第27話 悪役豚貴族は義弟に提案する
「なるほど。事情はわかった」
「信じてくれるの?」
実父の納得した様子に思わず反応してしまった。
嫌われているポールの言葉なので、てっきり信じてもらえないと思った。
信じてもらえたとしても、それなりに時間が必要だったはずだ。
「お前のことは報告を受けていたからな」
「報告?」
予想外の言葉に首を傾げてしまう。
誰が報告をしていたのだろうか?
「最近、人が変わったように頑張っているようだな。なぁ、セバス」
「はい。ポール坊ちゃんは以前とは違い、色々と改善されたと思います」
実父に話を振られ、セバスが真顔で答える。
彼は執事長なので、屋敷で起こった出来事は当主である実父に報告するのは当然である。
「それに彼女を見れば、お前の考えが変わったことがわかる」
「え?」
実父の視線がセバスの隣に居るフィエラに向く。
一体、どういうことなのだろうか?
先程よりも大きく首を傾げる。
詳しく説明するつもりはないようで、彼は話を進める。
「今回の件、お前に非がないことはわかった。もちろん、色々と対策を取る必要はあるが、何か罰するつもりはない」
「それは良かった」
実父の言葉に大きく息を吐く。
悪いことはしてないとはいえ、シャトンを傷つけたのは事実だ。
以前のポールなら確実に罰せられると思ったが、転生後の行動でそれがなくなったようだ。
これで俺の命は繋がった──
「納得できないっ!」
「「「「「っ⁉」」」」」
──と思ったが、そうは問屋が卸さなかった。
シオンが怒りの表情で会話に割り込んできた。
「なんでこいつの言うことをまんま信じるんだよ。少しでも罪を軽くするために嘘をついている可能性だってあるはずだ」
「嘘をつくんだったら、もう少しまともな話をするはずだ。我流の魔法訓練や魔力の吸収など、普通なら信じられないはずだ」
「だったら、適当をこいているんじゃないの?」
「いや、それはないだろう。にわかに信じられないが、理屈は通っていたからな」
感情的なシオンの反論を実父は理詰めで否定する。
普段の行動でこれだけ信じてもらえるようになるんだな。
転生してすぐの頃に比べれば、雲泥の差である。
「でも、こいつは4年前にシャトンを害そうとしたんだよ。今回だって・・・・・・」
「いつまで昔のことを引きずっているんだ、シオン」
「っ⁉」
実父が語気を強めるとシオンは身体を震わせる。
まだ8歳の子供が大人から怒られれば怖くて当然だろう。
だが、彼の言い分はわからないでもない。
彼にとって俺は大事な妹を傷つけた糞野郎だ。
それを忘れられるはずはない。
そもそもこの状況も俺が生きていく上であまりよろしくない。
少し助け船を出すとしよう。
「じゃあ、罰は決闘で決めないか?」
「「「「「は?」」」」」
今度は俺の言葉にその場にいた全員が驚いた。
周囲の視線が集中したが、決して気持ちの良い物ではなかった。
「何を言っているんだ、こいつ?」といった感情が見て取れる。
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