番外編 エチルエーテル市観光ガイド 後編I
◇エチルエーテル観光ガイド vol.34
発行:エーテル城観光管轄課
編集:アルル・パレイドリア
番外編 エチルエーテル市観光ガイド・後編そのI
〜食と工房、市街地めぐり〜
東西南北の門を巡ったなら、次に訪れて欲しいのは市街地の内側。
エチルエーテル市は、魔術国家エーテルの中心であると同時に、人々の暮らし、商い、食文化、技術、そして歴史が重なり合う都市でもあります。
ここでは、観光客にも親しまれている名所や、知っておくと旅がより深まる情報を紹介していきますよ。
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◇老舗魔術工房めぐり•アストラ工房
エチルエーテル市には、古くから多くの魔術工房が軒を連ねています。
魔術道具はもちろん、道具加工などに使う魔術鉱石、防御魔術や支援魔術に使う用の護符、薬草など、取り扱う品は工房ごとに大きく異なります。
中でも有名なのが、老舗魔術工房《アストラ工房》です。最も近いのは北門。
エーテル城から少し歩いた石畳の裏路地にひっそりと佇んでいます。
古くから騎士団や魔術師に道具を卸してきた工房であり、実用性と耐久性の高さに定評があります。観光客向けには、護符で作られた旅のお守り、エチルエーテル特有の小型魔術灯などが売られています。
カフカ
「アストラ工房だ〜!私もだけど、ベルンハルトとフォンスもここで昔何か買ったって言ってなかったっけ?」
フォンス
「おう、今オレが使ってる魔術道具はここで買ったぞ。」
ベルンハルト
「……だいぶ傷もついてるし、焦げついてるところもあるが、新品に買い替えないのか?」
フォンス
「変えられるわけねぇだろ!これはお前との思い出の品なんだぞ。
ていうかお前も変えてないじゃん。」
ベルンハルト
「……俺は手入れを毎日してるから、物持ちがいいんだ。」
カフカ
「あはは、本当に二人は仲良しなんだね。」
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◇龍種の肉が破格で食べられる酒場《銀龍亭》
エチルエーテル市で酒場を訪れるなら、《銀龍亭》は外せません。
中央市場から徒歩数分の場所にあり、龍種の肉料理とエーテルビールで知られる大衆酒場です。
騎士団関係者の利用も多く、民間、騎士団を問わず任務明けの隊員たちが食事に訪れる姿も珍しくありません。
近年は若い魔術師や観光客の間でも名が広がっており、常に活気に満ち溢れています。
看板料理は、白雪チーズの蜜焼きパン、季節の薬草を使った肉煮込み。
他にもエチルエーテル外の食文化を取り入れた様々な味付けが楽しめます。
賑やかな店であるため、静かに食事をしたい者よりもエチルエーテルらしい活気を味わいたい者に向いています。
〜編集後記〜
アルル・パレイドリア
「私はここでエーテルビールを飲みながら、ちまちま季節の龍種の肉を食べるのが大好きなんです。
……ただし、ミザンと来たらなんやかんやで酒に酔って奢らされたりするのでジョンやルースを連れてくることが多いですね。」
ミザン・ターナー
「え?……俺そんなことしたか?」
ジョン・エチルエーテル
「……たまに変な領収書が混ざってるのはお前らのせいか?」
ルース・シルヴェイン
「やばい!ジョンにバレたら叱られるよ!!……あれ、もうバレてたりする?」
ジョン・エチルエーテル
「もうバレている。」
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◇中央市場/食べ歩きのスポット紹介♬
南門から運び込まれた食材が集まる中央市場は、エチルエーテル市の食文化を知る上で欠かせない場所です!
早朝には農村部から届いた野菜や果実、薬草、乳製品が並び、昼前には食べ歩きの屋台も次々と店を開きます。
食べ歩きで特に人気なのは、雷龍種の肉を燻製にした【パチパチ雷串】です。
雷龍種は、細胞一つ一つに小さなエーテル回路を持っており、空気中のエーテルに触れると、表面にわずかな電気が走ります。
そのため、口に入れると舌先に軽い刺激が生まれます。
これをエーテルビールで流し込む……これほど幸せなことはありません。……おっと、私の個人的な感想になってしまいましたね。
味は濃く、香りも強いため、少量でも満足感がある、旅のお財布にも優しい屋台料理です!
