第25話 悪役豚貴族は家族と対面する
「「「・・・・・・」」」
「・・・・・・」
実父、継母、義弟の3人に俺はじっと見られていた。
屋敷の庭から場所が変わり、談話室に俺たちはいた。
現在、この場には俺たち以外にフィエラとセバスがいた。
フィエラはこの状況に慌てている様子だが、セバスは直立不動で落ち着いた様子だった。
「さて、何が起きたのか、説明してもらおうか?」
静寂の中、実父がまず口を開いた。
その声はドスが効いており、聞くだけで少し恐怖を感じるほどだ。
「こいつはシャトンを傷つけたんだ。追い出すべきだっ!」
「決めつけるのは止めなさい、シオン」
シオンは俺に敵意を向けているが、その言葉を継母が窘める。
てっきり賛成すると思っていたが、意外と冷静なのかもしれない。
「でも・・・・・・」
「言うことを聞きなさい、シオン」
「・・・・・・はい」
まだ反論しようとしたが、父親にも注意されれば黙るしかなかった。
だが、怒りの矛先は俺に向けていた。
まあ、子供の怒りを向けられてもなんともないが・・・・・・
「では、説明してくれ」
再び実父が俺に話を振ってくる。
どうやらしっかりと話を聞いてくれるようだ。
嘘をつくつもりもないので、起こったことをそのまま伝えよう。
「シャトンが魔力の暴走を引き起こしたんだ。俺とフィエラが協力して、その暴走を止めたのがさっきの場面ってわけだ」
これ以上ない簡潔な説明であろう。
我ながら天晴れである。
「嘘をつくなっ! シャトンはまだ4歳なのに、魔力の暴走なんて起こすはずがないっ!」
俺の言い分を聞き、シオンが反論してくる。
まあ、彼の言い分もわからないでもない。
嫌っている俺の言葉が信じられないのも理由の一端だろうが・・・・・・
「落ち着きなさい、シオン」
「ですが、自分の非を認めず、責任をフィエラに押しつけようとしているんですよ」
「お前は最初からポールが悪いという結論ありきで話しているだろう。そんな浅はかな考えをしているようならこの場から追い出すぞ」
「う・・・・・・」
実父の指摘にシオンは何も言えなくなった。
おそらく自覚はあったのだろう。
しかし、実父が俺の味方をしてくれているのは意外だった。
てっきりシオンと同じ考えだと思っていた。
そんなことを考えていると、実父が再びこちらに意識を向ける。
「シオンの言い分も一理ある。シャトンは魔力の暴走を起こせるとは思えないのも事実だ。それについて説明は?」
流石にあっさりと納得はしてくれないようだ。
まあ、普通に考えれば、おかしな点もあるからだ。
一つずつ説明していくしかないだろう。
「あんたたちは知らないと思うが、シャトンは天才だ」
「天才?」
俺の言葉に実夫は驚きの表情を浮かべる。
継母とシオンも同様の反応だった。
どうやら知らなかったようだ。
「俺よりも先に図書室にある魔法の教本を読み、俺が【身体強化】を使っているのを見て、すぐにつかいこなしたんだよ」
「それは本当か?」
「ああ、本当だよ。とても4歳には思えないぐらいだ」
「・・・・・・」
俺の話を聞いた後、実父は黙り込んでしまった。
予想外の話に情報を整理しているのだろう。
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