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鬼畜な悪役豚貴族に転生したので、生きるためにシナリオから逃れます  作者: 福音希望
第二章 鬼畜な悪役豚貴族は家族と交流する
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第40話 悪役豚貴族は提案を断られる


「なんで? 夢だから信用できないから?」


 断られた俺は思わず問い詰めてしまう。

 やはり信じさせることができなかったか。

 前世の話ができないので、これ以上の説明は難しいのだが・・・・・・


「たしかに夢ということで信じられない部分もある。だが、まったくのデタラメではないとも思っている」

「じゃあ、どうして・・・・・・」

「ポールの意識が変わったのなら、廃嫡をする必要はないだろう」

「っ⁉」


 まさかの指摘に目から鱗だった。

 そんな俺の様子を見て、エデルは説明を続ける。


「夢の話ではあるが、ポールが断罪されるのは悪いことをしているからだろう? だったら、今のお前が断罪される謂れはないはずだ」

「それはそうだけど、もしかしたら誰かに嵌められて冤罪で裁かれる可能性だってあるでしょ?」

「否定はしない。だが、お前を冤罪で裁こうとするのなら、ヴァイス侯爵家が敵になることを相手は覚悟しないといけない。そんなことができる者がこの国にどれだけいるかな?」

「・・・・・・」


 まったく反論できなかった。

 ヴァイス侯爵家はこの国では身分的にかなり上の方である。

 歴史も古いので侯爵家の中でも上位に位置している。

 明確に上と言えるのは王族と公爵家だけだろう。

 冤罪をしかけるのなら、その二つでも難しいのかもしれない。


「夢を見て不安に思うのは理解できるが、お前の心配は杞憂だ。だから、廃嫡する必要はない」

「でも・・・・・・」


 やはり不安は拭えない。

 本当にまったく心配がないのかわからない。

 いくら俺が努力をしたところで、シナリオの強制力で断罪される可能性だってあるかもしれない。


「では、性格が良くなったポールに質問だ」

「え?」

「お前が廃嫡されて出て行った場合、リーゼとシャトンが悲しむことになるぞ? もしかしたら、自分たちのせいでお前が出て行ったと思うかもしれないな」

「くっ」


 エデルの指摘に俺は苦しげな声を漏らす。

 もちろん、俺が廃嫡されて出て行くことに彼女たちは関係ない。

 だが、彼女たちが何を思うのか、俺にはどうすることもできない。


「せっかく家族仲良く暮らせると思ったのに、ポールが出て行くのならそれもできなくなるかもな」

「・・・・・・わかったよ。この家に残るよ」


 ここまで脅されたら、俺にはどうすることもできない。

 やはり貴族の当主だけあって、なかなかに性格が悪い。

 これぐらいできないと、貴族社会というのは生き残れないのかもしれない。

 そう考えると、残ったことに少し後悔してしまう。

 少し離れたところでエリーゼさんが嬉しそうな表情を浮かべていた。


「ちなみにだが、こちらとしてもお前を廃嫡するわけにもいかないんだ」

「なんで?」

「お前には婚約者がいるからな。相手の家との約束だから、話も無しに廃嫡はできない」

「俺に婚約者?」


 予想外の内容を告げられ、まったく意味がわからなかった。

 ポールに婚約者がいたなど、【MGF】でもまったく出てこなかった。

 まあ、最初のボス程度にそんな設定があったとは思えないが・・・・・・


「一体、誰と・・・・・・」


(ダダダダダッ、バタンッ)

「ポール兄様、大丈夫っ!」


 婚約者について聞こうとした矢先、シャトンが部屋に飛び込んできた。

 相当急いできたのだろう、普段は整っている身なりが乱れていた。








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