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鬼畜な悪役豚貴族に転生したので、生きるためにシナリオから逃れます  作者: 福音希望
第二章 鬼畜な悪役豚貴族は家族と交流する
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第12話 悪役豚貴族は焦らない


「・・・・・・ふぅ」


 集中した魔力を拡散させる。

 まだその感覚に慣れず、少し気持ち悪い。


「だいぶ魔力の集中と拡散ができるようになりましたね」


 俺の様子を見て、フィエラが声を掛けてくる。

 彼女は俺の魔力の流れを感覚的に視ることができるようで、大体の魔力量を量ってくれている。


「大体、全体の2割程度ですね」

「やっぱりまだその程度か」


 想像以上に魔力を集中できていない。

 現状の俺の魔力量の2割しか使えていないことになる。

 あまり燃費が良くないな。


「まあ、訓練していけば、徐々に使える量が増えていきますよ」

「そういうものか?」

「ええ、気も使っていくうちに保有量が増えていくんですよ。だからこそ、訓練をすることでより強力な力を使えるようになります」

「許容量は超えないのか?」


 純粋な心配が勝ってしまう。

 消費することで保有量が増えていくのはわかったが、許容量が変わらないと意味はないだろう。


「まあ、その辺りは身体を鍛えることで改善しますね」

「なかなか脳筋な解決方法だな。というか、それで解決できるのか?」


 思わずツッコミを入れてしまった。

 鍛えるだけで気を消費する量が増えるのだろうか?



「基本的には【身体強化】で使いますからね。鍛えることで身体の耐久力を上げ、より強力な【身体強化】を使えるようになります」

「なるほど。元の身体能力を上げることで、より強力な【身体強化】を使えるようになるわけか」


 何事も元手が大事である。

 元手が多ければ多いほど、リターンも大きくなるのだ。

 この考えが合っているのかわからないが・・・・・・


「魔法の場合は何度も繰り返すしかないかな」


 思いついたことを口にする。

 気の場合は身体を鍛えることで解決できる。

 だが、それは魔力では使えないだろう。

 いくら身体を鍛えたとしても、魔力の許容量が上がるわけではない。

 魔力の集中と拡散を繰り返すことで、魔力の流れに対する許容量を上げるしか解決方法はないだろう。

 一朝一夕でできることではないだろう。

 これから毎日頑張るしかない。


「そういえば、体内の気の量を増やす方法があります」

「そんなのがあるのか?」


 フィエラが気になることを口にする。

 もしかしたら、魔力を増やすのに役立つ方法かもしれない。

 現状、全体の2割程度しか使いこなせていないが、魔力の保有量自体を増やすのに超したことはない。


「毎日、寝る前にすべての気を使用するんです」

「ん?」


 予想外の言葉に呆けた声を漏らしてしまう。

 脳筋な方法が聞こえてきたが、気のせいだろうか?


「すべて使うことで体内の気が一時的になくなります。そして、寝ている間に体内の気が回復するんですが、より多くの気が戻るらしいんです」

「・・・・・・なるほど。そういうことか」


 説明を聞いて、あながちおかしな話ではないと感じた。

 すべての気を使い果たしたということは、身体からすれば気の量が足りないとはんだんされるわけだ。

 その結果、より多くの気が必要になると身体が判断してしまう。

 すると、自然と今までより多くの気が回復するわけだ。

 おそらくフィエラや他の獣人たちは理論的に導いたわけではないだろう。

 だが、脳筋の経験則も馬鹿にはできないな。


「俺も寝る前に試してみるかな。まあ、その前に魔法を使えるようにならないとな」


 この方法を使うために、まずは魔力を消費できないといけない。

 現状、俺は魔力の操作の練習中なので、まだその段階ではない。

 だが、焦りは禁物なので、しっかりと魔法の使い方を学ぼう。







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