第3話 悪役豚貴族は異世界の理論を学ぶ
ようやく認証コードが届きましたw
「気とは体内を流れる力の源です。ですが、すべての生物に流れているわけではありません」
「そうなのか?」
フィエラの説明を聞き、少し驚いてしまう。
てっきり全員に流れているものだと思っていた。
「おそらくほとんどの獣人はこの気を持っています。人族の中にも持っている者もいます」
「つまり、俺は持っていない側の人族なわけだな。どういう理屈でそうなっているんだ?」
「詳しい原因まではわかっていませんが、魔力を持っているからだと考えられます」
「ほう、か」
話を聞いて、俄然興味が湧いてきた。
魔力とは魔法を使うために必要なエネルギーである。
まさか話が繋がるとは思っていなかった。
「私も聞きかじった話ですが、気と魔力は体内をほとんど同じ流れをしているようです。そのため、この2つが同時に流れるのは難しいようです」
「難しいということは、不可能ではないわけか?」
「ええ、その通りです。獣人の中にも魔法を使える者もいますし、人族にも気と魔力を同時に扱う者もいます」
「じゃあ、俺もできる可能性があるわけだな」
不可能ではないのなら、チャンスはあるはずだ。
期待に胸を膨らませが、フィエラは首を横に振る。
「可能性は否定しませんが、かなり低いと思います」
「どうしてだ?」
「獣人は五感に優れているので、相手の状態を感じることもできます。なので、相手に気が流れているのかも把握できます」
「それはすごいな。で、俺には気が流れていないわけだな」
フィエラの凄さに驚きつつ、結論を予測する。
難しいということは俺に気の流れがないのだろう。
「もちろん、まったくチャンスがないわけではありません。ですが、私としてはおすすめできません」
「どうしてだ?」
理解できず、首を傾げてしまう。
気の流れがないのであれば、チャンスすらないと思う。
期待を持たせるようなことは言わないで欲しい。
「気の流れを作るためにはどういう方法があると思いますか?」
「元々ないものを作るんだよな? だったら、外部から取り入れるのが一番だと思うが・・・・・・」
「その通りです。他者から気を流してもらい、体内に気の流れを形成します」
「つまり、フィエラに気を流してもらえば、俺も気を使えるわけだな」
「理論上は可能です。ですが、かなり危険な方法であるのも事実です」
「危険というと、本来の自分にないものを取り入れるからか?」
説明を聞いて、危険の内容を推測してみる。
前世で言うところの臓器移植や輸血などと同じなのかもしれない。
自分の身体に合ったものでないと、拒絶する反応が起こるのだろう。
「そういうことです。この方法を使えるのは基本的に近親者で行われることがほとんどです」
「近親者? だとしたら、獣人の親が獣人の子供にすることになるだろう? だったら、元々使えるから意味はないだろ」
話を聞いて、思わず否定してしまう。
気を使える者に気を流して意味があるのだろうか?
「まあ、基本的には必要ない技術です。ですが、時々必要になります」
「必要になる?」
「時折、獣人の中でも気の流れがない者が産まれることがあります。当然、その子たちは通常の獣人より身体が弱いです」
「突然変異か」
「はい。そんな彼らに親が気を流すことで気の流れを形成させます。その結果、元気になることができるわけです」
「ほう」
おそらく昔からの経験則で伝わった方法なのだろう。
理に適っているわけだ。
だが、気になることもある。
「近親とはいえ、他人であるのは事実だろう。だったら、気を流すことは危険じゃないか?」
「ええ、その通りです。近親でも成功率は50%もいけば良い方でしょう」
「近親で半分か。つまり、血のつながりもなければもっと下がるわけだな」
「そういうわけです」
俺が気を使えない理由がわかった。
これは諦めるしかないだろう。
作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。
★5でも★1でもつけていただけると幸いです。




