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ソシャゲの序盤で死ぬヒロインにTS転生したけど、とりあえず主人公くんをいじりたい  作者: あまぐりムリーパー
贖罪の獣と常夏サバイバル

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TS娘、現状を知る

 マヒロに変に絡まれてるせいで、渚くんたちが深禍たちを倒してるところに行けなかった。


 いや、マヒロが悪いってわけじゃないんだけどね?


 そもそも、あの子どういう存在なんだろう。


 情緒が不安定すぎてよくわからないんだよね。

 ……いや、精神的に不安定な私が言えたわけじゃないんだけどさ。


 コネクトリンクだけしゃなくて、怜菜のスキルも使ってたんだよね?コピー能力、みたいなことかな。


 そもそも、私を監禁しようとしてたけど……原作の明上蒼空が推しだった?

 ごめんね、君の推しの中身は男の子になってたよ。でも、向こうも転生者なのでいっか!


 まあ、気が向いたら様子でも見に行こう。ちょっと身の危険は感じるけど、同じ境遇だし。


 ……まあ、それよりも、渚くんたちの話が重要だ。


 それよりも、第四深禍災害のことだ。


「正直、めっちゃヤバイよね」

「そうね」

「そうだね」

「はあ、そうね……」

「ははは……」


 私の感想に、みんなも同意してる。

 そりゃそうか。元々、情報共有してるんだからさ。


 ……にしても、そうだったなあ。水着イベントって、なんかゆるーくやって終わるんだけど。


 思えば、二章への繋ぎでもあった。


 ランヘリ二章は、第四深禍災害の混合型深禍攻略のストーリーだから。


 ……めっちゃでかい深禍と戦わないといけなくて大変なんだよね。


「学校には連絡したの?」

「うん、確認中だって。とりあえず待機命令が出てるよ」

「そっか」


 待機……ってことはつまり。


「まだ自由時間ってことね」


 パラソルの下に帆花が座る。……なんか組んだ足が様になってる。いいな、わりと手足がスラッと伸びてるし。


 儚げ小さめキャラとかがやりたいわけじゃなかったのに。


「うーん、やれることないんだね。私も遊び疲れちゃったしなあ」


 希沙も、日陰で休んでる。


 やることないもんね。


「明上蒼空」


 そう思っていたら、怜菜に肩を叩かれた。


「あなた、何か知ってるのよね?」

「……え、なんかずっと疑われてたりした?」

「まあそうね。……だって、あなたってあの第五深禍災害の日を狙って、自殺染みたことをするつもりだったんでしょう?」


 スッ、と怜菜は目を細めた。


 ……マジか。よくそんなことわかったな。


 いや、でもわかるものなのか?それはいいか。


 つまり、俺にあるゲーム知識を聞きに来たんだ。


 びっくりして、私ではなく俺がでてきてしまいました。

 ……なんで、人格切り替えみたいなことしてるんだろう、私。まあいっか。


「で、怜菜は何を聞きたいの?」

「今回の敵の情報について、とかかしらね」

「……あんまり知らないよ?それこそ、混合型深禍がいて、その周囲に獣の深禍が出てくるだけでしょ。倒し方も、みんなで頑張るしかなさそうだし」


 まあ、本当はちょっとは条件はあるけどたぶん勝手に達成されるしいいかな。

 

「……そう。それなら仕方ないわね」

「なんで、怜菜はそんなに気にしてるの?」

「私が、カースシーカーになったきっかけ……だからかしらね?よく、わからないわ」


 そういえば、怜菜がカースシーカーになったのは第四深禍災害の時だったか。


 でも、そこで家族を失ったとかそういうのはないはずなんだけど。


 ……いや、思ったけど逆にみんな失いすぎなんだよね。


 私とか希沙はそうだし、帆花だって実はそうだし。


 ふと、怜菜を見ると考え込むように目を伏せている。


「じゃあ、私がでかい一撃ぶっ放してあの獣たちボコってやるよ」


 だから、少しだけ現気付けるようにフッと微笑んだ。


 驚いたように目を大きく開いた怜菜は、小さく息を吐いてから私の両頬を掴んだ。


「あなたがそんなことしたら、アバドンだったかしら……それが進行してしまうでしょう?」

「ひゃべて!」


 うまく喋れない。元気付けようとしただけじゃん!


