商談
新章に突入しました。
今、私たちは馬車の中にいる。
理由は簡単でセシリアたちの家に向かっているから。
その間は暇だから外の景色を見ていた。
外は綺麗だけど人が多いのは欠点ね。
やはり、人が多いところは慣れないわね。
それにしても、こんなに広い馬車でもたくさんいると狭く感じるわね。
そして、人がたくさんいすぎて気持ち悪いわ。
「アイシア、大丈夫か?顔が真っ青だが?」
「大丈夫よ。マギスタこそ大丈夫なの?ずっと、バイスが上に乗ってるけれど.............?」
「マギスタなら大丈夫だよ〜!ね〜?」
「あ、あぁ..........。」
今では、打ち解けているけれど初対面の時はマギスタは戸惑っていた。
だから、仲良くできるか心配だったけど今の感じを見るに大丈夫そうね。
「..........人を減らしてくれば良かったわ。」
「..........そういえば、アイアは人が多いところは苦手だったね。すっかり、忘れてたよ。」
「え〜!?お姉ちゃんって人が多いところ苦手だったの〜?」
「..........苦手という程ではないわ。少しだけ苦手なだけ。」
「へぇ〜。じゃあ、牢屋に捕まっていた時顔が真っ青だったのって人がたくさんいたからなんだね〜。納得だよ〜。」
「.......まあ、そんなとこかしらね。」
本当はそれだけではないのだけどね。
まあ、例え聞かれたとしても教えないのだけれど.............。
そう考えていると馬車が止まった。
「姫様、レインバーグ伯爵家に着きました。」
「分かったわ。」
今回、私がレインバーグ家に来たのはレインバーグ伯爵に呼ばれたからという理由もある。
私はネスト会の商品を買いに来たのだ。
先日、良い事を思いついたからその為には材料が必要だからネスト会に用ができたのだ。
「お待ちしていました。皇女殿下にお越し頂き誠に光栄でございます。」
「ふふ、ありがとうございます。ですが、今の私はただの田舎娘のアイですよ?そんなにかしこまらないでください。」
「も、申し訳ありません!」
「いえ、少々分かりにくかったようですね。こちらこそ、申し訳ありません。」
「いえ!そんな事はありません!と、とにかく、中へご案内致します!」
「ふふ、よろしくお願いしますね。」
レインバーグ伯爵は面白い人なのね。
慌てているところはセシリアに似てるわ。
親子とはああいうものなのかしらね.............。
私は似ているのかしら?
..........考えるのはやめないと。
私はこれ以上あの人の事を考えたくはないわ。
「そういえば、セシリアはいないのですか?」
「え?あ、セシリアならもうそろそろ来るはずです。」
「随分、時間がかかるのね。」
「まあ、貴族令嬢ですのでこれが普通かと存じますが..........。」
え?き、貴族令嬢ってそんなに時間がかかる程おめかしするの?
わ、私はそんなにかかっていない筈だけど.........?
「れ、レイラ、私はずっと令嬢ぽっい事をしていないのかしら?」
「はい。そうですが..........もしや、気づいておられなかったのですか?」
「ま、まさか、普通の貴族令嬢がこんなにもおめかしに時間がかかるなんて..........!わ、私はそんなに時間はかからないのに............!」
「え?それは、姫様がお綺麗なのでそんなにおめかしには時間がかからないだけですよ?」
「わ、私はそんなにも可愛げがなかったのですか!?だ、だから、皆さん私の顔を見て赤くなっていたのですか?女が生意気にも戦っているから!?そ、そういう事だったのですね。なら、口で言ってくだされば内密に練習をしましたのに!やはり、人の気持ちを理解するのは難しいですね。」
「え?え!?な、なんでそうなるんだ!?」
「あ〜、お姉ちゃんって自己肯定感低い感じの人かな〜?」
「低いなんてもんじゃないよ。低すぎて逆に怖いよ。」
「うぅ、姫様.........!私のせいで誤解をしてしまわれて..........!」
「皆様〜、お待たせ致しました。」
「まあ、セシリアはやっぱり可愛いわね。似合っているわよ。」
「そ、そうかな!?あ、ありありがとう!あ、アイちゃんも似合ってるよ!」
「ふふ、ありがとうね。」
「す、すごいね。切り替えが早いよ。」
「切り替えね〜。あれは完璧に感情をコントロールしてるから出来る技だよ〜。だから、お姉ちゃんがさっき落ち込んでたのも嘘って事になるんだよね〜。」
「感情をコントロール..........!何処でそんな技を.........!」
「そこまでは分からないよ〜?」
「チッ、分かってるよ!」
「それでは、応接室にご案内致します。」
「ここは花が咲いているの!とっても、綺麗なんだよ!」
「っ、サクラ.........!」
「そうなの!よく、分かったね。これは希少な花なのに.........。」
「大切な人との思い出の花なの...........。本当にとっても綺麗ね。とても、似てる...........。」
「?何か言った?」
「いえ、何でもないわ。良いものを見せてもらったわね。」
綺麗だった。
久しぶりにあの子を思い出した。
あの子はサクラが好きだったから。
けど、私はそれ以上にあの子が大好きだった。
あの子が私を照らしてくれた光だったから..........。
それなのに、私みたいな深い闇を持った者に綺麗な光を持ったあの子が関わってしまった。
それが、間違いだった...........!
「アイア?大丈夫?」
「え?えぇ、大丈夫よ。少し考え事をしていただけだから。」
「それで、そろそろ本題に入ってもよろしいですか?」
「はい。それでは、まず、私から言わせて頂きます。私はネスト会でいくつかの商品を買いたいのです。」
「それは、構いません!娘を助けて貰いましたし..........!」
「それは、良かったです。では、私の方の話は終わりました。」
「それだけ、ですか?」
「ふふ、もう少し話した方がよろしかったですか?ですが、伯爵は私みたいなのはお嫌いでしょう?ですので、お互いの為に速やかに話を終えて帰った方がよろしいかと...........。」
なんか、見られてる..........!
絶対、ヴァルギアとディケイアだわ!
そして、バカにされている気がする!
次、会ったら絶対に殴る!
本当に暇な神たちね!
「ちゃんと仕事しなさいよ。そんなに暇なのかしら?」
「も、申し訳ございません!は、早く頼まれていた商品を取りに行ってこい!」
「え?ま、まさか、く、口に出してた!?」
「思いっきり出していたぞ?」
「あははは!お姉ちゃんでもあんな事言うんだね〜?」
「〜〜〜!あ、あれはひ、独り言だったのに!うっ、伯爵には悪い事をしました。なんと、情けない事を..........!」
「アイアがここまで取り乱すなんて!」
「あ、い、いや、ご、ごめんなさい!見苦しい姿を見せてしまったわ!これからは、恥ずかしい事があっても冷静でいるわ!」
「別にそこまでしなくても良いと思うが..........。アイシアは頑張り過ぎだからな。少しくらいは気を緩めるても良いと思うぞ?」
私にはそんな事は出来ない..........。
私はいつも気を強く持たなきゃ壊れてしまうから...........。
だから、あなたたちの事も心からは信頼出来ないのよ。
今回も読んで頂きありがとうございます!
次回も楽しみに!




