29 『天凪祓』
第2部 第4章 第29話 『天凪祓』
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これでようやく下準備は全て整った。
YouTubeで時事関連の動画を見ると、『高市氏が首相になったものの、案の定しょうもない国会の内容で、野党からひたすらに足を引っ張られている。』らしい。
これに関する動画を作ってみることにした。
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立憲民主党・共産党ともに台湾有事関連の話で、そもそも質疑が頓珍漢な揚げ足取りなのはいつもの日本の国会でありながら、私が気になったのは議題の本筋ではなく、どっちの議員も『戦艦。戦艦。』と、連呼している。
『艦船』や『軍艦』ならわかる。しかし、『戦艦』とは艦船の中の軍艦の中の戦艦という種類であり、現代において実戦運用レベルの『戦艦』など存在しない。
※世界で最後に建造された戦艦は、フランス海軍が戦時中に完成させられず、1955年に就役したものだ。日本で言えば大日本帝国海軍の大和型戦艦2番艦「武蔵」が1942年に竣工したのを最後に、既に80年以上も戦艦など作っていない。
私が言いたいのは、揚げ足取りで彼らと同じ土俵に立ちたいのではなく、『その程度の極めて初歩的な知識すら無いような馬鹿が(どこの国から金を貰っているのかわからないが。)日本を好戦的だ。軍国主義だ。と批判している。』ということだ。
特に共産党の方では自身で『地対艦ミサイル』と言っているのにも関わらず、射程だけを見て中華人民共和国を撃てるから侵略兵器だ。『日本はミサイル列島だ』というのだ。
『地対艦』つまり、地上から発射して軍艦に撃ち込むという意味だ。
陸海空(地艦空)という三つのカテゴリー+潜水艦(潜)で表しているのだ。
その他『空対空』、『空対地』、『空対艦』、『艦対空』など。
それすらこの人達は理解ができないのだ。
対地攻撃能力があるというのであれば極論ピストルだってそれに該当する。
ソーシャルメディアのコメント欄以上に稚拙な揚げ足取りをしているだけで、税金から沢山の給料を貰っているのだ。
本当に彼らは必要なのか?
国民の声は専用のプラットフォームを作れば、容易に直接受け取ることができるだろう。
それらの集計人員と設備の方が遥かに安上がりかつ正確で有意義である。
『私は、インターネットが普及した現代において少なくとも野党は完全に不要。
何故なら人間は皆、毎日24時間という配分で生きていて、食事・身支度・睡眠などをしている限り、一部の例外を除いて蓄えられる知識に大差はないからです。
その場合、色々な分野の話をする。ということはそれだけ、非常に浅く広い知識になりがちだということ。
更にその『薄識』で広範囲に自分の願望で人の足を引っ張る人間など必要ない。
そんなものに税金から給料を払うほど日本は好景気ではない。選挙活動やお気持ち表明は動画投稿サイトで十二分に事足りる。』その様に考えます。
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時事に乗っかり内容を軽く流し、問題点を指摘し、列挙した私の案を簡潔に伝える。
この様な典型的なやり方だ。
次々と同じ手順の動画を作っていく。
最初は反応などほとんどなかったが、時事を扱っていることもあり、徐々に反応がついてくるようになった。
そのほとんどは批判だ。
だが、批判が多くなることは私も予め覚悟の上であり、なにより多少の罵詈雑言でうろたえるほど私のここまでの人生は軽くはなかった。
勿論建設的な批判は大歓迎だが、まだ私の考えの全容が明らかになっていないこともあり、ほとんどが表層的な批判だ。
それに何より、実際政府への不信感は今回の高市氏の総裁就任で大幅に緩和されてしまったのだから、これらの反応は当然のことだ。
人々は多少良くなっただけでも一気に盲信してしまうのだ。
そこで私は、現在の政治形態そのものに穴があるという意見を付け加えていく。
――実際今日につながる資本主義は遡れば、元々は古代に奴隷を使役したところから始まっている以上、いくら労働法などができたとしてもその根幹的な実態は大きくは変わらない。ということ。
そして、今日につながる民主主義に関しては、フランス革命がその皮切りだったが、実際フランス革命で民主化されても恐怖政治で寧ろ困窮や支配が強まったことがあり、民主主義や権威主義、君主制などの制度が悪いのではなく、指導者次第、ということをその最初の革命を起こしたフランス自身が証明していること。
現在はその二つを上手いこと取り繕って、下々の愚民には質の悪い狭義の自由と権利を与え、本当の自由と権利は上流階級が握り続けている。
しかし、インターネット機器やシステムの躍進によって、その取り繕いも剥がれようとしている。
その一方で、AIの普及によりその仮面を剥がすことが手遅れになる可能性もある。
既に手遅れになった国は中華人民共和国だ。
我々は丁度その『一縷の望み』ともいえるターニングポイントに生きているのだ。
では、質の悪い狭義の自由や権利とは何なのか?
