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Brumaire  作者: R・グレイ
幕開け
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20/45

アンとルーアンの家にて

暖炉で薪が爆ぜる中、アンは一人膝の上に本を置きながら椅子に座っていた。

はぁ、遅いわねルーアンは。

芝居ももうとっくに終わったはずなのに。

またフーシェたちとどっかに探検に行ったのかしら。

前は古びた遺跡の方に行ったらしいけど・・・

そんな事を考えていると不意に家の扉が開いた。

「ただいま~。おねえちゃん遅くなってごめんなさい」

ルーアンが勢いよく家に入ってきた。

アンは膝に置いた本を閉じてルーアンの方を向いた。

「お帰りなさい、ルーアン。もう、こんな時間までどこに行ってたのよ」

ルーアンは椅子に座り、机に顎をつけてアンを見上げた。

アンはルーアンから漂う匂いに顔をしかめた。

「ちょっとルーアン、お酒臭いわよ。どこに行ってたの?」

「え、ホントに?」

ルーアンは自分の匂いを嗅いだ。

「ちょっと酒場に行ったからかな?」

その言葉にアンは驚いた。

「酒場なんて何しに行ったのよ?あんたたちにはまだ10年は早いわよ!」

「違うわよ、お姉ちゃん。倒れてた人がいたから助けてあげたの」

アンは呆れながら

「なんで酒場に連れてったのよ、介抱するならうちに連れてきて良かったのに」

「だってお腹空いたって言ってたし、すぐ近くに酒場があったんだもん」

アンはルーアンの新しい服を持ってきて

「とにかく着替えちゃいなさい。あんなとこでご飯食べてきてないでしょうね?」

ルーアンは服を受け取りながら

「大丈夫よ。ベルリネッタさんが1人で酒場の料理全部食べちゃったもの」




ルーアンが着替えて戻ってくるとテーブルにはアンの作った料理が並んでいた。

「わぁ〜、美味しそう」

ルーアンがおかずを一つつまんだ

「こーらっ、つまみ食いしないの。行儀悪いわよ。スプーン持ってくるから待ってて」

「は〜い」

そう言ってルーアンは足をバタバタ振りながら待っていた。

ふと、アンがいつも座ってる席に本が置いてあるのを見つけた。

「あ、お姉ちゃんこの本読ませて〜」

ルーアンが椅子から離れて本を読もうと手を伸ばすと

「ダメよ、まだ完成してないんだから」

とルーアンが本を取ろうとしたがアンが先に本を取った。

「ちぇ〜、お姉ちゃんのケチんぼ〜」

ルーアンは頬を膨らませた。

「あとどれくらいで終わるの?」



かつてアンがルーアンと会った後、2人はすぐに一緒に暮らし始めた。

アンが図書館で教師として働いて始めて給料を貰った時、彼女はルーアンに何が欲しい?と聞いた。

ルーアンは本が欲しい!と目を輝かせながら言った。

しかし、2人 は書店に向かったが、どうにもルーアンの好みの本は見つからなかった。

だんだん元気が無くなっていくルーアンにアンは中身が白紙の本を取って言った。

「じゃあルーアン、私がこの本に物語を書いてあげるわ」

それからはアンが白紙の本を買ってきては自分で書いてルーアンが読むというようになった。

アンが書く物語は空想の話が多く、ルーアンもそんなアンの物語が大好きであった。



「さぁ、食べるわよ〜」

アンがスプーンと器を持って来た。

ルーアンも席についた。

「は〜い」

「いただきま〜す」

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