第47話 処刑失敗
今回は長くも短くも無いです。
少女はにやりと笑って、高笑いした。ギロチン
に仕掛けたものは単純、少しずらして落ちないよ
うにしただけだ。それでも、落ちるはずのギロチ
ンが落ちないことによる警備員達の動揺は大き
い。少女の高笑いも相まって、不気味な様相を呈
していた。まるで少女が魔法でも使ったかのよう
に見えた者もいたかもしれない。そのくらい、少
女の笑いには畏怖を感じない訳には行かなかっ
た。
少女は自分の仕掛けが上手くいって満足してい
た。あわてふためく警備員達を見ていると、自然
と笑ってしまう。もし、仮にこの仕掛けが動かな
かったら、少女は諦めてそのまま処刑されること
を覚悟していた。だが、仕掛けは上手くいき、今
や再びギロチンを落とそうとする者はいない。遠
くから仕掛けを動かしてギロチンを落とす原始的
な手法が用いられていたからこそ、上手くいった
のかもしれない。どちらにせよ、ギロチンに近付
かなければ原因は分からないが、少女がいるとこ
ろへ近付くのは、とても勇気が必要なことになっ
ていた。皆が少女に恐怖し、それが愉快な少女は
笑い、恐怖は増していく。警備員達にとっては嫌
な悪循環に陥っていた。
それでも、勇気を奮い立たせ、ひとまず少女の
身柄だけでも確保しようと近付いたひとりの警備
員がいた。気味が悪いことこの上無いが、それを
するのが警備員の仕事だと彼は考えていた。顔を
しかめながら少女に近付くと、急に少女の上に覆
い被さるようにして横たえさせられた。意味が分
からないまま抵抗していると、少女がギロチンを
上に固定しておくための台の脚を蹴った。する
と、上手い具合にずれた部分が元に戻って、ギロ
チンが落ちてきた。勿論、警備員の上に。
ギロチンは、警備員の頭を体からある程度切り
離したところで止まった。少女は無傷だが、ギロ
チンに切断された警備員は既に亡き者となってい
るだろう。下手すると、ギロチンが落ちてこなか
ったかもしれないし、落ちてきたとしても少女が
無傷であったという確証は無かった。しかし、処
刑される予定だった少女としては、どうせ処刑さ
れるくらいなら自らの策に失敗して命を落とした
いと思っていたため、この狂った策の実行に悩む
ことは無かった。
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