↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Brumaire  作者: R・グレイ
運命の別れ道
PR
32/45

市場にて

ラヴェンナの市場。

港で捕れた魚を始め、街で作られたパンやビール、多少なりとナイフや剣といった武器が置かれた屋台が市場の道の両側に所狭しと並んでいる。

街の人達は屋台に挟まれた道を歩きながら雑談や荷物を抱えたりして歩いている。

そんな中に息を切らせながら人々の中をかき分けて進むアンの姿があった。

(ルーアン、黙って行っちゃってゴメンね)

彼女はたった1人の家族であるルーアンを置いてきたことをずっと後悔していた。

(きっとフーシェとシラーがすぐに来てくれるわよね・・・)

そう自分に言い聞かせて彼女は進んだ。

少し前の彼女はルーアンが港で魚を貰ってきてる間に朝食を作って食卓に並べていた。

そんな中、急に唸り声のような音を聞いた瞬間に彼女はそれがこの街の音では無いと気づきすぐに外に出た。

外に出て再びその音を聞くと、それがかつて自分も乗っていた自動車と呼ばれるものだと気づいた。

(ルーアン・・・、ファウスト先生・・・)

アンはそう思いながら左手の人差し指にはめた指輪を撫でて人々の間をかき分けながら進んだ。




・・・20分後

市場を抜けて図書館への道は森の中へと続く。

アンは息を整えて森の中へ入った。

森は鬱蒼と生い茂っており、動物は一匹も見えなかった。


この森にはまだ名前が無い。

昔、ファウストが疫病からこの街を救っていた頃はこんな森は無かった。

しかし、街の人々が彼を恐れ、段々図書館に寄り付かなくなると道にはいつの間にか森が出来ていた。

人々はいつの間にか森が出来ていたことに驚き、気味が悪い森だと言って近づかなかった。

最初の頃は怖いもの知らずの狩人が何人も森に入ったが、彼らは首を傾げるように帰ってきた。

森の中はただ木や草があるだけで鳥や獣、虫まで一匹も見なかったらしい。

そんな話が人々に回ると皆は余計この森に近づくことは無くなった。


アンが地面を見ると、そこには既に車輪の様な跡がついていた。

(もうのんびりしてられない)

アンは周りに人がいないことを確認して、指輪を右手で覆って呟いた。

「ネレイス、力を貸して」

そういうとアンの足元の地面から水が溢れ出して彼女を覆った。

水に覆われたアンは目を閉じて呟いた。

言葉はゴボゴボッという音と空気だったが、次の瞬間、パァンと水は弾け飛んだ。

そして、弾け飛んだ水が飛び散っただけでアンの姿はどこにも無かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。