「まあでも、少し気が晴れたわ。……たぶん、私はあれが怖かったのね」


 とだけ溢して、パラソルの下に戻っていった。


 実際、アバドン状態だとどこまでいけるんだろうね。第四深禍災害を完全にぶっ倒せるぐらいのパワーが出せるかはわからないんだけど。


 ……そういえば、二章だから本来は渚くんがスキル使える状態なんだよね。そういうところ、支障があったりするかだけは気になるなあ。


 あと、マヒロね。イレギュラーすぎる。


 まあ、敵対しないからいいのかなあ。


 二章の詳細は、動き出した第四深禍災害に対して、みんなでチーム組んで突撃するんだよね。


 その時に、大量に獣の深禍が湧いてくる。突発的にやってくるわけだから、コネクターは結構危機的な場所なんだけど、渚くんは自分で戦えるからみんなと一緒にそれを切り開いていく、みたいな感じだ。


 そこで、ちょっと今回のストーリーでキーになる別キャラクターの力を借りてボスを倒す。


 ……渚くん、今カースシーカーの能力があるわけじゃないんだけど大丈夫かなあ。私が代わりに頑張ればいけるかな。


「蒼空さん」

「ひぁっ!?」


 急に呼び掛けられて、跳び跳ねてしまった。


「ご、ごめん」

「……いいよ別に」


 ちょっと鼓動がうるさい。……なんか、まだ渚くんにはずっと弱くなってしまってる。過剰反応しすぎだ。


「……今回は蒼空さんは危険な目に合わないよね?」

「何を言ってるの、カースシーカーはみんな危険だよ?」

「でも、前回は君が死ぬ前提だったでしょ」

「……そもそもね、私がいない前提の話なんだから、そんなのあるわけないでしょ」

「……それはそうだけど」


 ……ずっと、渚くんはあれ以降私が死ぬ死なないとか気にしてるんだなあ。なんか、ちょっと嬉しくなっちゃった。頬が緩んだ。


「じゃあ、私が無事になるように渚くんが頑張ってね?」


 だから、いつの日かみたいに、渚くんの懐に飛び込んだ。

 渚くんの匂いがした。


「……明上さん、まだそれやるの?」


 渚くんの鼓動が早くなってる。やっぱり、恥ずかしいんだ。


「名前呼びじゃない」

「蒼空さん」

「それでよし。ついでにこのまま、コネクトリンクしてよ」

「……わかったよ。"コネクトリンク"」


 胸がスッと軽くなった。アバドン化して、蝕まれてる私の体は、コネクトリンクでちょっと軽くなる。


 ……私の記憶が毎回、渚くんに流れてるのかもしれないけど、いつの日にか私の全てが知られてしまうのかな。


 まあいいか。


 まだ来ない、これからの戦いにちょっとだけ想いを馳せながら、私は渚くんに体を預けた。


 安心したせいで、不意にやってきた眠気に身を任せた。疲れちゃってたのかな。


◇◇◇


 もう、大丈夫。


 西園マヒロは、動き出す。


 自分のやらかしたことを、まずは知ってもらわないといけない。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 スマートフォンの着信音が鳴り響いた。


『ちょっと、マヒロちゃんっ!』

「い、飯島さん……」

『もう、夏音でいいですって!それよりも、勝手に出ていかないでくださいねっ?』


 明るい声が鼓膜を震わせる。


 じくじく、とマヒロの心に嫌なものが染み出していく。


「ごっ、ごめんね、飯島さん……」

『……また名字で読んでる。マヒロちゃんは手強いですねっ』


 飯島(いいじま)夏音(かのん)

 ラスト・インヘリタンス二章において、第四深禍災害攻略の鍵となるキャラクターの一人。


「だって、ボクのせいで大怪我しちゃったし……」

『あはは、名字で呼ぶ理由がそれ?大丈夫だって。ちょっと出撃できないけどね?』


 その少女は出撃できない。


 取り返しのつかないことを知ってるのは、マヒロだけ。

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