ルーアンの夢の中にて
ここはどこ?
真っ暗なとこに私はいる。
自分の手も足も何も見えない。
寒くもないし暑くもない、ひょっとして何も感じない?
試しに自分の腕を抓ってみよう
あれ、私の腕はどこ?
触ってる感覚がしない
怖い、怖いよ
お母さん・・・お姉ちゃん・・・
あれ、なんか見えてきた
これは・・・家?
あ、私の住んでた家だ
お父さんとお母さんと住んでた家だ!
お父さんとお母さんがいる!
「ルーアン?どうしたんだい、うたた寝でもしていたのかい?」
ルーアンが目を覚ますとそこはかつて自分が両親と共に暮らしていた家だった。
机に突っ伏して寝ていたルーアンは周りを見回して尋ねた
「なんでお父さんがいるの?お母さんも?・・・お姉ちゃんは?」
「何を寝ぼけてるのルーアン?お姉ちゃんってどこのお姉ちゃんよ」
ルーアンは自分の周りをもう一度見回した。
ルーアンと両親は一つの長方形の机を囲んでいた。
ルーアンの左に父親、正面には母親がいた。
選択物を畳んでいた母親はルーアンの顔をましまじと見た。
「大丈夫?まだ寝ぼけてるの?」
ルーアンは信じられないという顔をして周りを見渡した。
すると父親が読んでいた本を閉じて
「そういえばそろそろお昼ご飯だな。今日はなんだい?」
「そうね、今日は・・・」
ルーアンはそんな両親のやり取りを見ていて考えに耽っていた。
お父さんとお母さんがいる。
何にも無かったみたいに話してる。
私は今まで夢を見ていたの?
お姉ちゃん・・・、お姉ちゃん?
私にお姉ちゃん・・・?
いないはず・・・、さっきまで名前を言えたと思ったのに・・・お姉ちゃんって誰?
何か違和感が感じるけど・・・それでも今はお父さんが、お母さんがいる!
なんでかはわからないけど、凄く嬉しい!
なんでだろう、毎日会ってたはずなのに。
するとルーアンは静かに涙を流し始めた。
「ルーアン?どうしたんだい?どこか痛いのかい?」
母親はビックリしてルーアンに駆け寄った。
ルーアンには姉がいようがいまいが最早どうでも良かった。
ただ両親がいるという事実が何故かとても幸せだと、長年待ち望んでいたことだと感じた。
しばらく涙を流していたルーアンは我慢できずに母親の胸に飛び込み大声で泣いた。




