悪魔の戯言
暗い闇の中。
陽の光が全くない中、一人のクックックという笑い声が聞こえた。
「おっと、これはこれは傍観者の皆さん。こんにちは、っと言ってもここがこんな真っ暗では昼なのかと怪しむところですね、これは失礼」
パチンと指がなると何本かのロウソクが火を灯して現れた。
「私は太陽の光があまり好きではありませんのでね。このようなもので我慢していただきたい」
ロウソクはユラユラと揺れて話している人物の顔を照らした。
そこにはシルクハットを被った一人の男がいた。
男は木の椅子に座っていた。
「改めまして、こんにちは傍観者のみなさん」
男はニヤリとして自分の真っ黒な歯を見せた。
「私は名前はシルフィ・ダットサン。・・・え、とてもじゃないが人間に見えない?手厳しいですねぇ、これでも頑張って化けているんですよ。・・・わかりましたよ、そう怒りなさんな」
男はもう一度パチンと指を鳴らして明かりを消した。
再び闇が出来て声が響くように聞こえた。
私は多くの名前をもっていますよ。
これまで幾度となくこの世界へ降りてきましたからね。
あるものは私に知識を求めたり、不死身の兵隊、永遠の肉体を求めたりしてきました。
呆れるほどですね、人間というものは。
自分の私利私欲しかかんがえていない。
全く、大昔のあなたがたのご先祖は違いましたよ。
あなたがたのご先祖は自らではなく、世界を変えたというのに。
私が今一緒にいるセドリックという男は珍しく世界を変えようとしましてね。
理由が大変面白いのですが・・・ここではまだ喋らないでおきましょう、今話してはもったいないですね。
ですがまぁ、向こうの世界で名乗っている名はただ1つ。
私の名はザガン。
地獄では33の軍団を率いる総裁でもあります。
私はどんな愚か者にも知識を授けることはできますよ。
かつては一人の生真面目な、世界もろくに知らない学者に我々の世界の一部を見せてやりましたよ。
そして少し知識を与えると、まぁ勝手な行動ばかりして、私の忠告も聞かずに子供のように暴れましたねぇ。
結局最後は野垂れ死んだ最後でしたけどね。
さて、セドリックの最後はどうなるでしょうねぇ。
興味が湧きますが、まずはそれよりもこれから出会う相手ですかねぇ。
CERNの創設者であり、おそらく人間の中で最年長の男ファウスト。
我々別世界のものを呼んだ人間たちはこれまで幾人もいましたが、あの男より長生きしたものはいないでしょう。
私たちは人間を不老不死にするのにはそんなに苦労はしませんよ。
元々不完全であった肉体を我々と同じく完全に近いものにさせるだけですからねぇ。
近いものですから死なない身体というと語弊が生じますね、死ぬ方法はいくつかあるんですよ。
おっと、もうこんな時間ですか。
失礼、約束がありますものでこれにて失礼しますよ。
今日、この日を境に何人かの人間の運命が大きく変わるでしょう。
どう変わるかは私にもわかりません。
果たして何人が笑い、何人が泣くでしょう。
役者は徐々に集まってきましたねぇ。
では、私もその中に加わるとしますかね。
それでは、ごきげんよう。




