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鬼畜な悪役豚貴族に転生したので、生きるためにシナリオから逃れます  作者: 福音希望
第二章 鬼畜な悪役豚貴族は家族と交流する
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第22話 悪役豚貴族は妹を拒絶する


「じゃあ、訓練を再開しましょう。この1週間でポール兄様はどこまで成長したの?」


 シャトンが話しかけてくる。

 もう完全に指導者気取りである。

 まあ、天才である彼女の方が優れているので、間違ってはいないが・・・・・・


「【全体強化】は10分近く続けられるようになったな。保有魔力量が増えたおかげだろうな」

「へぇ、頑張ってたんだね」


 俺の報告にシャトンは驚いた様子だった。

 サボると思っていたのだろうか?

 まあ、今までの太った姿を知っていれば、怠惰だと思われても仕方がないか。


「じゃあ、次は【身体強化】以外の魔法を使わない?」

「【身体強化】以外?」


 予想外の言葉に俺は首を傾げる。

 一体、何のことだろうか?


「もちろん、【属性魔法】よ」

「ああ、そういうのもあるみたいだな」


 シャトンの説明に俺は納得した。

 「基礎から始める魔法の使い方 第1巻」にも書いてあった。

 魔力の操作の次に学ぶ内容である。

 簡単に言うと、「集中した魔力をイメージによって魔法に変換する」という感じだろうか?

 これができるようになれば、火や水、風など様々な魔法を使うことができる。

 まあ、人によって得意不得意があるようだが・・・・・・


「ポール兄様の保有魔力量が増えたから、【属性魔法】の訓練もしやすくなったと思うの」

「なるほど、そういう考えか」

「やっぱり、魔法と言えば【属性魔法】でしょ?」

「たしかにそうだな」


 彼女の気持ちも理解できる。

 魔法と言えば、火や氷、雷などをぶっ放すイメージがある。

 異世界でもそのイメージは変わらないようだ。


「じゃあ、さっそく訓練を・・・・・・」

「いや、しない」

「え?」


 シャトンの嬉しそうな表情が一瞬で固まる。

 まさか断られるとは思わなかったのだろう。


「な、なんで?」

「今の俺にはまだ【属性魔法】は早い。だから、【身体強化】をしっかり使いこなせるようになるべきなんだ」


 しっかりと考えることを伝える。

 たしかに【属性魔法】を使えるようになるのは魅力だが、今の俺には分不相応だろう。

 そもそも我流で訓練を行っているのに、危険な訓練をするのは避けたい。

 少しでも安全に訓練をしたいのだ。


「でも、ポール兄様は他の人たちを見返すために魔法の訓練をしているんだよね?」

「誰がそんなことを言った?」

「え?」

「俺は誰かのために訓練をしているんじゃない。自分のために訓練をしているんだ」


 この家での俺の立場を考えれば、周囲を見返すために訓練をしていると勘違いしても仕方がないだろう。

 だが、俺にそんなつもりは毛頭なかった。

 この異世界で生き残るための力を得るため、俺は魔法の訓練をしているだけなのだ。

 根本から違っているわけだ。


「だから、俺は【属性魔法】の訓練は行わない。それが嫌なら、もうお前と訓練することはない」

「・・・・・・」

「シャトン?」


 拒絶の言葉を告げたが、なぜかシャトンは黙り込んでしまった。

 下を向いており、その表情は見えない。


「ポール様っ!」

「っ⁉」


 だが、すぐにまずいことに気づいた。

 シャトンを中心に魔力が渦巻いていた。

 俺なんかと比較にならないほど激しかった。


「ポール兄様のばかああああああっ!」

(ブワアアアアアアアアアアアッ)


 シャトンの叫びと共に炎の奔流が出現した。

 これはかなりまずいと一瞬で判断するほどの大惨事だった。







作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。

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