図書館 館長室にて
館長室の自分の椅子に座っているファウスト。
彼は一人の女性に思いを馳せていた。
セレナ・・・あと少しだ・・・。
あと少しで君にあえて、謝ることができる。
自分の研究の犠牲になってしまった。
いや、正確には私が彼女を殺してしまった。
まだ若くて高慢だった私は見境もなく全てを壊そうとしていた。
君は私に間違えを気づかせるために自分の命をかけてくれた。
そうだ、私がCERNを立ち上げた最初の目的は「子供の夢を現実化させること」だった。
しかし私は研究に没頭するあまり「子供のための研究」などほっぽり投げて私利私欲に道がそれていた。
彼女はそんな私をいつも元の道に戻そうとしてくれた。
しかし私は自分の研究が結果的には子供たちのためになると信じてやまなかった。
私の研究が完成し、遂に実行する直前に彼女は自分の身を挺して私の実験を阻止した。
彼女が死んだとわかった時に私はなにも考えられなくなった。
いや、はじめからこうなることは予期していたかもしれない。
しかし、実際目の前で彼女の消えていく姿を見たときのことは忘れられない。
いつも傍にいて口うるさく私の研究を止めようとしていた彼女が消えた。
私は彼女を取り戻そうと躍起になった。
CERNからは永久追放を受けて、私は一人になった。
しかしそれでもセレナに再び会いたいこの思いが私を動かし続けた。
私は自分の知りうるすべての方法を使った。
しかしそれでも彼女は私の下には来ることはなかった。
当然といえば当然だ、彼女は死後の世界に行ったわけではない。
だから私は彼女を取り戻せると思っていた。
絶望した私の目の前に現れたのはCERNでかつて仲間だった人間だ。
最初は私を消すつもりでやってきたのかと思ったがそうではなかった。
奴は私に一冊の本を渡した。
夢物語かもしれないが、その本は神話の神々を召喚するためのものだ。
私は藁にもすがる思いでそれを受け取ったが、奴は最後に一言残していった。
「ファウスト、この方法が君にとって良いかはわからないがその本はおそらく君の望みを叶えてくれるものだろう」
奴はそう言い残して去って行った。




