帰り道にて
「いや~、ここは素晴らしい店でしたね。どこかの大型船の高級食材なんて足元にも及ばない」
「なんか凄いのと比較してないこの人?」
暗くなった街の道を歩く四人の集団。
フーシェ、シラー、ルーアンそして知り合って間もないベルリネッタは帰り道を歩いていた。
「ところで、ベルリネッタさんはいつここに来たんですか?」
まだ少し緊張しながら話しかけるルーアン。
「ここには今日来ましたよ。ところでこの街の名前は?」
「えっ、なんにも知らないで来たの?それにどうやって?」
フーシェが不思議そうに聞いてきた。
すると一気に人格が変わったかのようになったベルリネッタ。
「やかましい、男なら女性には敬語で話せ!」
「えぇ!なんで僕らにはそんなに手厳しいの・・・ですか?」
殺意むき出しの目で睨まれたので敬語に直したフーシェ。
「フーシェの言うとりだけどホントにどうやって来たんですか?港は大きな船がいっぱいで入れなかったでしょう?」
ルーアンが話しかけるとすぐさま笑顔に戻る。
「なに、単純なことですよ。そのデカイ船に密航してきたんですから」
「え、そうなんですか(そうなの)?」
思わずルーアンとフーシェの声が重なった。
「いや~、その話は長くなるんでまた今度にしましょう」
そう言うとあたりを見回したベルリネッタ。
「ところで、この辺に宿屋はないんでしょうか?」
「港に行けばあると思いますけど、ベルリネッタさんもうお金無いでしょ?」
先ほどの酒場で腕輪を手放してしまった彼女は本当に無一文になってしまった。
「!、こ、この辺に教会とかは?」
「ありますけど、神父さんになんて言うんですか?神父さんに嘘はついちゃいけませんよ」
「うっ!」
純粋なルーアンの言葉に言葉も出なくなってしまったベルリネッタ。
後ろではフーシェがニヤニヤしていた。
「と、泊めてくれませんか?」
震え声でルーアンに訪ねた。
ルーアンは本当に申し訳なさそうに
「ごめんなさい、ベルリネッタさん。うちはお姉ちゃんと暮らしてて、ベッドも2つもないし・・・」
ルーアンがあまりにも申し訳なさそうな顔をするので何も言えなかったベルリネッタ。
(なんて純粋な少女なんだ)
しかし相変わらず宿が決まらないので再び悩み始めた。
(う~ん、だけど今日はどこで寝ようか・・・
いっそのことまたどっかに行き倒れろよ。今度は富豪が拾ってくれるかもしれないぞ
バカなの!?こんな夜中に出てくるのは酔っ払いかチンピラが関の山でしょ!
じゃあどうすんだよ?
う~ん・・・)
自分の中で長考中のベルリネッタ。
不意にフーシェがベルリネッタに言った。
「じゃあ、僕たちのところはどう?」
相変わらず考え中のベルリネッタ。
(う~~~~ん・・・、
ぉぃ、おいベルリネッタ、なんかガキが言ってるぞ
・・・え!)
「ん?悪いな聞いてなかった。なんだって?」
「だから、僕たちのところはどう?」
「・・・はぁ? お前らと同じ屋根の下で寝ろってのか!? お前何を言ってるかわかってんのか?」
ベルリネッタは憤怒の形相でフーシェを睨んだ。
だがルーアンはとたんに顔を明るくした。
「そうよ! フーシェたちのところなら大丈夫ね」
「え? えぇ!?」
まさかのルーアンの言葉に戸惑った。
「あ、大丈夫ですよベルリネッタさん。フーシェたちはこの街の図書館で寝泊りしてるんですよ。部屋はファウスト先生に言えばなんとかなりますよ」
(図書館か~、正直あんまり行きたくないな。
お前はいびきがやかましいから似合わないな
やかましいっ)
「あ~、だけど私は図書館なんてのはちょっと・・。それにその先生にも嘘はついちゃいけないでしょう」
「それなら大丈夫だよ。先生は逃亡中の極悪人だって泊めてあげたんだから、密航者なんて言われても驚かないよ」
「お、おぉ、それは頼もしい先生だろうな」
ルーアンが嬉しそうに、
「じゃあこれで決まりね!良かった~。あ、私はこっちだからまた明日ね~」
「うん、ルーアンじゃぁね~」
フーシェは笑顔でルーアンを見送った。
「あ、あぁ、夜道にはお気を付けて~」
(しょうがない、ここは意を決して図書館に泊まるか。
お、決心がついたのか、珍しい
やかましぃ、あんな純粋な笑顔を見せられて断れるわけないでしょ
まぁ、確かにな)
「さて、じゃあその図書館に行こうか。案内しろガキ」
「僕にはフーシェって名前があるんだけどな。シラーもなんか言ってよ!・・・あれ?」
「ん?どうした?」
フーシェは後ろを向いたまま動かなかった。
「シラーがいないや・・・」
今回は()がありますがこれはベルリネッタの頭の中での会話です
わかりづらかったらスイマセン><




