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Brumaire  作者: R・グレイ
幕開け
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13/45

港の市場にて

「あ~、面白かったね~。まさかファウストは天使だったなんて。逆に悪魔が試されてたんだね。最後はハッピーエンドで良かったよ」

「え~、僕はあのまま悪魔に八つ裂きにされてもいいと思ったけどな~」

「何言ってるのよシラー。ハッピーエンドじゃない話なんて大嫌いよ」

暗くなった港の市場で、先ほど劇場船で見てきた劇の感想を言い合う三人、フーシェ、シラー、ルーアンだ。

「でもホントに悪魔が来たら面白そうよね。もし来たら二人は何を頼む?」

先頭を歩いていたルーアンは振り返って二人に聞いた。

フーシェは少し考えて

「どうしようかな~。僕はどんな頑固者でも笑わせる方法を聞こうかな」

ルーアンは笑いながら

「真面目に言ってるの? フーシェは変わってるわね。シラーは?」

シラーは真剣な表情で考えていた

「う~ん、わかんないや・・・。ルーアンは?」

「え、わたし? 私は、世界を見てみたいかな。それでパパやママに探したいわ。あ、おねえちゃんには内緒ね。別におねえちゃんが嫌いなワケじゃないんだけど・・・」

フーシェは笑いながらルーアンの頭を撫でた。

「ルーアンは優しいね。大丈夫、先生には言わないよ。ねぇ、シラー?」

「うん、もちろん僕も言わないよ」

ルーアンは二人に幸せそうに笑って

「二人共、ありがとう! 、っていつまで人の頭撫でてるのよフーシェ」

フーシェはルーアンの頭を撫でながら

「いつまでもいいでしょう? 嫌だったかな?」

「別に嫌じゃないけど、もう十分よ~」

走って逃げるルーアンに追いかけるフーシェ、そんな二人には目もくれないシラーが家の影になってる部分を指さし

て言った。

「ね~、アレなんだろう?」

シラーの声に気づいて駆け寄る二人。

「なになに?」

興味津津でシラーが指さしたものを見る二人。

最初は黒いぼろ布の塊かと思ったが、三人の足音に反応してゴソゴソと動き出した。

「キャッ、なんなの?」

慌てて二人の背後に隠れるルーアン。

フーシェがどこからかっ持ってきた木の枝で突っついてみると、それはぼろ布の塊ではなく一人の人間が丸まっていた姿だった。

「う、うぅ何をするんだ」

丸まっていた人間は立ち上がろうとしたが、よろめいて倒れてしまった。

「ちょっと、大丈夫ですか?」

二人を押しのけて心配するルーアン。

「あ、あぁ、すまないが一ついいか?」

ルーアンはそばに駆け寄り肩をかそうとしていた。

「行き倒れだ、拾ってくれないか」

空腹で腹の鳴る音と共に言った。


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