特に有名なのは銀龍亭からレシピ提供を受けて経営されている【金龍亭】。
ここはパチパチ雷串以外にも安価で龍種の串が食べられます。
……ちなみに、【パチパチ雷串】は食べ過ぎると胃に負担がかかるので、一気に食べるのはやめましょうね。
カフカ
「うーんと、この休暇中にどの屋台に行くか悩んでるんだよね……。
オススメはある?」
ベルンハルト
「氷龍種のシチューだな。
夏場は冷製のクリームシチューが美味くて、ふらっと食べたくなる。
そろそろ季節的に売られ始めるんじゃないか?」
フォンス
「オレは揚げ蜜焼きパンが好きだぜ。
とにかく甘いし、一気にエネルギー補給ができる!」
クルト
「しっかり休暇を満喫しようとしていますね。」
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◇名物料理案内
エチルエーテル市の料理で最も有名なのは、龍種を用いた料理です。やはり、豊富なエーテルがこの柔らかな龍種達の身体を育てているだけあってどこの国の肉料理よりもジューシーで食べ応えがあると思います。
一方で、庶民向けの食堂では素朴なパン料理や煮込み料理も親しまれており、幅広い料理がこのエーテル国食文化として根付いています。
旅の途中で食事を選ぶ際は、中央市場周辺の食堂、酒場、露店を中心に歩来ましょう。
特に昼過ぎから夕方にかけては屋台の数が増え、観光客でも利用しやすくなります。
※ルシヴィア市場、ナールング市場以外の通りにある露店は祭りの時以外全て認可外のものです。
もし声を掛けられても、購入しないようにして下さい。
少しでも怪しいと感じた場合は、エーテル国立騎士団・守護部隊までご一報お願い致します。
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◇龍肉料理
前述の通り、エチルエーテル市の名物として最もよく知られているのが、龍種の肉料理です。
龍種の肉は種類によって味や性質が異なり、炎龍種は香ばしく濃厚、ほんの少し辛みがある。
雷龍種は刺激的な食感、氷龍種は中まで火を通すことが難しいため、生のまま冷製でいただくことが多いです。
ただし、龍種の肉は常に市場に出回るものではありません。特撰部隊が討伐任務から帰還し、持ち帰った素材が安全確認を終えた時に限り、市場に並びます。
特撰部隊の面々が、大量の肉を持ち帰る姿は壮観。運が良ければ観光中に見られるかもしれませんね!
◇エーテルビール
エーテルビールは、エチルエーテル市を代表するお酒です。エーテルに反応する麦を粉砕し、魔術発酵を加えたものであり、ほんの少しだけ淡く水色に発光しているものが多いです。泡は青白く、古くから神秘的な飲み物だと言い伝えられていました。
酒場では龍肉料理と合わせて出されることが多く、濃い味の料理と相性が抜群!ただし、飲み過ぎは翌日の魔術の精度に影響することがあります。
……飲み過ぎは控えましょう。
◇白雪チーズの蜜焼きパン
白雪チーズの蜜焼きパンは、若い魔術師や騎士団員の間でも人気の高い料理です。
白雪チーズは、一年中白銀の国である【ネージュ】が由来のチーズです。
ネージュに訪れたことがある皆様はご存知かもしれませんが、氷魔術で芯まで冷やされたネージュの白雪チーズは甘味が強く、大変美味なんです。
古くからの良き外交相手としてネージュとエーテルは交易関係を結んでおりますが、貿易は「龍種の肉と白雪チーズ」から始まったと言い伝えられています。
外側を香ばしく焼いたパンに、白雪チーズと蜜を合わせたもので、甘さと塩気のバランスが良いです。
朝食にも軽食にも向いているため、中央市場や酒場、城下のパン屋で購入できますよ。
〜編集後記〜
ミザン・ターナー
「俺は百年発酵のエーテルビールが好きだな。
……そうだ、グルヴェイギスの夜にでも飲まないか?」
アルル・パレイドリア
「そんな美味いもん隠し持ってたんですか?」
ルース・シルヴェイン
「ふふふ〜、私は百年燻製したとされる龍種のジャーキーを開けちゃうよ〜!」
ミザン・ターナー
「ルース、それ腐ってないか?」
ルース・シルヴェイン
「……え?本当?」
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エチルエーテル市の市街地には、魔術工房、酒場、市場、そしてここで暮らす人々の食文化が息づいています。
次回は、エーテル城本部の食堂開放日や、街を守る守護部隊、夜を照らす魔術街灯、そして春の夜祭《グルヴェイギスの夜祭》についてご紹介します。
どうぞ、もう少しだけエチルエーテル市の旅にお付き合いください。
発行:エーテル城 観光管轄課
編集:アルル・パレイドリア




