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鬼畜な悪役豚貴族に転生したので、生きるためにシナリオから逃れます  作者: 福音希望
第二章 鬼畜な悪役豚貴族は家族と交流する
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第13話 悪役豚貴族は異母妹に出会う


 訓練を終え、俺たちは屋敷に戻ってきた。

 行きに比べ、帰りは意外と楽に帰ってこられた。

 道に慣れたからだろうか?


「お湯の準備をしてきますね」

「ああ、頼む」


 屋敷の中に入って、フィリアと別れる。

 身体を清潔にするため、部屋に戻ろうとする。


(じぃ)

「ん?」


 視線を感じ、俺は振り向いた。

 廊下の先、少し離れたところにこちらを見ている何者かがいた。

 以前も視線を感じたことがあるが、同じ人物だろうか?

 気になった俺は近づいていく。


「何を見ているんだ?」

「っ⁉」


 いきなり声を掛けられたからか、相手はとても驚いていた。

 年齢は4、5歳ぐらいだろうか、まだまだ幼い少女だった。

 黒髪のツインテールと可愛らしいドレスが特徴的だった。

 ポールの記憶に彼女の情報もあった。


「俺に近づかないように言われていたはずだぞ、シャトン(・・・・)」

「近づいたのはポール兄様だもん」


 俺の言葉にシャトンは頬を膨らませ、反論する。

 彼女はシャトン=ヴァイス──ヴァイス侯爵と後妻の間に生まれた侯爵令嬢である。

 つまり、俺の異母妹にあたる。

 年齢はたしか4歳だったはずだ。

 しかし、あまり良好な関係ではない。

 なぜなら、彼女はポールの被害者になりかけたからだ。


「何のようだ?」


 あえて冷たく問いかける。

 俺と彼女が接近することを周囲は望んでいない。

 それは俺の評判が上がった今でも変わりはないだろう。


「最近何をしているの、兄様?」

「・・・・・・」


 まったく質問に答えてくれない。

 まあ、まだ子供だから仕方がないのかもしれない。

 どうしてこんなことを聞くのだろうか?


「使用人たちの間で兄様のことが話題になってるから気になったの」

「どうせ嫌みばっかりだろう」

「そんなことはないよ。「ようやく真面目になったのか」って言われてたよ」

「そうなのか?」

「大半は「何か悪いことを考えてるんじゃ?」って、警戒しているけど」

「・・・・・・素直に喜ばせてくれよ」


 大半からはまだ警戒されているようだ。

 元々がかなり悪いので、それは仕方がないのかもしれない。


「で、何をしていたの? 出かけていたみたいだけど?」

「魔法の訓練をしていた」

「魔法っ⁉」

「うおっ⁉」


 いきなり近くで大きな声を出され、驚いた声を出してしまった。

 正直、情けない反応だっただろう。


「どんな訓練をしたの? なんで外で訓練をしたの? どんな魔法が使えるの?」

「待ってくれ。そんなに一気に答えられない」


 彼女の矢継ぎ早な質問に思わず止めてしまう。

 いきなり叫んだことに注意しようとしたが、そんな余裕もなかった。

 一体、何が彼女の琴線に触れたのだろうか?








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