端的に言えば、言論/表現の自由や人権の話だろう。
日本では東京のど真ん中でナチスの格好と挨拶をしていたとしても、職務質問は受けたとしても、いきなり逮捕されるということはまずない。
だが、自由だの権利だと大層な単語を言いつつも、実情はその程度なのである。
本当に『私は自由だ!私には多くの権利がある!』というのであれば、何故皆は宇宙飛行士や、ケーキ屋さんや、スポーツ選手になっていないのか?
なぜみんなスーパーカーやプライベートジェットを所有していないのか?
何故皆が壮大な夢を叶えられていないのか?
言うまでもなく、それらは『愚民にとって丁度いい目くらましを与えられている。』という状態に過ぎないからである。
愚民を隷属的に使役するのもまた、彼らの自由であり権利なのだ。
自由と権利。そんな都合の良い見方がいくらでもできる抽象的なものを中心に据えていて本当に君たちはいいのか?――
この様な内容で深掘りしていくことで、現状の政治形態そのものに、あらかじめ穴があることが少しずつ理解されていき、理解を示すコメントや、賛同者も少しずつ現れるようになった。
そんな中で『教祖と名乗ってる割にはインパクトが無い。』とコメントで言われる。
「確かに・・・。」
そこで私はユキではなく、教祖としての称号のようなものを考えることにした。
組織名はアルファベットだが、名前までアルファベットにするのは非常に胡散臭く感じる。
個人的に日本の神様系で好きな名前は『荒覇吐』だ。
だが、いくら出自不明とはいえ、やはり既存の名前を使うのは極めて個人的なポリシーに反する。
『だって。なんか個性が無いみたいでダサいじゃん。苦笑』
なんとなく『あ』の音と、『き/ぎ』の音が欲しいと感じた。
ただその上で漢字の意味も多少は持たせたい。
色々考えた結果。
『神』になりたいわけではないので、神という漢字を避けつつも、今までの国内外の指導者とも一線を画したいと感じた。
皆が皆陰謀論的に既得権益目的だとは私も言うつもりはないが、それでもその仕組みを壊してこなかった。
それらと同列に見られたくはない。
そこで、『天』という漢字を思いついた。これなら『あ』の音からも始まっている。
もう一つは『鬼』怨み辛みで動いているのだから、どちらかと言えば鬼だろう。
しかしその中でも改革をして、一縷の光となりたい。とも思っている。
怨哭鬼、冥怨灯
『いやー、我ながら素晴らしい中二病。なんかダークでサイドな力が使えそう!』
とはいえ、あまりに怨みに振り切れ過ぎている。
ノンケが聞いたらドン引きだろう♂
真面目に考えるなら、光属性にするべきだ。
『黒い雲に覆われた空を薙ぎ払う』そんなイメージを持った。
『天+この世の中を薙ぎ払う。』
『天薙払』
うーん。絶妙に漢字がダサい。
それに私は大胆な改革こそ目指しているが、恐怖政治や、大粛清や、戦闘民族大和を創出したいわけではない。
そこで、『薙ぎ』を『凪』とし、『払う』を『祓う』とした。
『天』、『凪』、『祓う』をくっつけて、『天凪祓』。
天凪払なら、天の下を薙ぎ払う者。
天凪祓なら、天を凪がせ、穢れを祓う者。
そんなニュアンスだ。
うん。私の極めて個人的なセンスでは、音も文字の並びも、申し分ない。
全てを薙ぎ払う訳ではない。
私が悪魔のような連中を静かに祓うのだ。
名前は決まった。
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次回!第2部 第4章 第30話
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