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鬼畜な悪役豚貴族に転生したので、生きるためにシナリオから逃れます  作者: 福音希望
第二章 鬼畜な悪役豚貴族は家族と交流する
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第32話 悪役豚貴族は決闘の結果を聞く


「う・・・・・・」

「目が覚めたか?」


 俺が意識を取り戻すと、実父が声を掛けてくる。

 二日酔いの後のような吐き気と頭痛で気持ちが悪い。

 魔力切れの症状である。


「ここは談話室?」


 決闘した場所から移動していることに気づく。

 おそらく気絶している間に運んでもらったのだろう。


「お前の部屋に運ぼうと思ったのだが、思ったより重くてな。談話室が限界だった」

「それはお手数をおかけしました」


 実父の言葉に少し申し訳ない気持ちになった。

 いくら痩せたとはいえ、まだまだ体重は太めの成人男性並にある。

 その上、気絶をしている状況ではさらに重く感じるはずだ。

 屋敷の奥の方にある俺の部屋に運ぶことは不可能だろう。


「・・・・・・」

「それで決闘の結果はどうなりました? いや、俺の負けかな」


 少し離れたところからシオンが睨みつけてくる。

 どういう怒りかわからないので、原因であろう決闘の結果を確認しようとする。

 魔力切れの気絶を起こしたので、俺の敗北は濃厚だが・・・・・・


「決闘の結果は引き分けだ」

「引き分け?」


 予想外の結果に呆けた声を漏らす。

 そんな俺の反応が予想通りだったのか、実父は話を続ける。


「おそらくポールは魔力切れによる気絶で戦闘不能になったと考え、負けたと思ったんだろう?」

「はい、そうです」

「たしかに、そういう意味では一本の条件に当てはまる。だが、同時に別の条件が達成されていた」

「別の条件?」


 意味が分からず、俺は首を傾げてしまう。

 一体、何が起こったのだろうか?


「ポールの体当たりがシオンに直撃した。それがクリーンヒットとなり、一本という結論になったのだ」

「ああ、そういうことか」


 気絶をする直前、シオンと絡み合ったことを思い出した。

 体勢を崩して転んだだけなのだが、結果としてシオンへの攻撃とみなされたようだ。

 何とも不本意な結果であるが・・・・・・


「気絶したことによりシオンが一本、クリーンヒットによりポールに一本。同時に2人が二本取ってしまったため、引き分けということにした」

「審判がそう言うのなら、従わないとけないですね」


 勝負事において、審判の判断は絶対である。

 もちろん、誤審の心配もあるだろう。

 だが、戦った者同士が判断するよりはよっぽどマシである。


「それで勝者への報酬はどうするんですか?」


 実父に質問をする。

 そもそもこの決闘はシオンの要求である「ポールをヴァイス侯爵家から追放する」を決めるために行われたものである。

 引き分けになってしまった場合、どうなるのだろうか?


「どちらも報酬は無しだ。引き分けだからな」

「どちらにも報酬を与えるなんてことはないんですか?」


 報酬が受け取れないので、シオンがしかめっ面をしているのだろう。

 せっかく俺を追い出せるチャンスだったのに、うまくいかなかったのだ。

 あんな表情になって、仕方がないだろう。


「そういえば、ポールは何を望んでいたんだ? 決闘の前に確認を忘れていたが・・・・・・」

「俺の望みは「2年後に廃嫡する」ですね」

「「「「「え?」」」」」


 俺が報酬の内容を伝えた瞬間、全員が呆けた声を漏らした。

 その場の空気が一気に凍りついてしまった。

 何かまずいことを言っただろうか?







結果はダブルノックアウトでした。


作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。

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