大型船スカイライン 船室にて
大型船スカイライン号、その船室で2人の男女が会話をしていた。
「ねぇ、兄さん?」
「ん?なんだいグロリア?」
「・・・ネコとは仲直りできたみたいね」
「そうなんだよ!全くこんな可愛い子を驚かしちゃうなんてもう僕としてはダメだね!カラスの餌になっても償いきれないよ」
「そう・・・良かったわね」
「グロリアさっきからどうしたんだい?元気がないよ?ほらほら〜、マタタビだよ〜」
その言葉にグロリアの堪忍袋の緒が切れた。
「そりゃ元気無いわよ!一体何なの?帰って来たと思ったらこんなにもネコを連れてきて!驚かせたネコの何倍連れてきたのよ!」
そう言うとグロリアの頭の上にネコが一匹飛び乗った。
船室にはセドリックとグロリア、そして何十匹ものネコがいた。
「だってグロリア、港町の夜は寒いんだよ。そんな中にこの子達を残していくなんて僕にはできないよ」
そう言うセドリックの足元と膝の上にはネコが山ほどいた。
「だからってこんなにもネコを連れて来て、せめて綺麗に洗ってから入れてきてちょうだい」
「そうだね!じゃあみんな大自然と一つになるために海に飛び込もう!」
「え?今から行くつもり?」
グロリアはセドリックのまさかの反応に驚いた。
「もちろん、異国ではこれを善は急げって言うんだよ。さぁ行こうよ」
そう言ってセドリックはグロリアの手をとった。
「え、なんで私まで行くのよ!?こんな寒い時期に海に入るなんて嫌よ!」
グロリアは驚いてセドリックの手を弾いた。
「グロリアだって自然と一緒にならなきゃ」
セドリックはそれでも笑顔でグロリアに語りかけた。
グロリアは冷や汗をかきながら
「い、いいわよ私は・・・。えっと、そう!私は海より空気って自然の方が好きだから」
(兄さんがこうなっちゃったらなんか適当に言って誤魔化さないとホントに私まで海に投げられちゃうわ)
しかしグロリアの思いは叶わず
「何を言ってるんだいグロリア、空気なんて人間なら誰でも一緒にいるんだよ。僕らはそれよりも一歩、いやそれ以上の自然と共に生きないと行けないんだから」
セドリックはグロリアの白衣を掴んで引っ張った。
「さぁ、は〜や〜く〜い〜こ〜」
グロリアは机の脚を掴んで
「い〜や〜よ〜。兄さんだけ行けばいいじゃないの〜」
一応科学者である2人が普段見せないであろう一面を見せている時、不意に扉を叩く音がした。
コンコンという音にグロリアはビックリしたが、セドリックは平然と
「はいは〜い。なんだい?」
と応えた。
扉からはこの船の船員の声がした。
「セドリック教授、こんな夜分に申し訳ありません。街の子供が教授に会いたいと言ってるんですけど」
「あ〜、うん、いいよ。入れてあげて」
グロリアは驚いた顔でセドリックに尋ねた。
「どうしたのよ兄さん。人間の友達でも作ったの?」
「うん、多分港で知り合った子かな?」
2人がそんな会話をしていると扉が開いた。
「やぁ、君は確か・・・」
入った人物は一度頭を下げてから入ってきた。
「シラーです。セドリックさん、ちょっと話たいことがあるんですけれど」
セドリックはシラーの手を掴んで椅子まで連れてきた。
「いいとも。どんな話かなシラー?」
セドリックが連れてきたネコ達は一気に部屋の隅に集まってシラーを見つめていた。
シラーは勢いよく頭を下げて
「お願いです!僕をエクステリアまで連れていって下さい!」




