じたのはそこで見えるものの全て。
遠くの景色が異様なほど鮮明に見える。おそらく視力が格段によくなった。これがダンジョン内での五分の一の力を保持した状態の外での見え方か。
その後は車が走っているのを見たが、以前より確実にはっきり見える。相当なスピードで走っているはずなのに車内の人間の表情まで鮮明に読める。視力だけでなく動体視力が上がっているようだ。
以前、ロアがライフルの弾丸を掴んだのを見てびっくりしたが、今の俺の動体視力ならばできるかもしれない……掴むのは無理かもしれないが、少なくとも目で追うことは可能だろう。
「これ、完全にやばいわね……」
ひよりも戸惑っていた。ルナも同じく困惑しているように見える。
透子さんが興味深そうに聞いてきた。
「全然違うって、どんな感じなんだい? 特に何もしていないように見えるのだけど?」
「まず、遠くが鮮明に見えます。そして動体視力もかなり上がっています。ダンジョン内の全能感がダンジョン外でもあるような感覚ですね。今ならロアのように弾丸でも掴めるかもしれません。それは無理でも、少なくとも目で追うことはできると思います」
「なるほど、視力のアップか。それは凄い!」と透子さんは大喜び。
「とんでもないわね。あなたたち3人も使役モンスターと同じように、氾濫したモンスターと同等以上に戦えそうね」とエリナさん。
確かにそうだ。俺たち3人も氾濫したモンスターと戦うことも可能かもしれない。そうなると更に作戦の幅が広がるな。
まずは俺たちの護衛が必要なくなる。しかも戦力も増える。
「ならば次に身体能力もテストしてよ!」という透子さん。
そこで次に軽く動いてみた。
さすがにダンジョン内での全能感まではいかないが、それに近いものがある。かなり早く動ける。
今ならどのようなスポーツでも世界記録が出せそうな気がする。完全に人間離れしたスピードだ。こんなところを誰かに見られたらまずい。
それはひよりもルナも感じたようだ。
「凄い凄い! 人の動きじゃないよ!」と透子さんは大喜び。
ルナもやや感動しているように見える。
「かなり早く動けるな。今なら使役モンスター達とダンジョン外で模擬戦しても何とかなるかも」
さすがルナは戦闘狂だ。すでに使役モンスターとの模擬戦を考えている。確かに今の俺たちならば使役モンスターたちとダンジョン外で模擬戦をしても互角に戦えそうだ。
ただし同じレベル6のラムは無理だろうな。その五分の一の能力となるとさすがに分が悪いだろう。
そして最後に力のチェックだ。視力、スピードは間違いなく上がっているが力はどうだろう?
そう思って、試しに足元の石を軽くつまんでみた。
――ばきっ。すぐに粉々になった。
「冗談だろ……?」
冗談じゃあないよ……本当に怪力人間になっちまったよ。もう俺は普通の人間ではないかもしれない。
「おお、凄い。使役モンスターと同じじゃん。人外の怪力」と透子さん。
「間違いなくダンジョン外でも戦える戦力になってしまったわね」とエリナさんも驚いている。
やばい、とんでもない力の開放になってしまった。
これは使役モンスターが最初に外へ出たときと同じだ。普通の人間とは全く異なる怪力状態。下手をすれば手に持つ全てのものを破壊しかねない。非常に危険な状況である。
このまま普通の生活をしたらとんでもないことになるだろう。
急いでマンションの使役モンスター部屋に戻り、俺たち3人は力の調整訓練を開始した。
使役モンスター達が力の調整に使っていたハンドグリップは軽々と振り切れた。ほとんど力をかけていないのにも関わらずだ。
きついぞこれは。力の調整が思ったよりも難しい。
「これは……調整に時間がかかりそうだ」
「う、うん……これは怖い……」とひよりも頷く
「これは慎重にやらないとな」とルナ。
その後、数時間かけて何とか“日常生活レベルの力加減”を掴んできたが、まだ油断すればすぐ破壊してしまいそうだ。
「……とんでもないことになったな」
使役モンスターと同じようにレベル3くらいのモンスターなら、余裕で瞬殺、蹂躙できると思う。
そこで俺はエリナさんと透子さんに確認した。
「これは朝倉さんに伝えた方がいいですよね」
「そうね。間違いなく伝えた方がいいわね」とエリナさん。
まあそれはそうだろうな。報告しないわけにはいかない。
俺は朝倉さんに確認し、その翌日に緊急報告をすることになった。
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